2008年10月発売
ラトルがバーミンガム市響と最も充実した演奏を繰り広げていたころの録音で、このころから録音面でレパートリーの広がりをみせてきた。超有名曲を取り上げているが、豊かな感興に満ちた演奏を聴かせている。
20世紀前半の作品を積極的に録音していたころのもので、ストラヴィンスキーの3大バレエでは、最初に録音されたのが、この「ペトルーシュカ」。3楽章の交響曲も必聴の仕上がり。
ヴィラ=ロボスの代表作で、ブラジルの民族音楽とバッハの精神とを融合させようとした意欲作だが、独特の美しさにあふれている。カポロンゴは、豊かな色彩感と民族性に彩られたこの曲の魅力を、十分に伝えている。
制作・出演
J.S.バッハ / アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 / エドゥアルド・ヴァン・ベイヌム / エルネスト・アンセルメ / スイス・ロマンド管弦楽団 / ディヌ・リパッティ / パウル・ザッハー / 南西ドイツ放送管弦楽団リパッティの死後、約50年ほど経って発見された放送用録音で、発売当初に大きな話題となった。バッハの美しさもさることながら、研ぎ澄まされたリスト、そしてバルトークの鋭敏な演奏など、一聴の価値あり。
ミケランジェリにしては珍しいラフマニノフの協奏曲と、文句なしのラヴェル。繊細で強靭なラフマニノフにミケランジェリの真骨頂が見て取れるが、ラヴェルの輝きは録音の古さを超えて迫ってくる。
制作・出演
アルベルト・ネグローニ / アントニオ・ボカテッラ / ジュリオ・フランツェッティ / ブルーノ・カヴァッロ / ミラノ・スカラ座フィルハーモニー合奏団 / リッカルド・ムーティ / ロバート・ケテルソン / ヴァレンティーノ・ズッキアーティ / ヴィヴァルディミラノ・スカラ座管の選りすぐりのメンバーからなるアンサンブルを、十二分にうたわせたムーティの指揮が素晴らしい。カップリングの2曲の協奏曲は、ソリストの妙技が楽しめる。モダン楽器による新鮮なヴィヴァルディだ。
「死と乙女」は、後のライヴ録音のものもあるが、こちらは最初の録音。正確で緻密なアンサンブル、深くて鋭い楽譜の読み、その上で4人が一体となって高揚してゆく様は、他の追随を許さない高みに達している。
制作・出演
アルバン・ベルク四重奏団 / アルフレッド・ミッターホーファー / アロイス・ポッシュ / エルンスト・オッテンザマー / ハインツ・マジィモレッツ / ヨーゼフ・ランナー / ヴォルフガング・シュルツ弦楽四重奏で演奏した、刺激的で楽しいワルツ集。新ウィーン楽派の3人の作曲家による編曲も含め、いずれもワルツの愉悦にあふれている。適時楽器を加え、ウィンナ・ワルツの本質を掴み取っている。
ソナタはトルトゥリエ2度目の録音で、この曲の代表的な録音とされているもの。フォーレ晩年の簡潔で内省的な美しさに満ちた曲で、トルトゥリエとハイドシェックの絶妙なアンサンブルが、最高の演奏を聴かせている。
アルバン・ベルクSQの近代もの。ドビュッシーとラヴェルも、彼らの音色感やリズムの精妙さが活きた素晴らしい演奏だが、ストラヴィンスキーは、それ以上の名演だ。他にこれといった演奏がないだけに群を抜いている。
フォーレの宗教音楽集で、「レクイエム」に匹敵する美しさに満ちた小品が並んでいる。イギリスの合唱指揮の第一人者であるオールディスと合唱団が、清純な世界を作り出している。フォーレ、合唱ファン必聴の名盤だ。
50代半ばで惜しくもなくなったドイツのソプラノ、ポップが残した珠玉のアルバムのひとつ。シュトラウスの美しい歌曲を、ひとつひとつ慈しむようにうたい分けている。サヴァリッシュのピアノもまた見事だ。
クラシックのヒット・コンピレーション・シリーズからの1作。リラックスできる曲をバッハからモーツァルト、さらにロイド=ウェッバーまでずらりと収録。収録アーティストも、EMIが擁する一流演奏家ばかりだ。
乾いたファンク感覚を持つビートに暖簾に腕押し的な語り調の歌、背後に漂うルーツ・ミュージックの美味しい感覚……。G・ラヴ&ザ・スペシャル・ソースを比較に出せそうな、英国の三人組の3作目。屈託なくときにポップに、グルーヴィに大地を闊歩している。