2025年12月発売
孤児院に暮らす18歳の少女ジルーシャはある日、顔も知らない紳士から大学進学の援助を受けることになる。条件は、月に一度彼に手紙を書くこと。人気ミュージカル俳優・井上芳雄、坂本真綾と上白石萌音の織りなす世界を言葉でも堪能できるファン必読の小説。
中学生の姿になった伝説の殺し屋・大狼十三は学校行事にも真剣に取り組んでいた。 ボランティア活動をはじめ、プール清掃、果ては何故か育児体験まで経験することになり…!?
匡、菖蒲、大喜&千夏の秘話解禁! “青春の幕間”を描いた小説版第2弾!! 高校1年生の夏、笠原匡は家でひとり風邪で寝込んでいた。家族は花火大会に出かけ、自分も本当は猪股大喜、蝶野雛と行く予定だったが、「2人で行って来て」と連絡を入れる。布団に横たわりながら不器用な片想いをしている友人2人について考えていた匡だが、薄れゆく意識のなかで次第にある記憶を思い出す。それは匡自身の不器用な片想いと、大切な友人たちとの“ある夏の記憶”だったーー。 ほか菖蒲と匡のとある日の放課後エピソードや、大喜と千夏の初アルバイト体験エピソードも収録した“青春の幕間”を描く小説版第2弾!!
急速に近代化が進む明治時代前期、小谷家の奉公人・種吉は不安定な身分ながらも、桑を刈り、蚕の成長を見守る日々に充実感を覚えていた。しかしある時、同郷の友人・壮介から学問の奥深さを見せつけられる。壮介の奉公先である深沢家は、民間の憲法私案である「五日市憲法」の起草に関わるなど、進歩的な家だった。種吉は壮介の影響により、学びに無関心な主人に内緒で知識を深めようと決意する。そんな折、家出したはずの小谷家の長男・直助が突然帰宅。種吉は東京帰りの直助から文字を習うようになる。一方、世間の景気は次第に陰りを見せはじめ、雇い止めされる奉公人も増えていた。不安が高まる種吉に対し、社会状況の悪化を「人為的な不況だ」と考える壮介は、新たな仲間と共に社会を変革しようと先鋭化し、危機的な状況が迫っていたー。
「キングがホラーの達人なら、リゴッティはホラーの化身だ。」(ニューヨーク・タイムズ)--祈りなのか、呪いなのか。アメリカのカルト作家による救済なき傑作群が、本邦初単行本化。 ・ 「そう、この世界の人々が、神ならぬ新たな神の存在に勘づいていることを漏らしてしまったのは、せいぜい一世紀前のことだった。」 ・ H・P・ラヴクラフトやフィリップ・K・ディックと並び称され、ブラム・ストーカー賞を4度受賞した、文学史上最も危険な作家が、ついに上陸! ・ ・ 【目次】 ・ 戯れ (若島正 訳) アリスの最後の冒険 (白石朗 訳) ヴァステイリアン (若島正 訳) 道化師の最後の祭り (宮脇孝雄 訳) ネセスキュリアル (若島正 訳) 魔力 (若島正 訳) 世界の底に潜む影 (若島正 訳) ツァラル (若島正 訳) 赤塔 (若島正 訳) ・ 編者あとがき 若島正
寒風の中、多摩川の橋上で面識もない5人の男達が怪しげに動き回っていた。突然、彼らのスマホが鳴り、男からの命令を受け、指定された家に侵入した。その直後に1人の男が姿を現し、仲間と共に彼らを逮捕した。この作戦は「仮装刑事」によるもので、刑事・澤村圭一郎は、逮捕はしたものの主犯の姿をつかめずに不満を抱えていた。翌日、澤村は警察庁外事情報部への異動を命じられた。任務は北韓へ潜入し拉致被害者を探索し、全員奪還せよ、との密命だった。過去には家族を失い、正義感から警察官を目指し、地方の警察で順調に昇進して来た澤村だが、この新たな任命ではハングルに堪能な語学力が評価されたようだった。澤村は北韓への潜入に成功し、協力者も得て、ある強制収容所に政府認定の拉致被害者男性が1名、民間団体が拉致嫌疑失踪者と呼んでいる男性2名、政府も民間もノーマークの男性が1名拉致されている事を突き止めた。それにより国内でも拉致被害者問題に焦点が当てられ、様々な困難や葛藤を背負いながらも、国家的な課題として立ち向かうことになる。澤村は「絶対に拉致被害者全員を奪還する」との強い決意を胸に、多くの困難を克服しつつ、日本の平和に影響を与える計画が展開されていく。硬直していた政治も動かざるを得なくなった。澤村を中心に希望を抱いて果敢な行動を続ける彼らの取り組みは新たな時代を迎えるための大きなうねりを形成していく。 第一章/闇バイト/警察庁外事情報部/紋次郎ジイ/第二章/脱北者/ヨドンク強制収容所/再会/第三章/咆哮せよ/帳を裂く夜
吉川英治の超大作!「宮本武蔵」の第9巻「空の巻」から「二天の巻」まで収載。 二天一流の開祖でもある剣豪・宮本武蔵の剣禅一如を目指す成長を描いている。 第9巻は柳生家の人々の心情描写から、小次郎が攫われたお杉ばばを助けにいく場面まで。 飛札 仮名がき経典 血五月雨 心形無業 雀羅の門 街の雑草 衆口 宮本武蔵 二天の巻 虫しぐれ 鷲 青い柿 露しとど 四賢一燈 槐の門 さいかち坂
「もういい年なのに、まだ結婚しないのか?」 電気工事士が本業のなんでも屋、織田玄徳(ゲントク)は、仕事先でのいつもの台詞にうんざり。 「俺は誰にも何にも囚われずに生涯ひとりの自由を満喫するんだ……!」 しかしそんな想いは、工事中の事故による異世界転移で突如失われてしまう。 転移した先は、魔石に文字を刻むことで便利な魔道具が生み出される世界。 雇われた商会で商売を学び、魔道具技師として独立したゲントクは、 マッチや製氷機、釣り道具やキャンプギアを開発して、 自由気ままな仕事と、スローライフを手に入れる……! もちろん結婚はしないぞ! ずっと独身って、サイコーだ!!
「異星人の次は宇宙海賊にロストテクノロジー? もうなんでもかかってきなさい!」 異星人艦隊を撃破して地球に生還したリリアン。 彼女は駆逐艦セネカの艦長に就任し、ステラをオペレーターに抜擢していた。 確かに変わり始めた未来だったが、セネカでの任務中に姿の見えない宇宙海賊が出現。 不可視の戦艦の圧倒的な性能に地球帝国艦隊は壊滅してしまう。 失われた技術(ロストテクノロジー)を搭載した戦艦に対し、 リリアンはセネカに急造の特殊兵装マスドライバーキャノンを装備させて立ち向かう! 辿り着いた敵の正体は、未来の知識にもない衝撃の存在でーー!?
「エルナさんは、僕の大切な未来の妻ですから」 晴れて王太子グラナートと婚約したエルナ。 初めての公務は隣国で行われる条約の調印式参加、という名の婚前旅行!? だが、向かった先で待っていたのは──。 「本来なら私が婚約者だったのに」 グラナートの最愛を自称する公爵令嬢シャルロッテだった。 手作りクッキーは踏まれ、お茶会ではハニートラップと、敵意剥き出しの嫌がらせの連続。 それでもグラナートのエルナへの愛は揺らぐことなく、入り込む余地はないと知ったシャルロッテの憎悪は増して……。 迎えた調印式当日、エルナの身に最大の試練が訪れる──!? 刺繍好きの平凡令嬢×一途な美貌の王太子の焦れラブファンタジー、待望の第三弾!
幼い頃の出来事がきっかけで、対人恐怖症のクリスティーナは、16歳になった今でも自分をひた隠し、地味に過ごしている。 そんなクリスティーナだけど、優しい幼馴染みのマルコムの前では心を許し、彼を信頼していた。 そしていずれは彼と婚約を結び、一緒になれると思っていた矢先、マルコムの衝撃の裏の顔を知ることに。 大好きな人に自分が疎まれているという事実に加え、そんな彼の傍らにはソフィーという彼女までいて……。 悲しみに暮れるクリスティーナの目の前に現れたのはーー学園でも絶大なる人気を誇る、雲の上の存在。 「孤高の銀狼」と呼ばれる、フェルベールだった。 少しずつ交流していく中で、クリスティーナの健気さ、そして本当の強さを知ったフェルベールはいつしかクリスティーナに心惹かれていきーー。 傷ついた伯爵令嬢の再生と、本当の愛を知る物語。
オルビアン公爵夫人ジュリエッタはある日、“前世の記憶”の夢を見る。 前世の記憶にあった小説の“悪妻ジュリエッタ”は夫レアンドロに執着し、レアンドロの命をつなぐ自身の“熱の魔力”を利用して彼を縛り付けていた。 小説の結末でレアンドロはヒロインと駆け落ちして命を落としてしまう。ジュリエッタは自身が夫の邪魔をし、死に追いやってしまうのだと気が付き、身を引くことを選んだ。 そして決意する。彼が必要とする自分の魔力だけを彼に移植して離婚する、と。 しかし、妻が消えたことにレアンドロは血相を変えてーー! “前世の記憶”に翻弄され、引き裂かれる二人の愛の物語、開幕!
「もう絶対にこの手を離さない!」 大聖女となったヴェロニカは、積年の思いを叶えたエドゼルの甘すぎる愛に翻弄されながらも、王太子妃としても幸せを噛み締めていた。 次なる行事は『春分のお祭り』。前任の大聖女であるバーシアにも招待状を送ったのだが、返ってきたのは国境沿いの町で行方不明になったとの報告。 時を同じくして、市井の研究者ユゼックも連絡が取れないことを知る。 ヴェロニカは単身、調査に乗り出すが、奇妙な音に導かれるようにたどり着いた神殿で、隠し通路に引きずり込まれーーヴェロニカ失踪を知ったエドゼルは、伝説の歯車を手に誓う。 「……必ず見つける」 エドゼルの執念を感じさせる捜索が始まるーー!
江戸時代、さまざまな身の上を生きる武家の女人たちを、山本周五郎賞作家があざやかな筆致で描く、傑作時代小説集。 馬廻りを務める高梨家の娘・織江は、縁談の話が来てもおかしくない年齢になっている。あるとき彼女は、城下のはずれで行われる荒神さまの祭礼に出かけるのだが、思わぬ事態になり……(「ぬばたま」)。 茅乃の夫・保科定八は勘定方の下役頭を務めているが、このところ顔色が冴えない。ある日彼女は夫から、藩政に関わる一大事を知らされて……(「背中合わせ」)。 中老を務める小野寺家に嫁いだ雪絵は、兄から若い長身の男を小者として抱えるよう頼まれる。この男の出現が、彼女に思いがけぬ影響を与えていく(「嵐」)ほか全七話。 収録作品:ぬばたま/背中合わせ/嵐/緑雲の陰/深雪花/縄綯い/あねおとうと 【著者略歴】 砂原浩太朗 (すなはら・こうたろう) 1969年生まれ。兵庫県神戸市出身。早稲田大学第一文学部卒業。2016年「いのちがけ」で第2回決戦!小説大賞を受賞。2021年『高瀬庄左衛門御留書』で第9回野村胡堂文学賞、第15回舟橋聖一文学賞、第11回本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞。2022年『黛家の兄弟』で第35回山本周五郎賞を受賞。他の著書に『いのちがけ 加賀百万石の礎』『藩邸差配役日日控』『霜月記』『夜露がたり』『浅草寺子屋よろず暦』『冬と瓦礫』『雫峠』『烈風を斬れ』など。
母亡き後も一族から冷遇され、身代わりとして嫁いだ皇帝の手により理不尽な最期を迎えた第七王女・エリュシア。次に目を覚ますと、三年前の嫁がされる前に戻っていて…? 最悪な未来を変えるため、エリュシアは自ら死を偽装する逃亡計画を実行! 身分を隠し、魔道具師として才能を発揮して楽しく暮らす一方で、かの皇帝を失脚させようと動く皇太子・ディーデリックに協力することに。さらに母の死に一族が関係していることを知り…? 捨ててまで掴んだ第二の人生、誰にも邪魔はさせません! 策士な王女が巧妙に繰り広げる、二つの国を巻き込んだ大逆転ファンタジー!
「もう、生きていけません。さようなら」--王太子ロランは、婚約者クラリスの才能を搾取した挙句、彼女に婚約破棄と追放を言い渡す。クラリスさえいなくなれば、すべてがうまく回るーーそう信じて。しかしその直後、クラリスは大切にしていた懐中時計と意味深な手紙を残して自ら姿を消した。彼女の“死”により明るい未来に希望を抱いたのも束の間、我儘な愛人や難航する政務に振り回され、ロランは次第に追い詰められていき…。一方、姿をくらませたクラリスは、計画通りある場所へ向かっていて…? すべてを奪われた有能令嬢が仕掛けた、大逆転ファンタジー!
「僕が幼馴染と仲良くするのは君が魅力的じゃないからだ!」--婚約者から都合の良いように使われる日々を送っていた子爵令嬢リリス。以前からリリスの親友ばかりを気に掛ける婚約者にうんざりしていた。そんなある日二人の裏切りが発覚すると、痺れを切らしたリリスは二人を切り捨て、自分らしく生きることを決意! 周囲の協力を得ながら、自由になるための計画を進めていく。一方、二人を待ち受けていたのは、思い描いた未来とは程遠い現実で…? 今さら縋られても、あなた達なんて相手にしてられません! 不遇令嬢の痛快すぎる逆転劇!
「無能で醜いお前は邪魔だ」--強欲な義母義妹に虐げられた挙句、辺境へ追い出された伯爵令嬢フェリーネは、薬師として貧しく孤独な日々を送っていた。そんなある日、怪我をした男性・アレックスを偶然助け回復まで一緒に暮らすことに。誠実な彼との距離は徐々に縮まって一夜をともにし…懐妊。さらにアレックスは第二王子と判明! 彼に連れ出され、至れり尽くせりの王宮で妃として存分に愛される人生が始まる。一方、妃の座を狙っていた義妹らは全ての計画が狂い悲劇のどん底に…! 不遇な過去と決別し新天地で幸せを掴む、地味才女の大逆転!
国王崩御とともに第一王子から婚約破棄された公爵令嬢のアイリス。さらに第一王子の母・ディアドラは彼女の優秀さを疎み王宮から追放してしまう。愛する娘への理不尽な仕打ちに憤った両親は、一家揃って国を見限ることに。社交界で力を持つ母、国の重鎮である父と兄、さらに頭の切れる名宰相ーー国の要人は全員アイリスの味方だった! 自由になったアイリスがその才知を振るって幼馴染の第二王子と公爵領を盛り上げる一方、第一王子の評判は落ち、次々と人が立ち去っていて…? 100日後に全てがひっくり返る、最強公爵家のざまぁ譚、開幕!