小説むすび | 2025年12月発売

2025年12月発売

ゲルニカの上にひまわりを描くゲルニカの上にひまわりを描く

出版社

幻冬舎

発売日

2025年12月2日 発売

最大の悲劇は、悪人の残酷さではなく、善人の沈黙である 国家の弾圧、メディアの大罪、ネットの狂気……。 悲劇的な運命に翻弄される男が掴んだものは、救いか、さらなる混沌か。 交錯する運命。境界が消える善悪。やがて物語はこの世界の隠された真実に辿り着く。 鼓動が続く限り運命に抗えーー 国家の圧政により家族を失った男は、亡き父が残した暗号ファイルを手に、国家に無謀な闘いを挑む。次々と降りかかる理不尽に対抗するために、男が見出した最後の術は「物語の力」だった。物語で世界の有りようを書き換えようとする男が手にしたものは、祝福か 呪いか……。残酷な現実に抵抗する人間の痛みと希望を描く物語のゆくえとはーー プロローグ 二人の現在地ーー土橋直哉 手記1 事件ーー土橋直人 失ったものと手にしたものーー土橋直哉 思い出にならない記憶ーー榎本慎太郎 事件の残滓ーー土橋直哉 手記2 差し出された手ーー土橋直哉 消せない真実ーー藤本美香 音声データ 先生の最後の言葉ーー土橋直哉 心を揺さぶるものーー榎本慎太郎 津波に奪われなかったものーー藤本美香 告発と波紋ーー土橋直哉 ペンは剣よりも強しーー榎本慎太郎 告発と陰謀 小説家の嘘    後藤の計画ーー土橋直哉    人間だけが持つものーー土橋直哉    ゲルニカの上にひまわりをーー土橋直哉

漆黒のLAST WALTZ〈帰還〉漆黒のLAST WALTZ〈帰還〉

出版社

風詠社

発売日

2025年12月2日 発売

柳原郁夫は独立して自分のビジネスを始めたいと考えるが、妻の裕子からは強く反対され、計画を断念する。それから1年後、今度は妻の裕子が女性起業家養成塾を立ち上げ、多くの参加者を集め成功を収める。その後、裕子の様子に変化が見られ、医師から中程度のアルツハイマー型認知症と診断される。徐々に彼女は出不精になり、階段やエスカレーターの使用を避けるようになる、外出時は郁夫が付き添ったが、ショッピング中の混乱や物忘れが頻繁に起こり、裕子は自身の行動に戸惑いを見せ始める。そして、優しい性格だった裕子は次第に激しい怒りから物を投げたり、時には包丁すら手に取るようになってしまう。家族は彼女を守り、耐えることが続いたが、年月の経過と共に関係が次第に複雑になっていった。その後、施設に入居したが、その生活中に裕子の体調が急変し、膵臓がんが発見された。余命宣告を受けた彼女は在宅看護を受けながら最後の日々を家族と穏やかに過ごすが、徐々に体力が衰えていく。それでも息子・祐の支えもあり、裕子は一時的に生き生きとし、病気を忘れたように見えたが、緩和病院への転院前夜に、裕子は家族に見守られながら静かに息を引き取った。郁夫は妻を悼みながら、裕子のことを思い出の中で大切に抱きしめる。 第一章 孤独から共生へ/第二章 意表を突かれて/第三章 たゆたう魂/第四章 共生から自立へ/《エピローグ》愛しきは命

カビリアカビリア

医師の眼と詩人の手つき 宿痾、痛み、性と死、澱汚と諦念……ソ連崩壊前夜に小説の新たな沃野を拓いたパレイの初期三部作ーー「追善」「エヴゲーシャとアーンヌシカ」「バイパス運河のカビリア」--で描かれるのは、グロテスクが発酵する日常を淡々と生きる、行き場のない人びとであり、その生は言ってみれば「いずれもそれぞれに不幸なものである」。とはいえ、幸福な生が必ずしも美しいものとは限らないし、不幸な生が醜いわけでもない。医師でもあったパレイの自伝的要素もまとった語り手は、幼い日に祖父母の家で目の当たりにした業の行く末と死、一癖も二癖もある老女たちとの共同住宅での営み、そして、バイパス運河通りで天衣無縫に生き切った「カビリア」を、冷めたあたたかな眼差しで眺めながら、饒舌にして平静、乾いていながら粘りつく唯一無二の文体で編んでゆく。ゴーゴリやドストエフスキー、アフマートワらによって紡がれたテクスト・ペテルブルクの系譜にありながらも、粛清や大祖国戦争、封鎖や飢餓といった悲劇、ガガーリンの活躍や原発事故、ペレストロイカなどソ連史を内に湛えるこれらの作品は、むしろ「テクスト・レニングラード」と呼ぶにふさわしい。

午後便には乗るな午後便には乗るな

発売日

2025年12月2日 発売

ー働くとは。生きるとは。 1984年、バングラデシュ・ダッカ。 現地駐在員としてインフラ事業を担っていた片岡章二のもとに、ある日の午後、衝撃的な一報が届く。 バングラデシュ航空機がダッカ空港近くで墜落。住吉商事からの出張者二名が乗っていたらしい。 なぜ彼らは、「死にたくなければ乗るな」と警告されていたはずの“午後便”に乗ってしまったのか……。 彼らの行動の背景にあったのは、組織への厚い忠誠心だった。 実際に起きた航空事故をもとに、国境を越えて働くことの過酷さとロマン、そして“会社”という巨大な論理が個人の命を飲み込む不条理を描き出すノンフィクション小説。 ※この書籍は2021年に出版された『安息日は二度と来ない:ダッカ1984・航空機事故とある商社マンの葬送歌(レクイエム)』のリニューアル版です 目次 プロローグ 1 ネバー・オン・サンデー 2 ハンガー4 3 地獄の沙汰も金次第 4 火葬の村 5 深夜のスピークアップ 6 懲罰人事 7 肥溜め商社 8 社長のお忍び 9 男子単優勝 10 結論はUFO 11 自衛隊の手つなぎ鬼 12 ワシントンDCの桜 13 二度目の懲罰人事 エピローグ あとがき 著者プロフィール

白雪姫と五枚の絵 ぎんなみ商店街の事件簿2白雪姫と五枚の絵 ぎんなみ商店街の事件簿2

出版社

小学館

発売日

2025年12月3日 発売

緻密で鮮烈なマルチ・アートミステリー! かつて「ぎんなみ商店街の白雪姫」と呼ばれた八百谷雪子は、現在認知症を患い入院中。商店街の人気焼き鳥店「串真佐」三姉妹の次女・都久音は宝石店店主の神山と見舞いに行くことに。すると病室で魔女が白雪姫に毒林檎を渡そうとしている絵を見つける。旧知の神山も認識できない様子の雪子だが、絵の魔女を指さし「こいつね、わるいやつなの。私から一億円を盗んだの」と言いだした。 一方その頃、木暮四兄弟の次男・福太と三男・学太は早朝ジョギング中の河原で、スポーツ店店主の遺体を発見。彼の手元には走る子豚たちが描かれた絵が落ちていた。一目見て、学太はそれが亡き母の手によるものだと気づく。 「白雪姫」「三匹の子豚」「赤い靴」「ヘンゼルとグレーテル」「雪女」。相次いで見つかった五枚の絵は「見立て絵」で、何らかのメッセージが隠されているらしい。三姉妹と四兄弟は、それぞれの絵に仕組まれた謎に挑むことに! 時に協力しながら、時に推理合戦を繰り広げながら。七人の探偵たちが解き明かす五つの謎が描き出す真実とは。巧妙すぎる伏線と、鮮やかな結末に驚嘆すること間違いなし。2025年いちばんのインパクトをぜひ味わってください。 【編集担当からのおすすめ情報】 「ひとつの事件に二つの真実」という前代未聞の読書体験で大ヒットとなった『ぎんなみ商店街の事件簿』〈Brother編〉〈Sister編〉。あの愛すべき四兄弟と三姉妹が帰ってきました! 今作で彼らが挑むのは「見立て絵」の謎。四兄弟の母が遺したと思しき五枚の絵が、同時多発的に発見され、それぞれに隠された謎に挑みます。もちろん、「五枚の絵」もフルカラーで収録。あなたはこの絵が何の「見立て」か、見破れますか?

GOAT Winter 2026GOAT Winter 2026

29万部突破!話題沸騰の新文芸誌、第3号 〇特集「美」 【小説】 高瀬隼子 九段理江 間宮改衣 山口未桜 芦沢 央 井上先斗 大前粟生 児玉雨子 蝉谷めぐ実 永井紗耶子他 【インタビュー】 池田エライザ 【対談】 上白石萌音×藤原さくら 恩田 陸×鈴木成一 【芸術新潮コラボ企画】 暮田真名×Nerhol ぱらり×諏訪 敦 【鼎談】 佐藤 究×IIISU [本格ミステリ特集] 【鼎談】 青崎有吾×阿津川辰海×白井智之 【エッセイ】 有栖川有栖 法月綸太郎 【私のGOAT本】 町屋良平 松井玲奈 宮内悠介 yama他 【文学賞】 第3回GOAT×monogatary.com文学賞 受賞作発表 選考委員長:加藤シゲアキ 【対談】 藤ヶ谷太輔×朝井リョウ 俵 万智×岸田 繁 平野啓一郎×マライ・メントライン 【鼎談】 浜辺美波×目黒 蓮×長月天音 [特集] 「ぎんなみ商店街の事件簿」完全ガイド 読書系 YouTube「ほんタメ」×「GOAT」コラボ 【対談】たくみ×齋藤明里 【インタビュー】井上真偽 新作試し読みも! 【小説】 金子玲介 貴志祐介 佐原ひかり 遠田潤子 八木詠美 他豪華企画多数! 【編集担当からのおすすめ情報】 「美」というテーマにとことん向き合い、表紙には”コールドフォイル”という特殊な加工を施して、虹色のグラデーションのような輝きを実現しました。ぜひご覧いただけますと幸いです!

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