2018年2月発売
〈給食のおにいさん〉シリーズで大人気の遠藤彩見の新シリーズ先行掲載、森谷明子〈秋葉図書館〉シリーズ最新作ほか。青柳碧人〈ほしがり探偵ユリオ〉セカンドシーズン、本城雅人『友を待つ』、東川篤哉『仕掛島』連載完結。
国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。そんな彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元刑事らを手足に、事件を調べ直す。スウェーデンミステリの重鎮による、CWA賞インターナショナルダガー、ガラスの鍵賞等五冠に輝く究極の警察小説。
領地を荒らすグリフォンの群れを退治してほしいという、メリーボーン卿の要請に応えてやってきたのは五人の騎手。騎手といえば誇り高く高潔な人物のはずだが、荘園の事務官の次女アリザと龍の騎手アリステアの出会いは最悪だった。アリザが仲良くしている庭小人を酷い目にあわせたのだ。なんて高慢ちきでいやな奴! アリザはグリフィン退治に案内役として同行したが……。『高慢と偏見』×ドラゴンのロマンティック・ファンタジイ。
万年野党の党首に甘んじながらも、76歳代で「最後の政党内閣」を組閣。 軍部の暴走「満州事変」の収拾にあたるが、「五・一五事件」で無念の死を遂げる。 『昭和天皇実録』などの新資料を元に、「憲政の神様」と呼ばれた反骨政治家の生き様と死に様を見つめ、その実像に迫る。 序 一 川入村 二 上京 三 慶応義塾 四 西南戦争 五 自由民権 六 大隈 七 秋田 八 出馬 九 藩閥体制 一〇 孫文 一一 政友会 一二 日露戦争 一三 大正政変 一四 万年野党 一五 震災 一六 普選法 一七 昭和天皇 一八 統帥権 一九 満州事変 二〇 大命降下 二一 上海 二二 五・一五 あとがき
少年の性の目覚めを描いた巨編が待望の復刊 小学五年の春、母の裸に女を感じた宮崎真吾。すでに性を意識することはあり、女体に対する興味もあったが、母への冒涜と思った真吾はその後も優等生でむじゃきなこどもを装いつづける。 時は戦時中。小学六年の秋に、友だちから自転車旅行に誘われた真吾は、その姉である良子から誘惑的な行為を受け、中学に入った夏には、女学校三年のいとこ千鶴とのエロチックな戯れに興じる。幼なじみでひとつ年上の妙子に恋心を抱きながら、性に目覚めていく真吾。 終戦を迎え、軍関係への道を断たれた中学二年の真吾は妙子に告白、ふたりはようやく恋仲になる。妙子との良好な関係の一方で、不良女学生の文江や遊女のみよ、汽車のなかで出会った女学生の路子など、さまざまな女性たちが、真吾を甘美な世界へと誘っていく。 戦中から戦後へ、時代や価値観が変わっていくなか、不変でありつづける、男と女、愛と性。その狭間で揺れ動きながらも、未知なる世界へ足を踏み入れていく少年の心情を丁寧に描く、青春大河ロマン待望の復活。
模索する大人への道。新たな官能の世界へ。 路子の“実験”に協力するかたちで初体験を済ませた真吾は、恋人である妙子とも結ばれ、妙子に一層の愛しさを募らせていく。 昭和二十三年、学制改正に伴い真吾は新制高校二年になり、妙子は女学校を卒業。妙子には卒業を機にいくつもの縁談が持ち込まれるようになる。 そんな折、戦時中に真吾に強烈な体験をさせた、いとこの千鶴が結婚することになり、家を訪ねてくる。“心にもからだにも、魔性の生きものを飼っているにちがいない”、千鶴は真吾を未経験者であると思い込み、自分が最初の女になりたいと思っていた。 念願を遂げた千鶴は、妙子と親密になるよう真吾に助言する。その後、ひょんなことから旧家の娘で出戻りの小菊と妖しい一夜を過ごすが、わずか六日後に小菊が出奔。さまざまな噂が飛び交うなか、ふいに戻ってきた小菊は、なぜか妙子に接近する。 新しい時代の到来とともに、押し寄せてくる「自由」の波。そんななか、大人への道を模索しつづける少年の愛と心。読む者を惹きつけて止まない、青春官能小説。
刑事の息子が綴る、本邦初の警察家族小説! キャリアの兄とノンキャリの弟は、 刑事だった父の汚名を雪げるか? 警察庁の刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課に所属していた高岡剣は、異動で故郷・津之神市に戻ってきた。着任初日から連日、県警本部の資料室で資料を読み漁っている剣の目的の一つは、津之神市で過去に起こった銃と麻薬密輸に関する事件を洗い直すこと。もう一つはーー15年前に殉職した父、高岡敬一郎の死の謎を探ることだった。津之神署の刑事となった弟の守は、昔からそりの合わない剣の帰郷を歓迎できずにいた。 本邦初! 刑事の息子が 万感の思いを込めて綴る、 “警察家族”小説! 【編集担当からのおすすめ情報】 「警察官 宣誓」 私は、日本国憲法及び法律を忠実に擁護し、命令及び条例を遵守し、地方自治の本旨を体し、警察職務に優先してその規律に従うべきことを要求する団体又は組織に加入せず、何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従い、不偏不党且つ公平中正に警察職務の遂行に当たることを固く誓います。
安曇野警察署の刑事・道原伝吉は松本署に転勤になった。着任早々、道原はシマコこと河原崎志摩子刑事とともに、児童養護施設に保護された4歳の少年に会いに行く。少年は母親、妹と松本駅にやってきて、母親が二人の元を離れた間に、一人で近くにあったトラックの荷台で遊んでいたところ、トラックが動き出してしまったのだという。運転手が気づいて駅に戻ったときには、母も妹もいなくなっていた。二人はいったい、どこへー?
癌で余命半年と宣告されたヤミ金業者のマキ子も、その「田所リース」で働く落ちぶれた取り立て屋の乾も、陸上部のエース阿久津先輩に憧れる高校生の結も、生まれてから車椅子の生活しか知らない身体不自由な博も、彼らの世界は、きっとどこかでつながっているー。底辺で生きる人間たちの業と、人生の不思議な縁を描く、書下ろし長編ミステリー。
新宿歌舞伎町でセキュリティをするコウは、生きるためなら手段を選ばないしたたかな女。元情夫のシンプの指示で、風俗店“天使と薔薇”から逃亡した淫乱で狡猾な美少女ユコを連れ戻しに成城の豪邸へと向かう。そこには敵対する角筈の殺し屋たちが待っていた。窮地を躱したコウはユコを連れ、幼いころに暮らした海辺の団地に潜伏する。束の間の平穏、団地の住民たちとの交流、闇の世界から抜け出し、別人に生まれ変わった危ない女とやっかいな女の奇妙な共同生活。幼いころから虐待され、悲惨な人生を歩んできた二人に、安息の日々は続くのかー。第21回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
定年間近の刑事・片倉康孝は、休暇を利用して小出と会津若松を結ぶ秘境のローカル線“只見線”に乗りに来た。この旅は、20年前に練馬で起きた放火殺人事件の現場から消えた謎の女“鮎子”の足跡を探す旅でもある。現地で話を聞くと、練馬の事件のさらに40年前、羽賀鮎子という女性が火事で亡くなっていたことが分かった。二つの火事、二人の鮎子につながりはあるのか!?片倉は後輩刑事の柳井淳らと共に、ふたたびこの事件を追うことにしたー。過去に携わった迷宮入り事件の真相は!?謎が謎を呼ぶ傑作警察小説!
元亀元年(1570年)、朝倉家家臣の小林吉隆は、織田家との合戦中、富田長繁に命を救われる。世の道理を重視する吉隆だが、忠に薄く戦好きな長繁とは、不思議と馬が合った。しかし、崩壊へと向かう朝倉家に見切りをつけた長繁は、織田方へと寝返ってしまい…。歴史からかき消えた狂気の武将、富田長繁。新鋭による戦国秘史!
大手石油会社を定年退職した庄司常雄。夢にまで見た定年生活のはずが、良妻賢母だった妻は「夫源病」を患い、娘からは「アンタ」呼ばわり。気が付けば、暇と孤独だけが友達に。そんなある日、息子夫婦から孫二人の保育園のお迎えを頼まれて…。崖っぷち定年オヤジ、人生初の子守を通じて離婚回避&家族再生に挑む!
現代日本に制定されたヴァンパイアなどの人外が棲まうキジン特区との交渉人・田中は、真面目で優秀な国家公務員だ。彼は、人間とキジンとの共存を目指し、ヴァンパイアの姫君と共に、キジンたちとの交渉(物理)に励む! 過酷な残業にもめげない国家公務員が物理攻撃を駆使する現代無双アクション!
デスゲームは誰もが参加を渇望する一大エンタテインメントとなっていた。これは革新的で刺激的なデスゲームを次々と発表し、卓越した運営手腕と恐るべき強運で数々の危機を乗り切る中間管理職・黒崎鋭司の物語だ。上司の無茶ぶり、部下の期待、市場のニーズには応え続けなければならない。時には同業他社や参加者から恨みを買い、巨乳の美人部下から尊敬以上の愛情を向けられても、決して動じてはならない。なぜなら、愛する妻子の生活がかかっているから。そうー父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ。
その王国は危機に瀕していた。貴族は腐敗し、商業ギルドは権益確保に奔走、おまけに南の帝国が、領土への野心を向けていた。そこで目をつけられたのが、新天地ケーユカイネンと、王国の“お荷物”こと、書記官のクラエス。開発しつくされたこの王国唯一の開拓地、といえば聞こえはいいが、住人はおらず、資源もなく、おまけに精霊たちが暴走中。誰もが匙を投げる未開の土地ーーそう、クラエス以外の者にとっては。 精霊との複数契約で生産を自動化。人外の商人たちと手を組み、独自の流通を開拓。他の土地ではありえない地産地消で客を呼ぶ! 禁じ手を活用し、金貨100万枚を納めよ!