2020年12月発売
えんとつ町は煙突だらけ。 そこかしこから煙が上がり、頭の上はモックモク。 黒い煙でモックモク。 えんとつ町に住む人は、青い空を知りません。 輝く星を知りません。 『えんとつ町のプペル』は、こんな独白から始まります。 2005年、西野亮廣が絵を描き始めたあの日から、「テレビのひな壇には出演しない」と言ったあの日から、何年間にもわたるバッシングが始まりました。 『えんとつ町のプペル』を書くキッカケとなった時代です。 えんとつ町は、夢を語れば笑われて、行動すれば叩かれる現代社会そのものです。 ファンタジーなどではありません。私たちの身の回りで実際に起きていることです。 黒い煙に覆われたあのとき、あの場所で、それでも西野が「星の存在」を信じ続けられたのはなぜか。 コロナ禍に多くの人が苦しむ2020年。、映画『えんとつ町のプペル』公開を機に、 今にも灯が消されてしまいそうな人に寄り添い、生き延び方を伝えることを目的として 『えんとつ町のプペル』の裏側に秘められた想いを明かします。
謎の求人、鶏舎での「捕鳥」。警備会社での孤軍奮闘、仲間との絆、裏切り、そして決別…。ろくでなしのオヤジは、なぜ「探偵」になったのか。北の大地を舞台に繰り広げられる、スーパー破天荒な人生の物語。ちょっとだけ平凡をはみ出した男の、実話のような作り話。
私は寧ろ人間よりも人魚の種屬に墮落したい。-「人魚の嘆き」。お前は初めから人間などに生れる必要はなかつたのだ。-「魔術師」。初版刊行以来一〇一年目にして当時の風合いをそのままに美装復刻!!
ノーベル文学賞候補に挙がる現代韓国を代表する作家初の自伝全2巻。朝鮮戦争と幼年期の思い出、北朝鮮訪問と金日成との対話、欧米での亡命生活、帰国後の投獄と5年に及ぶ獄中生活、光州事件と民主化運動など、激動の韓国現代史を生き抜いた作家の回顧と証言。 プロローグ 出行 1985〜86 監獄 1 訪北 1986〜89 監獄 2 亡命 1989〜93 監獄 3 幼年 1947〜56 監獄 4
僧侶を志した青年期の放浪、懸命な愛を注いでくれた母への想い、獄舎で出会った不遇な人々への共感、ベトナムの戦場での苛酷な運命、光州の闘いに敗れた若者への自責、そして何より独裁権力への怒り。韓国現代文学の礎となった民族の記憶を作家みずからが語る。 放浪 1956〜66 監獄 5 派兵 1966〜69 維新 1969〜76 光州 1976〜85 監獄 6 エピローグ 感謝の言葉 黄晰暎年譜 訳者あとがき
潮が香り、砂が鳴く因幡の風が湾から谷へ吹いてくるー舞鶴軍港建設に貧窮脱出を賭けた因幡の部落民。だがそこには差別が残り、酷酷な労働は命を奪う。日本の「近代」は本当に「近代」なのか。水平社を模した八東社の旗が揺れる。
武士に生まれながら、明治維新後「ランプ」の普及をいち早く読み、石油卸業を開業、大成功した大浦新太郎。外国商社に頼らず単身外国に陶器を売り込むなど、たくましい商魂を発揮。欧米各地を回り日本の軽業芸を世界に広めた。帰国後は20代前半だった松竹創業者に協力し、日本の近代芸能の黎明期を陰で支えた。明治という時代を颯爽と駆け抜けた男の破天荒な生涯。
新書『応仁の乱』がベストセラーになって以降、関心が集まっている「足利氏」は、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』でも注目された。 本書は、戦国を語る上で欠かせない「足利氏」をテーマに、7名の歴史時代作家が書き下ろした短篇小説を収録したアンソロジー。 著者は、2020年上半期の直木賞を受賞した川越宗一をはじめ、大人気シリーズ「口入屋用心棒」の著者の鈴木英治、2020年の中山義秀文学賞を受賞した木下昌輝など、ベテランから新進気鋭まで、実力派ばかり。 これまで戦国史を語る上で、メインで書かれることがなかった「足利氏」を軸に、この時代の画期となる出来事を時系列で描いていくことによって、“もう一つの戦国史”が浮かび上がる。 ■目次 第一話 早見 俊◎嘉吉(かきつ)の狐ーー古河(こが)公方家誕生 第二話 川越宗一◎清き流れの源へーー堀越(ほりごえ)公方滅亡 第三話 鈴木英治◎天の定めーー国府台(こうのだい)合戦 第四話 荒山 徹◎宿縁ーー河越夜合戦 第五話 木下昌輝◎螺旋(らせん)の龍ーー足利義輝弑逆(しいぎゃく) 第六話 秋山香乃◎大禍時(おおまがとき)--織田信長謀殺 第七話 谷津矢車◎凪(なぎ)の世ーー喜連川(きつれがわ)藩誕生 コラム 喜連川足利氏を訪ねてーー栃木県さくら市歴史散歩 収録作品は、いずれも書き下ろし!
本書は、日本漢文学史上の貴重な資料の紹介や江戸時代の文人についての考説、江戸時代の一地方儒家の蔵書目録などから成る。「資料篇」には、菊亭文庫本『本朝小序集』『童蒙綴詞抄』の本文を初めて翻刻・校訂すると共に、簡略な解説、或は略注を付し、林榴岡撰『本朝世説』については、その本文翻刻と共に詳細な出典調査を提示する。次いで、「考説篇」では、中国字書『文字集略』の逸文をめぐる問題を採挙げ、撰者阮孝緒について解説し、また林家の『本朝通鑑』と『史館茗話』の関係について記し、林読耕斎や林梅洞といったこれまであまり採挙げられることがなかった文人の略伝を所収する。ことに彼らの漢詩世界の一端に言及し、先行する平安朝の漢文学との関わりを明らかにしている。また、「目録篇」では、中江藤樹門下で、後には伊藤東涯の学統に師事した、滋賀県高島市(現在)の儒家中村家に伝存する図書の目録と同家の家系譜を所収。地方儒家の学問の一端を窺いうる資料である。 資料篇 『本朝小序集』本文翻刻・付記 『童蒙綴詞抄』についてーー本文と略注ーー 『本朝世説』の基礎的研究と本文 考説篇 『文字集略』抜書ーー逸文の蒐集をめぐってーー 『史館茗話』とその周辺ーー『続本朝通鑑』とのことなどーー 林読耕斎の漢詩覚書ーー王朝文人詩とのことなどーー 夭折の文人ーー林梅洞覚書ーー 目録篇 中村家近江国高島郡五番領村蔵書目録と家系譜 あとがき
著者は、夏目漱石の娘婿。下巻では、主人公・秋山が、ついに結婚を決意するまでの葛藤が描かれる。「夏目漱石の長女との結婚の顛末」をモデルに描いた長編小説、堂々の完結。幻の名著が新仮名遣いで、約90年ぶりに甦る!
1巻大重版&コミカライズ進行中!大人気全力令嬢の恋愛ファンタジー、早くも第4弾!
「--貴方の想いさえ利用するわ」愛憎渦巻く帝国で選ぶべきは、愛か使命か?痛快!純情王妃の国盗りファンタジー第2弾!
少年が新しい旗を地に打ち立てる!建国英雄譚第4巻!1億PV突破!「小説家になろう」発の大人気シリーズ!
五感全てを再現し、あまりにリアル過ぎてR15制限のあるVRMMOゲーム「Nostalgia world online」。ここに「首狩り姫」の異名を持つアリスという少女がいた。鼻歌を口ずさみながらモンスターを両断する様はまるで無慈悲な死神として恐れられている。だが、さも冷酷そうな彼女の正体とは…「ん〜いただきます♪」ちょっぴり食い気が盛んなだけのいたいけな少女だった!登録したばかりの初心者なのに、食材を求めて冒険し続けているうちに、気づけばスキルをもりもり取得、どんどん強くなってゆく。恋愛不要!食いしん坊万歳!なのに最恐!ゲーム世界のグルメを狩り尽くすVRMMOファンタジー!
この新訳『ペスト』は、新型コロナウィルスが人類史上初めて全世界に蔓延して、なかなか終息しない中で、アルベール・カミュの『ペスト』が改めて話題になったことが引き金である。第二次世界大戦直後の一九四七年にフランスで出版され、一九五〇年に日本語訳が出た『ペスト』は、当時、戦争やロシア革命やユダヤ人問題といった国家間の対立に背を向けた時代錯誤の小説と思われた。あの当時、東西冷戦や紛争の中に埋没した『ペスト』は、実は、政治思想や体制の異なる国々に、いわば平等に災厄をばらまく病気が蔓延するという未曾有の出来事が起こりうることを予言していた。今日のコロナ禍のなかで、われわれはその先見性に改めて驚いた。原文を最後まで読みすすめると、アルベール・カミュが今、自分たちが見ている世界の現状を予知しているかのような作品を七十三年も前に書いていることに感動を新たにした。今回、この新訳をもって同時代の日本人の皆さんにもう一度『ペスト』を読み返してもらう機会にしていただければ幸いである。
イヤなことは燃やしちまえば、いいんだよ。本当の事件から生まれた「炎上」小説。ロケットマンがロス五輪の会場に降り立ち、「未来」が「現実」となった一九八四年の夏、世田谷では僧侶が伴侶を日本刀で斬りつけ、火が放たれ、盆踊りの終わった夜空を真っ赤に染めていた。三十二年前の放火殺人事件を探るうち、わたしは家族の秘めごとやおのれの不甲斐なさを思い知らされる。シリアスで、ちょっと熱めの長篇小説。
男はバッグの落とし主に恋をした。手がかりは赤い手帳とモディアノのサイン本。パリの書店主ローランが道端で女物のバッグを拾った。中身はパトリック・モディアノのサイン本と香水瓶、クリーニング屋の伝票と、文章が綴られた赤い手帳。バツイチ男のローランは女が書き綴った魅惑的な世界に魅せられ、わずかな手がかりを頼りに落とし主を探し始める。英王室カミラ夫人も絶賛、洒脱な大人のおとぎ話第二弾。
ジョン・ソーンダイク博士は、20世紀初めに数多登場したシャーロック・ホームズのライヴァルたちの中でも最も人気を博した名探偵である。当時最新の科学知識を犯罪捜査に導入、顕微鏡をはじめ様々な実験器具を用いて証拠を調べ、事件の真相をあばいていく法医学者ソーンダイクの活躍は読者の喝采を浴びた。また短篇集『歌う骨』では、最初に犯人の視点から犯行を描き、次に探偵が手がかりを収集して謎を論理的に解き明かす過程を描く「倒叙ミステリ」形式を発明した。真相解明の推理のロジックに重きを置いた作風は、現在も高く評価されている。本全集は、ソーンダイク博士シリーズの中短篇42作を全3巻に集成、初出誌から挿絵や図版を収録し、完全新訳で贈る、探偵小説ファン待望の決定版全集である。 第2巻は、後に長篇に改稿された単行本未収録の中篇「ニュー・イン三十一番地」、海を舞台にした倒叙物「死者の手」を巻頭に、短篇集『大いなる肖像画の謎』(1918)から「消えた金貸し」など2篇、さらに作者のエジプト趣味も窺える宝探し暗号小説「青いスカラベ」や、証拠に付着した埃の顕微鏡検査から強盗殺人犯を追及する科学者探偵の本領発揮の「ニュージャージー・スフィンクス」など、第一次大戦後に再開されたシリーズ7篇をまとめた短篇集『ソーンダイク博士の事件簿』(1923)を収録。付録エッセー「探偵小説の技法」他。 【目次】 ニュー・イン三十一番地 死者の手 《大いなる肖像画の謎》 パーシヴァル・ブランドの替え玉 消えた金貸し 《ソーンダイク博士の事件簿》 白い足跡の事件 青いスカラベ ニュージャージー・スフィンクス 試金石 人間をとる漁師 盗まれたインゴット 火葬の積み薪 付録1 『ソーンダイク博士の著名事件』まえがき 付録2 探偵小説の技法 解説 渕上瘦平 ニュー・イン三十一番地 死者の手 《大いなる肖像画の謎》 パーシヴァル・ブランドの替え玉 消えた金貸し 《ソーンダイク博士の事件簿》 白い足跡の事件 青いスカラベ ニュージャージー・スフィンクス 試金石 人間をとる漁師 盗まれたインゴット 火葬の積み薪 付録1 『ソーンダイク博士の著名事件』まえがき 付録2 探偵小説の技法 解説 渕上瘦平