発売元 : ビクターエンタテインメント株式会社
日本のパンク・バンドの代表格である彼らの通算14作目。パンクのスタイルだけを借用して時代の徒花となったバンドが多かった中、彼らの活動は尊敬に値する。メロディアスでタイト、疾走感あふれる中に、ジャンルを越えた潔さを感じ取れる。★
ちょっと民族音楽してみた赤坂の2枚目。今回も自由闊達、縦横無尽にクラリネットが飛翔する。テクニックが万全だから遊びに余裕がある。(4)のタラゴーや(6)のネイ風な音色、(3)での息もつかせぬ超絶早吹き、(8)の濃い情感など、ニヤリ、あ然、陶酔の連続だ。
ハードコアで、メタリックで、スラッシュの要素もふんだんに持つ、ブラッディ・イミテーション・ソサエティの2nd。とにかくゴリゴリにハードなサウンドだ。ギターの児島実は、元マッド・カプセル・マーケッツ→ダイ・イン・クライズという強者。
声楽を学ぶもの、とくに日本人にとってはトスティの名は忘れられない。豊かな感情表現を学ぶために、どうしても必要な作曲家なのだ。松本美和子が数年来取り組んできたトスティの集大成は、世界的にも貴重なアルバムといえる。その歌唱レベルの高さから、学習者にとってのすばらしい教材としてはもちろん、トスティの歌曲の魅力を多くの人に知らせることに貢献するのではないか。
元かまいたちのヴォーカル&ギターに元ベルゼルブのベースとドラムがサポートという幻覚アレルギーの3rd。スラッシュ、パンク、打ち込みといったキーワードを持つ彼らだが、それらがうまく絡み合うようになった。プロデュースは、元Zi:KillのKEN。
ジャズ・スタンダード・シリーズの第3弾。今回のテーマは“夜”。バックはイギリスのジャズメン。有名だが意外に録音されていない曲なども交えて、じっくりと切々と歌っているが、からっとしているのがかえって聴き飽きない。やや日本人向き選曲か。
室内楽のCDといえどもここまでライヴ感にあふれたものは多くない。4人の息遣いが音楽とともに聴こえてくる、緊張感に満ちた演奏だ。狭い部屋なぞで聴くのはもったいない程のスケールの大きさを感じる。こういう演奏こそぜひホールで聴きたいものだ。
「クラシックの美しい旋律をピアノ・トリオのお洒落なジャズで」というシリーズの1枚。本作は、ゆったりとしたスロー・テンポの演奏ばかりを収録。ビル・エヴァンスやキース・ジャレットに通じる詩情を漂わせたサウンドはムーディで、入門者にも最適。
LA PPISCHの中心人物が独自のファンタジック・ワールドをブチまけて編み込んだ異色ソロ・アルバム第1弾。全体的な雰囲気は本家のライヴでビンビン感じられるあの世界観と地続きでありながら、さらにソリッド&タイトに極めたカンがある。
(1)はリヒテル2度目の録音。79年来日時の、(1)は2月1日、(2)は2月7日のコンサートからのライヴである。リヒテルのシューベルトは実にしなやかで美しく、聴き手を自然に音楽の流れの中に委ねさせてくれる。作為的なところをまったく感じさせないという点で、卓抜した演奏といえる。
ブーニンが1986年来日時に福島で録音したもの。3曲とも実演時よりはややゆっくり目のテンポをとり、総て落着いた印象を与える。しかし(2)の「トルコ行進曲」での指定を無視した〔/]fと[/〕pとの交替は相変わらずで、(1)(3)と共にやはり非常にユニークな演奏だ。
86年日本に旋風を巻き起こしたブーニンの東京ライヴ。強靭なタッチを生かして、2曲の協奏曲を堂々と弾きまくっているという感じの演奏であり、時に粗削りだが、彼の若い個性がほとばしっている。ピアノの音が特に鮮明に捉えられた録音。