出版社 : 光文社
大流行した感染症や地方の過疎化が進んだせいで、「祭り」が行われなくなった地域が増えてきた。これまでは、祭りによって鎮められていた八百万の神々が怒り、暴れだす。この事態に対処するために組織された「祭祀保安協会」の、九重十一とアシスタントの八多岬、怪しさ満点のこの二人組が不思議な出来事を鎮め、荒ぶる神々を処分していく。東北を舞台に描き出す、連作ファンタジック・ミステリー。
法廷を手玉に取る不可能犯罪。 徹底した論理で追い詰める魔女狩り。 正義の火刑審問官VS策謀の弁護士 張り巡らされた罠を見破って、勝つのは誰だ?! 怒濤のロジックと驚愕の結末に息をのむ、次世代本格ミステリの最高峰!
長年在籍したプロダクションを退所する俳優。人気女優を10年かけて育て上げた辣腕マネージャー。Instagramにハマったベテラン女優。容姿端麗な若い男たちのミュージカルを仕切る女性プロデューサー。容姿を弄るネタで30年笑いをとってきた漫才コンビ。誹謗中傷や家族の問題に悩まされているアイドル俳優。震災の町で芸能界の仕事をする娘を苦々しく思う父親。元芸能マネージャーの著者が、リアルな芸能界の世界に迫る!
俺の人生、もっと高く跳べるはず。お笑いでは芽が出ず、身体能力ばかりが評価され、番組の企画で棒高跳に挑戦することになった崖っぷちの芸人。その番組を通じて共演するのは、パリ五輪が目標のいけ好かない大学生アスリート。出会うはずのなかった二人、それぞれの跳躍の先に広がる景色はーー。明日を迎えるのがきっと楽になる、夢と現実のその先にある物語。
この人は人生をリノベーションするつもりだーー亡き夫から莫大な遺産を相続した女性の前に絶縁したはずの兄が現れ、「あんたは偽者だ」といいだす。女性は一笑に付すが、一部始終を聞いていた元マジシャンのマスターは驚くべき謎解きを披露する。果たして嘘をついているのはどちらなのかーー。謎に包まれたバー『トラップハンド』のマスターと、彼の華麗なる魔術によって変貌を遂げていく女性たちの物語。
1947年。英国軍人のイアンは、戦場で不当に斬首された兄の仇を討つため来日する。駐日英国連絡公館の協力を得つつ少ない手掛かりを追うが、英経済界の重鎮である父親ゆずりの人種差別主義者でプライドの高いイアンは、各所と軋轢を生む。GHQ、日本人ヤクザ、戦犯将校……さまざまな思惑が入り乱れ、多くの障害が立ちふさがる中、次第に協力者も現れるが日本人もアメリカ人も信用できない。イアンの復讐は果たされるのか?
チェリストの黛由佳が放火事件に巻き込まれて死んだ。由佳の自由奔放な演奏に魅了され、彼女への思いを秘めていたチェリストの坂下英紀は、火神の異名をもつ孤高のチェリスト鵜崎顕に傾倒し、「鵜崎四重奏団」で活動していた彼女の突然の死にショックを受ける。由佳の死に不審を感じた英紀は鵜崎に近づき、死の真相を知ろうとする。音楽に携わる人間たちの夢と才能と挫折、演奏家たちの<解釈>と<物語>に迫る、長編ミステリー。
わたし、悪くない。ひとりで破滅なんて絶対しない。妻に先立たれ養子の息子と向き合う老人。仕事が忙しい妻を支える気弱な夫。地方の美術館でくすぶり続ける学芸員。倒産や理不尽なリストラで無職となった同級生たち。借金苦から逃れようともがく老女。会社ぐるみで不正を隠蔽する社畜たち。彼らに正論は通じない。ひとつの嘘から、転がりだす悪意の連鎖。強がり、もがき、這い上がろうとする嘘つきたちが最後につかんだものは?
本格シーンの次世代を担う逸材だ。確かな論理と刺激的な結末をご堪能あれ! 東川篤哉 彼が狙っているのは強行突破だ。しかし、そこにこそ快楽がある。 石持浅海 この謎を解いたら、もう子どもではいられない。 Z世代による、これが本格ミステリのネクストステージ! 阿津川辰海のブレイクで注目を集める新人発掘プロジェクト カッパ・ツー、待望の第三期デビュー作!
熱帯の無人島で起きた集団怪死事件。残された者が楽園の深部で目撃したものはー日本最南端の無人島・瑠璃島で、ある朝、海洋生物総合研究所の研究員が立て続けに死亡する。ほとんどが自殺にしか見えないが、動機の想像がつかない。生き残った研究員・高井七海は、死亡した所長が極秘研究を進めていたことを突き止める。事件との関連はあるのか?折しも、島内では動物たちの異常行動が観察され始めていた…。生物学を究めた医療ミステリーの新生が放つ、トラウマ不可避の新境地!
時は天明、戦なき泰平の世。篠山藩右筆の娘・リクは退屈な藩邸暮らしを嫌い、自分らしさを探し求め、剣術の稽古に明け暮れていた。そんなリクに舞い込む縁談話、相手は山田家の養子となったばかりの三輪源五郎だった。当時、罪人の斬首を担当する山田浅右衛門は首斬りの一族として忌み畏れられていた。ゆえに父や藩は反対し、すぐに断ろうとするが、源五郎の剣技を目にしたリクは、その深い度量に惹かれていく。
大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中に話しかけてきた大阪弁の女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗ったがーー「違う羽の鳥」 失業中で家に籠もりがちな恭一。ある日小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣の一軒家に住む老人にもらったというそれをたばこ代に使ってしまった恭一だがーー鮮烈なる”犯罪”小説全6話
三重県の四日市で江戸時代から続く老舗造り酒屋・加賀屋酒造の創業者一家に、殺人事件が起こった。生首が酒蔵で見つかり、胴体は屋敷で布団に寝かされていたという。加屋賀酒造には、門外不出の酒米・間歩守とその米を材料にした地域を代表する銘酒・間歩錦がある。繁盛を妬んだ同業者の仕業なのか?一方で、この酒造には奇妙な言い伝えがあった。創業者は妖怪・抜け首の血を引く一族だというのだ。酒造を訪れていた人形師・巽藤子は、頼まれもしないのに事件に首を突っ込む。まるで、因果の歪みに魅せられているように。欲望と因習、秘められた悪事と捻れた殺意。謎が謎を呼ぶ長編ミステリ!
警察小説No.1ヒット!累計500万部突破の姫川玲子シリーズ最新作。塞がれた窓、防音壁、追加錠……監禁用に改築された民家で男性死体が発見された。警視庁捜査一課殺人班十一係主任、姫川玲子が特捜に入るも、証拠は隠滅されていて糸口はない。玲子の天性の勘と閃き、そして久江の心に寄り添う聞き込みで捜査が進展すると、思いもよらない人物が浮かび上がり…。魚住久江が合流し、姫川班が鮮烈な進化を遂げるシリーズ第10作!
累計100万部突破!「和菓子のアン」シリーズ3年ぶりの最新作、どうぞ召し上がれ。 「みつ屋」以外にも目が届くようになってきた今日このごろ。別れと出会いと「なんで?」を乗り越えて、アンちゃんも新しい扉を開きます。東京デパートの食品売り場から、たくさんのはじめての場所へ……。甘酸っぱい謎と和菓子の世界が、あなたをお待ちしています。 ーー人の転機は十人十色。甘いお菓子で一息いれて、さあ進みましょう。
小間物問屋『遠野屋』の主、清之介は、嵯波の紅花産業に莫大な金を注ぎ込んできた。その紅餅を積んだ船が突然消えた。さらに奉公人のおちやにも騒動が起きる。事件が続くことに北定町廻り同心、木暮信次郎と岡っ引、伊佐治は不審に思う。次々と『遠野屋』に降りかかる不穏な動き、清之介に纏わりつく、血の臭い、底なしの闇。ニヒルな同心信次郎、元刺客の商人清之介。尋常ならざる男と男がうねり合う「弥勒シリーズ」第12弾!
悪質なプロ経営者に潰された父の仇を討つ。彼らが再び暗躍を始めたことを知った投資ファンド女性副社長・樋熊令は、信頼する仲間と共に、世界経済のトレンドと矛盾を利用した一世一代の経済ゲリラ戦を仕掛ける。リンクし膨張を続ける各国のマーケットで、何が起こるのか?
その国では、物語を語る者が「本」と呼ばれる。一冊につき、一つの物語。ところが稀に同じ本に異同が生じた時に開かれるのが市井の人々の娯楽、「版重ね」だった。「誤植」を見つけるために正当性をぶつけ合う本と本。互いに目を血走らせるほど必死なのはなぜか。誤植と断じられた者は「焚書」、すなわち業火に焼べられ骨しか残らないからである。表題作他7編収録。要注目の新鋭作家が、凶暴な想像力を解放して紡いだ七つの異界。