2020年2月発売
下町の居酒屋にかかってきた1本の電話ー。二十三年ぶりにオメガ・エージェントの極秘ミッション「コベナント」が発動され、スパイ小説好きの俺は、元凄腕エージェントの白川老人と行動を共にするはめになる。オメガの復活を阻止しようと、敵対するアルファ・エージェントの殺し屋たちが次々と俺たちに襲いかかる。だが、何かがおかしい。裏切り者は誰か?誰が味方で誰が敵なのか、誰にもわからない。そして、裏切られた裏切り者とは…!?007になりたい俺と時代遅れの老兵たちが繰り広げる、決死の大作戦!!サスペンス巨編。
ルーズベルト大統領には秘策があった。チェスター・W・ニミッツの起用とニューディール政策による真珠湾の復旧だ。太平洋艦隊長官に就任したニミッツは、その期待に応えて真珠湾の早期復旧を成し遂げる!そしてニミッツは反撃の機会を虎視眈々と窺い、まずは東京空襲を敢行、サンゴ海でも帝国海軍に痛撃を喰らわせる。いっぽう帝国陸海軍は南方資源地帯を次々と攻略、山本の眼はいよいよミッドウェイへ向けられた。しかし暗号解読でこれを察知したニミッツは、全空母を動員して、山本五十六にひと泡吹かせようともくろんでいた。新型レーダー搭載の「大和」は味方空母を救えるのか!?ミッドウェイ沖で大海戦が生起する!
令和も十年以上が過ぎたころ、世界は大きく変貌していた。 アメリカの財政難と米中緊張緩和は在日米軍の段階的縮小を招き、 ついに日米同盟は解消された。日本は新たな国家像を模索していくなか、 東アジアが激震する。台湾でクーデターが勃発し、その首謀者が引き込む格好で、 新たに樹立された中華連邦なる組織に、中国軍の精鋭が組み込まれた。 中華連邦は自らの地位確立と安定確保を目的として、日本やフィリピンへ触手を伸ばす。 世界のパワー・バランスが崩れ、東アジアに戦火があがる。日本は、空母型護衛艦八隻、 イージス護衛艦八隻から成る令和の八八艦隊を発足し、この危機に立ち向かうのだが……。
黒アカネの暴走、世界を終わりへと導く怪獣 響裕太はある日目を覚ますと、グリッドマンと初めて出会った日に時間が戻っていることに気付く。 何者かの手によって世界が歪められ、同じ時間を繰り返していることを確信した彼は、一度倒した怪獣たちと再び戦いながら、仲間とともにこの繰り返される世界の謎に迫っていく。 鍵を握っているのは、裕太たちの前に現れた黒髪の新条アカネ。"もう一人の神"である彼女が創り出した怪獣が時間を操作していると睨んだ裕太たちは、激闘の末についにその怪獣ガイヤロスを撃破する。ところが、その戦いの直後に裕太は再び始まりの日へと戻されてしまう。しかも、今一度繰り返される時間はさらなる変化を始め、怪獣も多種多様な方法で襲いかかってくるようになる。 一方でもう一人のアカネは自らの存在を確立するべく、次第に本物のアカネの思惑を超えて暴走を始めた。背後で暗躍するのはーーアレクシス・ケリヴ。 もう一人のアカネが創り出そうとする、この世界を終わりに導くという怪獣の全貌とは!? そして彼女に世界の選択を迫られた、六花の思いは……。 円谷プロ×TRIGGERの完全新作アニメーション『SSSS.DYNAZENON』の制作も発表されて、ますます盛り上がるSSSS.GRIDMANの公式ノベライズ、第二弾!
ナポレオンの猛威も去った1818年ベルリン。プロイセン陸軍クラウゼヴィッツ少将は、士官学校校長に任ぜられたのを機に「戦争の正体」を明らかにする論文の構想を練っていた。貴族出身の聡明な妻マリーに戦争の実体験と教訓を語るうち、彼の目に見えてきたものとは?名著誕生の裏側を描く全く新しい歴史小説。ナポレオン戦争6つの戦場から『戦争論』への思考を辿る大型戦記。
性風俗に通う夫、整形で美しくなった親友、愛した父の不実。人生の折返し点で知る〈真実〉が、主婦・絵里子を柔らかに変身させるーー妻でも母でもない道が、鮮やかに輝き出す長編小説。
「ポリアモリー(複数愛)に理解があること」が条件のシェアハウスで暮らす四人の男女。たがいの愛のありようをはかり、揺れ動く感情に翻弄されつつ、表面上は日々はおだやかに過ぎていくが……。気鋭の書き下ろし小説。
結婚式当日、幸せ絶頂の朝倉に連絡が入る。自衛隊時代の親友・田村がスリランカで爆弾テロ事件に巻き込まれ、行方不明になったという。いてもたってもいられなくなった朝倉は自身の結婚式を中止し現地へ。目撃情報から、当時田村と一緒にいたと思われるスリランカ軍人と共に連れ去られた可能性が浮上する。テロと拉致。二つの事件は偶然か、それともー。田村の行方を追う朝倉たち“特別強行捜査班”の前に、スリランカを取り巻く大国の思惑が立ち塞がる。元自衛官の警察官が活躍する「オッドアイ」第7弾。
橘風花は母親と二人で暮らす、普通の小学四年生の女子。偶然の出会いと、「ムカつく上級生男子を一発殴りたい」と邪な動機でボクシング・ジムに通い始めるが、徐々にのめり込んでゆく。ひたむきにボクシングに打ち込む風花の中で、何かが変わりはじめていた。それは、周囲の人々の心にも変化をもたらしてゆくー。結婚を賭けた世界王座戦に挑む女子プロボクサーや、ジムの人々。複雑な家庭環境のいじめっ子や、幼なじみのクラスメート。風花を理解しようとしない教師。母と折り合いが悪い職場の後輩たち。最強最悪のライバル。そして母・陽菜子にも…。明日への元気を満タンにしてくれる、ハートウォーミング・ストーリー!
戦艦『大和』をもって英国最新鋭戦艦を撃破したものの、日本にはニューギニアを制圧し豪州を屈服せしめるまでの力はなかった。戦場での勝利を積み重ねて敵の継戦意思を折るという戦略に限界を感じた山本五十六は、講和に至る別の方策を探るべく、司令長官を辞して連合艦隊を去る。同時に、開戦以来攻勢を続けてきた連合艦隊は守勢に転じ、長期持久も視野に入れた艦隊編成と人事の刷新を行う。一方、米国は新兵器を装備した艦隊を珊瑚海に送り込んで来た。迎え撃つ新体制連合艦隊に勝算はあるのかー
荒芽山で巡り合った五人の犬士は、隠れ家を襲撃され、散り散りになる。 犬田小文吾はひとりになった道中、船虫という悪女のせいであらぬ嫌疑をかけられ、幽囚の身になってしまう。しかし、旦開野という美しい女田楽師の手助けで、脱出に成功した。旦開野の正体は、犬士のひとり犬阪毛野だった! 現八もひとり旅の途中、庚申山で化け猫に出くわし、その目を射抜く。この化け猫、郷士になりすまして麓の村に住み着き、その息子夫婦を虐げていた。この息子が、犬士のひとり犬村大角だった! 信乃は逗留先で、浜路という、死んだ許嫁と同じ名をもつ娘と、不思議な巡り会いをする。やがて明かされる、その娘の正体は・・・。 江戸時代に生まれた名作を、そのストーリーを忠実に再現しながら、読みやすく小説化したシリーズ第3弾。
経済小説の旗手が、大手婦人服メーカーを舞台に、焼け野原からのアパレル産業の復興、「ガチャマン」景気、百貨店の隆盛と高度経済成長、バブルの熱気、カテゴリーキラー台頭による平成の主役交代、会社とは何かを社会に問うた村上ファンドとの攻防、社長の死と競合他社による経営乗っ取りまでを描く。 85年間にわたるアパレル業界の変遷というプリズムを通して展開する、戦後日本経済の栄枯盛衰の物語。 ■編集部からのメッセージ アパレル産業の栄枯盛衰を辿ることは、日本の経済の移り変わりの一断面を鮮やかにに切り取ることになります。ドラマティックなフィクションでありながら、日本経済の今を、そして未来を考える際の必読書となることでしょう。 プロローグ 第一章 笛吹川 第二章 つぶし屋と三越 第三章 百貨店黄金時代 第四章 株式上場 第五章 社長交代 第六章 ジャパン・アズ・ナンバーワン 第七章 カテゴリーキラー台頭 第八章 ヒルズ族の来襲 第九章 中国市場開拓 第十章 兵つわものどもが夢の跡 エピローグ 主要参考文献 アパレル用語集 装丁=森 裕昌
戦場で勝利し、戦場で勝利し続け、しかし帝国は破滅へ一直線。 爛れ切った愛国心と、残酷な現実の抱擁を経て ゼートゥーアは「世界の敵」たるべく舞台を作り上げていく。 死に逃げることも出来ない参謀本部の責任者として ゼートゥーアが求めるのは『最良の敗北』なのだ。 言葉よりも、理性よりも、ただ、衝撃を世界に。 世界よ、刮目せよ、恐怖せよ、そして神話に安住せよ。 我こそは、諸悪の根源なり。 なお。付き合わされる幼女曰く、大変辛い。
この主人公、バカだろ。あなたはそう思うかもしれない。でもやがて途方もない悲しみが湧きあがり、あなたの心をかき乱す。これはそういう小説です。スタッカートする荒い文体と会話ー戦争とドラッグと犯罪。破滅するしかなかった青年を痛ましく描き出す犯罪文学。
港町を見下ろす高台にある高級料亭旅館“銀の鰊亭”。一年前の火事で当主とその妻は焼死。二人を助けようと燃え盛る炎の中に飛び込んだ娘の文は怪我を負い、記憶を失った。ところが、その火事の現場には身元不明の焼死体もあったー。あの火事は“事故”なのか“事件”なのか?文の甥・光は刑事の磯貝とその真相を追うことになるのだが…。
かつては温泉客で賑わっていた岐阜県宝幢村。十六年前の地震で温泉が涸れ、村は衰退する一方だ。この村で生まれ育った希子は、地震で家族を亡くし、伯父夫婦と暮らしている。年金で生活を支えながら伯父の介護に明け暮れる日々だが、村役場の課長・竜哉との結婚が決まり、伯母は誇らしそうに嫁入り道具を披露している。希子が暮らす家と空き家を挟んだ隣家に住むのは、七年前にIターンしてきた長谷川一家。家にはいつも頑丈に鍵が掛けられ、高校生の長男・耀は奇声を上げて自転車で走り回るなど、村人から不審がられていた。ある日、村おこしのために雇われたブロガー・茗が突如消えてしまう。希子は、村長の妻であり、農園や工場を手広く商う来宝ファームの社長・麗美に、茗の代役を強引に依頼されるが…
坂本壮馬は、生き方を探して兄・栄達が宮司を務める源神社で働いている。一緒に神社で起こるトラブルを解決してきた「名探偵」の美少女巫女・久遠雫に想いをよせるが、いつもクールで感情の見えない雫の心はわからない。雫につきまとう謎の男・上水流や、壮馬の元カノ・佳奈が絡み、壮馬と雫の関係は渾沌としていく。謎やお悩みを鮮やかに解決する雫と壮馬のコンビだが、二人の恋の行方は、神さまにもわからない?
元クリエイターで無職・無年金の夫と築45年の団地で倹しく暮らす59歳の私。遠い実家で独居する我侭で惚けた父の介護に行き来する日々。入退院、施設探し、説得、契約、実家の管理。時間に、お金に、人間に、振り回され、仕事は、定年は、介護の終わりは…。そんな矢先、夫に癌が見つかる。神は老いた父の死を願うような不埒な私に、罰として私の一番大切なものを奪うことに決めたのだ。還暦を迎える女のリアルな日常が胸を衝く、切実小説。