出版社 : 小学館
“これから”の働きかたの物語 大学院を卒業後、新卒で入社した会社を春指みなとは九ヶ月で辞めた。所属していた総務二課は、社員の意識向上と企業風土の改善を標榜していたが、朝礼で発表された社員の「気づき」を文字に起こし、社員の意識調査のアンケートを「正の字」で集計するという日々の仕事は、不要で無意味に感じられた。部署の飲み会、上司への気遣い、上辺だけの人間関係──あらゆることに限界が来たとき、職場のトイレから出られなくなったのだ。 退職からひと月経っても次の仕事を探せないでいる中、みなとは立ち寄った公園の草むらに埋もれた郵便箱を見つける。中には、手紙が一通入っていた。 「この手紙を手に取った人へ」──その手紙に返事を書いたことがきっかけで、みなとと高校2年生の森本飛鳥の「郵便箱」を介した文通が始まった。 無職のみなとと不登校の飛鳥。それぞれの事情を話しながら「文通」を「仕事」にすることを考えついたふたりは、クラウドファンディングに挑戦する。 『ブラザーズ・ブラジャー』『人間みたいに生きている』の新鋭が描く“これから”の働きかたの物語! 【編集担当からのおすすめ情報】 著者の佐原ひかりさんは、デビュー作『ブラザーズ・ブラジャー』で注目を集め、3作目の『人間みたいに生きている』で大ブレイク。司書として働きながら多数の連載を抱える、兼業作家の経験も活かして描いた、新しい時代を生きる世代の働き方の物語です。 仕事とはなんなのか、なんのために働くのか、好きなことは仕事にできるのか……仕事観を見つめ直すきっかけになる一冊です。 そして、作品の中に描かれる手紙のやりとりもとても魅力的です! 《便箋、インク、封筒、切手、気持ち、話題、ことば。すみずみまでこだわって、整理して。手紙を書くときに覚えるのは、心の手入れをしているような感覚だ》 読後、誰かに手紙を送りたくなるかもしれません。文通、しませんか? ** 本書は、アクセシビリティに配慮した本です。視覚障害・肢体不自由などの理由で必要とされる方に、本書のテキストデータを提供いたします。 本書巻末よりお申し込みください。 **
生きることは、まだ許されている。 明治18年初夏、瀬戸内巽は国事犯として徒刑13年の判決を受け、北海道の樺戸集治監に収監された。同房の山本大二郎は、女の話や食い物の話など囚人の欲望を膨らませる、夢のような法螺ばかり吹く男だった。明治19年春、巽は硫黄採掘に従事するため相棒の大二郎とともに道東・標茶の釧路集治監へ移送されることになった。その道中で一行は四月の吹雪に遭遇する。生き延びたのは看守の中田、大二郎、巽の三人だけだった。無数の同胞を葬りながら続いた硫黄山での苦役は二年におよんだ。目を悪くしたこともあり、樺戸に戻ってきてから精彩を欠いていた大二郎は、明治22年1月末、収監されていた屏禁室の火事とともに、姿を消す。明治30年に仮放免となった巽は、大二郎の行方を、再会した看守の中田と探すことになる。山本大二郎は、かつて幼子二人を殺めていた。 「なあ兄さん。 石炭の山で泣いたら 黒い涙が出るのなら、 ここの硫黄の山で涙流したら、 黄色い涙が出るのかねえ」 【編集担当からのおすすめ情報】 直木賞受賞(『ともぐい』新潮社刊)後、第一作! 「地獄に光が差したとして、仮初めであってもお前はそれに手を伸ばすのか」 ーー河崎秋子 ブレイク作『絞め殺しの樹』に連なる、大河巨編! 河崎節が冴え渡る、圧巻の長編監獄小説!
1933年ベルリン、ナチスに招かれた米国人作家。1936年パリ、焚書された本の図書館員。1943年ニューヨーク、兵隊文庫の図書審議会員。時と国を超え、迫害された本を救うためにつながる三人の女性。本を愛するすべての人に贈るシスターフッド&ビブリオ歴史小説。
離婚、追放されたら本当の幸せ見つけました 「ヴェラ、もうきみに興味がなくなった。離婚してくれ!」 次期国王・カロル王子に懸命に尽くしてきたヴェラは、ある日突然、離婚を言い渡される。 雪に閉ざされた僻地へと追放されたヴェラは、曾祖父が遺した屋敷でひとり暮らすことに。 しかし、それは孤独ではなく、自由な生活のはじまりだった。 曾祖父が屋敷に遺した宝箱の謎解きや、花の世話、裁縫など、自由な暮らしを満喫し始めるヴェラ。そんな時、彼女の屋敷に元王子・アランが訪ねてくる。アランは屋敷の周囲で起きている変化に気づき……。 全てを失った令嬢が、秘めた能力で新たな居場所を築く、逆転ラブファンタジー。 【編集担当からのおすすめ情報】 累計15万部突破の大人気漫画がガガガブックスfより登場! 漫画では読めない書き下ろしエピソードや、 カラーで描き下ろされた胸きゅんシーンのイラストは必見です。
季節の風物とともに描く家族の絆の物語。-いま息子が望んでいることを、はなからそれは無理というものだ、と諦めさせたくはなかった。ずっと中学校を登校拒否していた瞬が、引きこもっていた家を出て、社会へと足を踏み出そうとしたことはよかったではないか、と斎木は信じたかった。-草木に囲まれ、野鳥のさえずりを聞きながら暮らす小説家の斎木と奈穂の夫婦。あたたかいご近所さんと交流しながら平穏に暮らすふたりのもとに、斎木の先妻との子が家出したという知らせが舞い込んできた。家庭に大きな不満を抱く息子に寄り添い、離婚以来ほとんど会うことがかなわなかった息子との絆を取り戻すことはできるか…。第31回大佛次郎賞に輝いた名作私小説の後編。
伝記と小説の融合を試みた意欲作3編収録。「自分はむろんのこと、読者にもすこしは楽しんでもらえるような伝記文学の方法はないものかと考えた末にたどり着いたのが、想像や空想も挿入できる小説と伝記のドッキングというスタイルであった。」「日本近代文学史上に巨大な足跡を印した永井荷風の文学的開眼に決定的な影響をあたえた」井上啞々の足跡をたどり墨田川界隈を訪ねる「夜の烏」、悪妻といわれたラフカディオ・ハーン夫人・小泉節子の真実に迫る「残りの雪」、パロディ精神にあふれる批評や小説で名を成したものの貧しさから抜けられず、「本日を以て目出度死去仕候」という新聞広告を出して生涯を閉じた斎藤緑雨を描いた「散るを別れと」-。いずれも事実を丹念に追いつつ、小説仕立てにして想像の羽を大胆に広げる構成で、読む者を魅了する。
契約結婚からはじまる、幸せな刺繍生活。 無能と誹られ、妹に婚約者を奪われてしまったお針子令嬢のサラ。 失意に沈むサラの前に現れたのは、冷徹と噂される氷の伯爵アレクシスだった。 彼から“白い結婚”を提案されたサラは、心機一転、契約上の新婚生活をスタートすることに。 大好きな刺繍に打ち込み、アレクシスの心根の優しさに包まれて幸せな日々を送るサラ。アレクシスに対する想いは、やがて本物の愛へと変わっていく。 さらに、サラの刺繍に秘められた力が、周囲の人々の運命すら変えていきーー。 全てを失った令嬢が、人々との出会いと刺繍の力で幸せな暮らし手に入れる、辺境ラブファンタジー。 【編集担当からのおすすめ情報】 「小説家になろう」で月間2位を獲得した人気作が待望の書籍化です! ヒロインであるサラのことを愛しすぎるアレクシス様と、刺繍の力で幸せな居場所を手に入れていくサラの幸せな暮らしをご堪能下さい。
第50回直木賞を受賞した単行本『塵の中』は、「道祖神幕」「暗い血」「強い女」、そして「塵の中」という4篇からなる。選考委員のあいだでとくに評価が高かったのは、安藤広重の浮世絵を巡って張り合う男女の機微を描いた「道祖神幕」で、4作品中唯一の書き下ろし。また、外国人とのあいだにできた子を育てる蝶子が、数々の不運に見舞われつつたくましく生きていく「強い女」は、「老猿」として雑誌に掲載され、直木賞候補にあげられている。表題作の「塵の中」は、吉原の遊女だった咲子が、普通の幸せを求めて、妻に先立たれた男と所帯を持つものの、夫婦関係や夫の連れ子との関係が思うに任せないもどかしさを描いた中篇。その前半が「露草」として雑誌に掲載され直木賞候補に、後半は「塵の中」として芥川賞候補になっている。女の情念を描きながら、その実著者の半生を映した私小説でもある珠玉の一冊。
里山の日常を繊細に描いた私小説。-もし、名前を知らなかったら、それらは単なる草花であり、木であるだけで、風景の中に埋もれてしまっていることだろう。目の前にあったとしても、特別気に留めないでいることだろう。だが、一度注意して名前を覚え知ったものは、風景から浮かび上がって、こちらに飛び込んでくる。-東北のとある里山に暮らす、小説家と草木染作家の夫婦。すぐそばで新しい鉄塔の建設が進むなか、夫婦を取り巻く人たちの日常が、季節の植物や鳥のさえずりとともに、丁寧に綴られていく。第31回大佛次郎賞に輝いた、佐伯一麦の等身大の物語。
上泉信綱は剣槍を縦横無尽に振るっていた。相模国小田原城主・北条氏康の機略により、武蔵河越城を落とし損ねた関東管領・山内上杉家憲政と扇ガ谷上杉家朝定、関東公方・足利晴氏の連合軍を救うため、一騎当千の働きをせねばならぬのだ。しかし、獅子奮迅の活躍虚しく、主君である上野国箕輪城主長野業政の嫡男・吉業は護りきれなかった。肩を落とす信綱に、業政は無能な関東管領を見限るという。甲斐国躑躅ヶ崎館・武田晴信の誘いにもなびかず、我が道を行く主君に仕える信綱だったが、ついに業政の命運が尽きてしまう。信綱は「兵法を極めよ」という業政の遺言を成し遂げるべく、弟子の疋田文五郎、神後宗治とともに諸国修行の旅に出る決意を固めることに。出立後、信濃国諏訪大社で奉納演武してからというもの、長坂釣閑斎をはじめ、諏訪四郎、武田晴信、小山田信茂らが、兵法家として名高い信綱を引き留めては策を弄してくる。なんとか魔手を振り切り、常陸国へ向かう一行。ようやく辿り着いた、武の神を祀る鹿島神宮を詣でていると、なんと剣聖・塚原卜伝が現れた。教えを乞う信綱に卜伝は…。戦国武将剣豪ロマン。
母はなぜ、義母だと嘘をついたのか 明日見つむぎはごく幼い頃に父と母を亡くし、母方の親戚である奈緒に引き取られた。奈緒は心に不調を抱えながらも「義母」としてつむぎを懸命に育てる一方、心の距離を取ることにはこだわり、「母」と呼ばれることをかたくなに拒んでいた。 そんなある日、病院から奈緒が倒れたと連絡が入る。持病の子宮腺筋症が悪化し、大量に出血したのだという。急ぎ病院に駆けつけるつむぎだったが、そこで医師から奈緒の病状だけでなく、奈緒がつむぎの実の母親であることも告げられる。 信じがたい話に愕然とするが、医師が持つカルテには、たしかにこの病院で奈緒がつむぎを出産したことが書かれていてーー。 母はなぜ、義母だと嘘をついたのか。18年間隠された出生の謎を追う、現役医師作家が描く圧巻の家族小説。
登山で頂上まで行く? 途中で降りられる? 「『あきらめる』って言葉、古語ではいい意味だったんですってね。『明らかにする』が語源らしいんです」 近所の川沿いを散歩するのが日課の早乙女雄大。 入院中の愛する人との残り少ない日々の過ごし方や、 ある告白をきっかけに家を出てしまった家族のこと、 あれこれと思い悩みながら歩いていると、親子風の二人組に出会う。 親に見える人は何やら思い詰めた表情で「自分の人生をあきらめたい」と言う…。 ふとしたきっかけで生まれた縁だったが、 やがて雄大は彼らと火星に移住し、「オリンポス山」に登ることを決意する…!? 「あきらめる」ことで自らを「あきらかにしていく」-- 火星移住が身近になった、今よりほんの少し先のミライが舞台の新感覚ゆるSF小説。 【編集担当からのおすすめ情報】 山崎ナオコーラさんデビュー20周年に刊行される本作のテーマは「あきらめる」。 現代では一見ネガティブな響きのある言葉ですが、あきらめることで自分の輪郭が見えて、きれいなばかりではない本音や進みたい方向、ありたい姿、自分の限界が「あきらかになっていく」物語です。 何かの頂点に立つことや他者からの評価などをあきらめたときに、登場人物たちに起きる変化は、読者の皆様にもぜひ追体験していただきたいです。 読後に清々しい風が胸に吹き込んでくる長編小説です。ぜひお楽しみください。
まったく新しい高校野球小説が、開幕する。 秋山菜々子は、神奈川で看護師をしながら一人息子の航太郎を育てていた。湘南のシニアリーグで活躍する航太郎には関東一円からスカウトが来ていたが、選び取ったのはとある大阪の新興校だった。声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て。息子とともに、菜々子もまた大阪に拠点を移すことを決意する。不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子。果たしてふたりの夢は叶うのか!? 補欠球児の青春を描いたデビュー作『ひゃくはち』から15年。主人公は選手から母親に変わっても、描かれるのは生きることの屈託と大いなる人生賛歌! かつて誰も読んだことのない著者渾身の高校野球小説が開幕する。 【編集担当からのおすすめ情報】 「この物語に救われる球児の母親がどれだけいることか。全母親が落涙必至」 吉田伸子さん(書評家) など、事前に読んでくださった全国の書店員さんからも熱いメッセージが寄せられています。
癌の妻を救うために奮闘する作家の体験記 --寿美は眠りながら、微笑をうかべていた。顔は少しやせているが、一向にとげとげしいところがなく、優しく美しい微笑の表情であったーー いつも元気で病気とは無縁だった妻・寿美が、お腹の違和感を訴えた。いくつかの病院にかかるものの、いずれも胃カタルとの診断。だが、実際には卵巣癌で、余命いくばくもないことが判明する。 お世辞にも愛妻家ではなかった「私」は、その日からなりふり構わず治療法を探しはじめる。臍の緒、梅の木に生えた猿の腰掛、研究中の新薬……。効果があったのか、手の施しようのなかった状態から、手術できるまでに病巣は小さくなり、1年以上持ちこたえたがーー。 芥川賞作家が万感の思いを込めて綴る体験記。
食えない作家志望の青年との同棲生活を描く。「こう世間が不景気じや、あなたの勤口もあぶないもんだし、筆の方でちやんとやつて行ける自信だつて、ないんでしよう。-ね、家を持てないなら私と死んで頂戴!家を持つか、心中するか、どつちかにして頂戴よう!」いつまでたってもうだつの上がらない作家志望の青年・捨六と、浮気癖のある若い女給・時子。食い扶持を求めて小田原、名古屋、東京と転々とするものの、なかなかお金を稼げない捨六に、業を煮やした時子は心中してくれと懇願するがー。時子の独白で綴られる表題作に、久しぶりに再会した二人の一夜を描く後日談「別れた女」を併録。
お前なら、きっと本を取り戻せるはずだ。 幸崎ナナミは十三歳の中学二年生である。喘息の持病があるため、あちこち遊びに出かけるわけにもいかず学校が終わるとひとりで図書館に足を運ぶ生活を送っている。その図書館で、最近本がなくなっているらしい。館内の探索を始めたナナミは、青白く輝いている書棚の前で、翡翠色の目をした猫と出会う。 なぜ本を燃やすんですか? 「一番怖いのは、心を失うことじゃない。失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。誰かを蹴落としたときに、それはダメだと教えてくれる友達がいないこと。つまりひとりぼっちだってこと」 ようこそ、新たな迷宮へ。 【編集担当からのおすすめ情報】 世界40カ国以上で翻訳出版! 奇跡のロングセラー 『本を守ろうとする猫の話』 シリーズ最新作! 『神様のカルテ』著者、 第2のライフワーク!
難民児童と施設職員の交流を描くYA小説 スウェーデンの小さな町にある灰色の建物。高校を出たばかりの「わたし」は、保護者のいない難民児童が暮らす収容施設で働いている。職員は規則と指示に従うことを求められ、帰宅したら仕事のことは考えるなと言われるけれど、アフガニスタンから逃げてきた少年たちと日々接していると、それはとても難しい。「わたし」は、家族と離れ一人で逃げてきた14歳のザーヘルや17歳のアフメド、ハーミドという3人の少年たちと心を通わせるうちに、タリバンへの恐怖やトラウマに苦しむ彼ら、18歳になり施設を出なければならないことを恐れる彼らに寄り添おうとする。 静かな筆致で難民児童の現実と職員の葛藤を描いた、2021年北欧理事会文学賞(YA&児童部門)受賞作。 【編集担当からのおすすめ情報】 十代の少年たちがたった一人で家族を離れ、故国を出て外国へ難民する。こんな現実が世界のどこかで起こっていることをご存じでしょうか。 本作は、スウェーデンの難民児童施設を舞台に、彼らの現実、そして一個人としての思いと制度の限界の中で葛藤する女性職員の姿を描いたYA小説です。現在は減少傾向にありますが、2015年にはスウェーデンの難民児童の数は35000人を超えていました。著者はソーシャルワーカーとして難民児童にかかわる仕事をした経験があり、その経験をもとに本作を書き上げ、デビュー作にして北欧理事会文学賞を受賞しています。 日本人にとっては遠い国の問題のように感じるかもしれません。ですが、職場や学校の「公の人間」としての自分と、困っている人を助けたい「一個人」としての自分とのはざまで抱える主人公の葛藤は、誰しも身に覚えがあるのではないでしょうか。アフガンの少年たちと同世代の方から、大人の方まで手に取って頂きたい1冊です。
エルフと人間の即席夫婦、幸せ生活始めます 「--お前の婚約は解消になった」 ハーフエルフのミスラは、草原で暮らすようになった「遊牧エルフ」の一族のなかに身の置きどころがない、つまはじきものの底辺姫。 純血のエルフではないせいでついに婚約解消されてしまったミスラは、街に住む人間の錬金術師アスランと、会ったこともないまま結婚する運びになったがーー 「連れてきた家畜、百頭しかいませんが……(遠慮)」 「連れてきた家畜って……百頭もいるの!?(驚愕)」 過酷な自然の中で自給自足の生活を送ってきたミスラと、都市で生きてきたアスランの常識はまったく噛み合わない。 それでも二人は少しずつお互いのことを知り、助け合い、ゆっくりと幸せになっていく。 エルフの花嫁と人間の花婿が織りなす、じれったくもやさしい、異文化交流新婚生活。 【編集担当からのおすすめ情報】 婚約解消から始まる人間とエルフの新婚生活は、カルチャーショックでいっぱい! じっくりゆっくり進む夫婦の恋愛事情も、異国情緒あふれる料理や動物たちに彩られた生活模様も、どちらも楽しい作品です!