小説むすび | 2025年12月発売

2025年12月発売

仮装刑事、北へ仮装刑事、北へ

出版社

風詠社

発売日

2025年12月4日 発売

寒風の中、多摩川の橋上で面識もない5人の男達が怪しげに動き回っていた。突然、彼らのスマホが鳴り、男からの命令を受け、指定された家に侵入した。その直後に1人の男が姿を現し、仲間と共に彼らを逮捕した。この作戦は「仮装刑事」によるもので、刑事・澤村圭一郎は、逮捕はしたものの主犯の姿をつかめずに不満を抱えていた。翌日、澤村は警察庁外事情報部への異動を命じられた。任務は北韓へ潜入し拉致被害者を探索し、全員奪還せよ、との密命だった。過去には家族を失い、正義感から警察官を目指し、地方の警察で順調に昇進して来た澤村だが、この新たな任命ではハングルに堪能な語学力が評価されたようだった。澤村は北韓への潜入に成功し、協力者も得て、ある強制収容所に政府認定の拉致被害者男性が1名、民間団体が拉致嫌疑失踪者と呼んでいる男性2名、政府も民間もノーマークの男性が1名拉致されている事を突き止めた。それにより国内でも拉致被害者問題に焦点が当てられ、様々な困難や葛藤を背負いながらも、国家的な課題として立ち向かうことになる。澤村は「絶対に拉致被害者全員を奪還する」との強い決意を胸に、多くの困難を克服しつつ、日本の平和に影響を与える計画が展開されていく。硬直していた政治も動かざるを得なくなった。澤村を中心に希望を抱いて果敢な行動を続ける彼らの取り組みは新たな時代を迎えるための大きなうねりを形成していく。 第一章/闇バイト/警察庁外事情報部/紋次郎ジイ/第二章/脱北者/ヨドンク強制収容所/再会/第三章/咆哮せよ/帳を裂く夜

武家女人記武家女人記

出版社

集英社

発売日

2025年12月5日 発売

江戸時代、さまざまな身の上を生きる武家の女人たちを、山本周五郎賞作家があざやかな筆致で描く、傑作時代小説集。 馬廻りを務める高梨家の娘・織江は、縁談の話が来てもおかしくない年齢になっている。あるとき彼女は、城下のはずれで行われる荒神さまの祭礼に出かけるのだが、思わぬ事態になり……(「ぬばたま」)。 茅乃の夫・保科定八は勘定方の下役頭を務めているが、このところ顔色が冴えない。ある日彼女は夫から、藩政に関わる一大事を知らされて……(「背中合わせ」)。 中老を務める小野寺家に嫁いだ雪絵は、兄から若い長身の男を小者として抱えるよう頼まれる。この男の出現が、彼女に思いがけぬ影響を与えていく(「嵐」)ほか全七話。 収録作品:ぬばたま/背中合わせ/嵐/緑雲の陰/深雪花/縄綯い/あねおとうと 【著者略歴】 砂原浩太朗 (すなはら・こうたろう) 1969年生まれ。兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業。2016年「いのちがけ」で第2回決戦!小説大賞を受賞。2021年『高瀬庄左衛門御留書』で第9回野村胡堂文学賞、第15回舟橋聖一文学賞、第11回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞。2022年『黛家の兄弟』で第35回山本周五郎賞を受賞。他の著書に『いのちがけ 加賀百万石の礎』『藩邸差配役日日控』『霜月記』『夜露がたり』『浅草寺子屋よろず暦』『冬と瓦礫』『雫峠』『烈風を斬れ』など。

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