出版社 : 白水社
〈ポスト・パンク〉ティーンズ小説の誕生。詩・日記・童話・戯曲などのスタイルを取り、ポルノグラフィックな言説やイラスト、大胆なカットアップや引用を駆使し、「女性版バロウズ」キャシー・アッカーが、少女ジェニーの性と暴力の彷徨を描く。注目のカルト・クラシック、日本に挑発デビュー。
ニューヨークのTV界を舞台にくりひろげられる、とびきり愉快で、ちょっぴり心暖まる物語。『君がそこに…』のトム・レオポルドが再びおくる、ユーモアあふれるラブ・ストーリー。
闊達に生きる在野の豪傑、朝鮮版ドン・キホーテの活躍を痛快に描く「鳳伊金先達行状記」をはじめ、「大統領の食卓」「沈黙は金なり」など、小説、ショートショート、コント、ドラマの各ジャンルにわたり、頓智や艶笑、政治風刺のきいた朝鮮独自のユーモア文学の傑作を編んだ初めてのアンソロジー。
美しい海、澄みきった湖、居心地のよい旅篭、古いテニスコート…。そんな風景を抱いて静まりかえる村々と、そこに生きるちょっぴり風変わりな人々。スコットランドの作家ダンが描く彼らの生活と心情に読者は時に微苦笑し、時に胸を打たれる。英国伝統の田園小説に現代的味つけを加えた珠玉の短篇集。
スペイン文学の流れには、〈スペイン的リアリズム〉と並行して、驚異・怪奇・幻想的要素が脈々と生き続け、独特の精神風土に想像力豊かな、魅惑の作品群を開花させている。ベッケル、アラルコン、クラリン、バレラ、バリェ=インクラン、カステラオ、マトゥテら、12人の傑作を編んだ画期的短篇集。
ブッカー賞作家による『ロビンソン・クルーソー』の大胆な読み変え。クルーソーの島にひとりの女が流れついた。フライデイとともに帰国した彼女は、みずからの体験に言葉を与えてくれる作家を追い求める。作家の名はダニエル・フォー…。厳しく精緻な輝きに満ちた寓話。
七つの短篇と七つの掌編が織りなす美しく力強い小説世界。シカゴに生まれ育った現代アメリカの最も期待される作家ダイベックは、ユーモアと愛措をこめてこの古い湖岸の街のたたずまいを、若者たちの友情と孤独を描き出す。ジョイスの『ダブリン市民』にも比肩しうる新しい都会小説の誕生。
死の直前に刊行された『天球の回転について』によって近世の宇宙観に大革命をもたらした地動説の主唱者、コペルニクス。だが果たして彼は真の宇宙像を表し得たのか?アイルランド・ポストモダン文学の旗手がさまざまな仕掛けをめぐらして描く新感覚の伝記小説は、読者を知的興奮の渦に巻き込む。
『発熱』『海を見たことがなかった少年(モンドとその他の物語)』に続く第三短篇集。新聞が取り上げそうな小事件を題材に、ドラマとしての悲劇性の復活が、明晰な言葉と文体に支えられて十一の短篇に結晶している。中堅作家として、独自の眼差でさらに変貌しつつ新たな小説世界を展開。
時は17世紀、舞台は疫病とピューリタン革命うず巻くロンドン。象をも空にふっ飛ばす未曽有の大女“ドッグウーマン”と彼女の拾い子ジョーダンは、自由の天地を目ざし、幻の女フォーチュナータを捜して時空を超えた冒険の旅に出る。英国の新鋭ウィンターソンが放つ奇想天外なベストセラー小説。
〈無為〉を唱えつつも一揆に走る〈真弱教団〉、あえて自滅の道を選ぶその分派〈破瓜集団〉、人民支配に苦悶する老いた皇帝乾隆、等を史実を下敷に重層的に描く壮大なドラマ。「ベルリン・アレクサンダー広場」の著者が列子に捧げた中国小説の傑作。フォンターネ賞受賞。
豊田秀吉の朝鮮出兵によって村上景親に捕われ、日本に連行された地方豪族の妻風蓮と女中伽〓(かや)が、はるか望郷の念を抱きつつ、一方は2度の自殺未遂の上で景親の側室となり、他方は周倒に脱出の機会をうかがいながら、それぞれが悲しい侵略の宿命を生きる姿を描いた、朝鮮半島から見る「女の一生」。