2017年7月発売
嫡男の長福丸が毒を飼われたことに激怒した八代将軍吉宗は、背後で糸を引いた天英院に対し苛烈な処断に臨む。御広敷用人の水城聡四郎は、吉宗の指示で大奥の刷新を始めるが、その仕打ちに天英院が暴挙に出る。はたして吉宗と竹姫の恋の行方は、そして、聡四郎に課せられた「最後の大仕事」とはいったいー。感動に震える、超人気シリーズ最終巻の第十二弾。
町の海水浴場に、ひと夏限定、レトロな外観の海の家ができたという。かき氷が絶品で、店長は料理上手だが、普通の海の家とは様子が違っている。店先にピンクのぶたのぬいぐるみが「いる」のだとか…?そう、ここはおなじみ、ぶたぶたさんの海の家。一服すれば、子どもの頃の思い出がすうっと蘇ってきて、暑さも吹き飛びますよ。心に染み入る、五編を収録。
家庭も仕事も行きづまっていた梅宮正樹は、妻子と要介護の母を連れ、田舎町・睦間に移り住む。そこは、元殺人犯が我が物顔にのさばる一方、よそものは徹底的に虐げられる最悪の町だった。小料理屋の女将・倉本郁枝と二人の子供たちも、それ故、凄惨な仕打ちを受けていた。猛暑で死者が相次ぐ夏、積もり積もった人々の鬱憤がついに爆発するー。衝撃の暗黒小説!
高校二年の春、ぼくに親友ができた。馬鹿話に笑い転げ、いつも一緒に過ごした最高の夏休み。あの出来事さえなければ…。少年たちの揺れる心を濃やかに描く「夏休みを終わらせない方法」。豪雨で川が氾濫した日、行方不明になった孫娘。あきらめきれず探し続ける老人と謎めいた少女の出会いを綴る「草葉の陰」。せつなくもあたたかい、優しい幽霊たちの物語六編を収録。
経営コンサルタントの山上忠男は、かつて憧れていた美沙から相談を受けた。彼女の恋人が、横領の嫌疑をかけられているという。この横領事件をきっかけに、山上は大きな謀略に陥れられていく。家族、かつての友人、女性秘書…、周囲の人物までも巻き込んで、事件は目まぐるしく進展する。初恋の女性に心を一瞬奪われ、危機に陥ってしまった山上の運命は!?
『羽賀組』の四代目組長でありながら、警視庁捜査一課の刑事として事件捜査にあたる羽賀亮。都内で二十一歳のシングルマザー・朝比奈由衣が殺された。捜査を始めた羽賀の前には、被害者と関係のある三人の容疑者が浮かび上がるが、捜査は難航。そんななか、似た手口で殺された二人目の犠牲者が出る。捜査の末、辿り着いた意外な真犯人とは…。大ヒットシリーズ第五弾。
“純子に死に別れたのがちょうど十年前だ。幹也の母親になるといってくれた綾子さんとの、おかしな結婚生活は九年になる”生後八カ月の幼子を遺し、三十七歳の妻を亡くした有澤信雄は、妻の親友を後添として迎えたのだが…。純子と綾子は、夫には内緒の恋人同士だったのだ。男女三人の手記、日記から、愛や家族の有り様が浮かび上がる異色の恋愛官能小説。
十津川警部のもとに差出人不明の手紙が届く。京都祇園祭で、ある計画を実行するとの犯行予告だったー。自らへの挑戦状と受け取った十津川は、亀井刑事と共に京都へ。祇園祭クライマックスの山鉾巡行の日、犯人が、山鉾の一つに爆弾を仕掛けたと宣告してきた!必死で爆弾探しに奔走する十津川たちだが、そこには犯人の恐るべき罠が仕掛けられていた!
浅草・花川戸で貸元の谷次郎が殺され、前後して唇に艶紅の塗られた若い女の死体が見つかったー。夜叉萬と綽名される北町奉行所の隠密廻り方同心・萬七蔵は、内与力・久米信孝の命により、谷次郎殺しの下手人との差口のあった「あやめの権八」なる男の裏を探り始めるが、事態は急展開をみせる。著者の原点であるシリーズ、待望の書下ろし新作。一寸先の闇を斬れ。
「慶光寺」の御用宿「橘屋」に、身重の武家の妻女が駆け込んできた。亭主が酒好きで、女を連れて帰ってくるという訴えに、橘屋用心棒の塙十四郎が調べたが、亭主の評判は逆に意外なほどよかった。そこで、本人に質したところ、妻は夫婦が歩んできた衝撃の過去を話すー。表題作をはじめ、女の弱さと強さ、深い情愛を描いた三編を収録。著者の代表シリーズ第十五弾。
疫病コロリ、大火…災厄続きだった安政五年が終わり、夢屋にも笑みが戻り始めていた。そんな折り、おたねに届いた依頼はー。下田に入港した米国軍艦の乗組員の若者が重い病にかかっている。彼のため、故郷の料理を再現してやってくれないかというのだ。異人の扱いに戸惑いながらも、次第に深い情を寄せる夢屋の面々。おたねの献身が胸を打つ好評シリーズ第五弾。
世は戦国。四国のとある小さな山村を、雑兵たちが襲った。秀太・鶴吉の兄弟と村の子供たちは、村長の家に匿われていた謎の子供二人とともに攫われてしまう。そして彼らは「決して立ち入ってはならない」と祖父母らに教えられた禁忌の世界、逢魔が山に迷い込む。深い闇の中、次々と襲い来る怪奇と心に巣くう恐怖に子供たちが立ち向かう。友情と勇気。出色の冒険小説。
徳川御三家でも筆頭格の尾張藩。だが、江戸中期、将軍継嗣争いで紀州に後れをとり、公方吉宗の絶対的な天下を許した。そんな中、藩主の座に就いた宗春は、倹約令を強行する幕府に反し、芝居の奨励、遊郭の認可など規制緩和政策をしき、魅力の乏しかった名古屋城下を活気溢れる街に変えた。中京の礎を築き、いまなお名君と讃えられる男の波瀾の生涯を描いた傑作!!
“人間が泡と化し虚空に消失!?”“新宿”で致死率が一〇〇%近い奇病が発生、生還した例では体内に奇怪な鎧が形成されていた。“魔界医師”メフィストの師で、街を来訪中の魔道士ファウストの関与が疑われる疫禍は、やがて人類誕生時まで遡る宿痾であることが判明する。世界に終止符を打ちかねない感染拡大を恐れる諸外国が注視する中、メフィストはアフリカ・ケマダ共和国の美しき女外相ミランダとともに、災厄の打開を求めて“亀裂”の底へ向かうが…。叡知と美貌の白き医師は、師を超え、地球最古の病を封じられるのか?
「天狗岳に登ってきてくれんか」死期の迫った伝説的経営者上尾の依頼を受けた便利屋の倉持。山行の動画を撮る簡単な仕事のはずが、なぜか不審な影が。紅く燃える八ヶ岳連峰・天狗岳で、三つ巴の死闘に巻き込まれた便利屋の運命は?
奈々川市坂見町は東京にほど近い古い町並みが残る町。元捜査一課の刑事だった宇田巡は、理由あって“東楽観寺前交番”勤務を命じられて戻ってきたばかり。寺の副住職で、幼なじみの大村行成と話していると、セーラー服姿のかわいい女子高生・楢島あおいがおずおずと近づいてきた。マンガ家志望の彼女は警官を主人公にした作品を描くために、巡の写真を撮らせてほしいという。快くOKした巡だったが、彼女が去ったあと、交番前のベンチにさっきまでなかったはずの財布が。誰も近づいていないのに誰が、なぜ、どうやって?疑問に包まれたまま財布の持ち主を捜し始めた巡は、やがて意外な事実を知ることに…。
日本舞踊の師匠で38歳独身の緋奈恵と十年前から躰の関係を持ち続ける書家・青潤。還暦を過ぎ、妻がいるにもかかわらず彼女の奥ゆかしい姿を淫らに染めあげ、そのひと時に欲情し、快感を得ていた。さらには、芸者の孫娘で生意気な20歳の娘を身体検査したり、旦那の部屋でSM雑誌を見つけて動揺する清楚で人妻の弟子を巧みな手管で籠絡させゆく「柔肌染めて」。離婚を機に鎌倉に転居し、趣味を兼ねて観光案内で生計をたてる男は夜の悦楽ガイドも…。女たちの欲望を満たし、悶え喘がせる女遍歴を描く「召し上がれ」。ふたつの極上エロス中編官能!
そんなこと、言わないで。 男やもめの量平は寂れた港町で居酒屋を営むが、客は数少ない常連のみ。ある夜、そんな彼の店に謎めいた美熟女・菜々子がやってくる。彼女は酒がすすむにつれ強烈な色香を漂わせるが、いつのまにか寝入ってしまった。その寝姿は、まるで天使のよう。量平は戸惑いながらも彼女を泊めることに。横たわる熟女のあられもない姿を目にして、枯れかけていた股間の一物に異変がーー。翌朝、しばらく置いてほしいと迫られ、量平と菜々子の奇妙な共同生活がはじまる。量平は風呂やトイレをのぞいては狂喜するが、その一方で、人妻、ホステス、女子高生から誘惑されて……。
日本の神様が大活躍する下ネタ満載のギャグ本みたいな歴史書『古事記』。しかし1300年以上前に書かれたため言葉遣いが難しく、読み切れない方も多いはず。そこで本書は、小難しい解説をぜーんぶ取っ払って物語だけを抜き出し、ラノベ風にまとめました! 【内容】 『古事記』とは、日本の神話からはじまる日本最古の歴史書のことです。上中下巻からなり、上巻は日本神話、中下巻は天皇記が書かれています。本書はそのうちの上巻『日本神話』のストーリーをラノベ風に現代語訳しました。 著者の愛によって脳内変換された古事記。読み終わる頃には、きっとあなたも今まで以上に日本が大好きになっているはず。 ※本書は古事記のストーリーを楽しんでいただくことを目的としているため、学術的な正当性を示すものではありません。 ※相関図や目次に使われている名称の漢字について、基本的には古事記のものを使用していますが、一部わかりやすさを優先した表記に変更しています。 【著者】 小野寺 優(おのでら ゆう) 7月12日生まれ、東京都在住のWEBデザイナー。古事記が好きすぎて、2014年10月に古事記を現代的に口語訳したサイト『古事記を現代語訳っていうかラノベ風にしてみた』を立ち上げたところ、「わかり易くて面白い」との口コミが広まり、月間約50万VP(※)の人気サイトに。現在はTwitterやFacebookなどで古事記の豆知識を配信中。 ※Googleアナリティクス 2017年1月データ