2007年10月発売
14歳の少女が、友人、家族、憧れの人との関係のなかで、一つずつ自分の感情を増やしてゆく-進学や恋愛、就職の悩み…誰にでも訪れる当たり前のような出来事を、自分らしく受け止め、大人の入口に立つ23歳になるまでを丁寧に辿る。
東京・調布に自動車整備工場を構えた大道寺勉がテレビの中に見つけたのは、二十三年前、アメリカのサバイバルキャンプ時代に初めて愛を交わした女、マリアン・ドレイパーだった。来日中のハリウッドスターのボディガードを務めていて、大きな交通事故に巻き込まれたらしい。入院中の彼女と再会した勉だが、数日後、彼女は突然病院から姿を消した-。第十回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作家、待望の受賞第一作。
劇団「風呂上り」主宰、苫米地輝は、公演『戦場の面食いホリデー・怒涛の墓参り編』の脚本を数枚書いたまま消えた。残された劇団員、夕暮銀子の凶暴さが牙を剥く。何も知らない二人のゲスト(漫画家・日取河、小説家・満場雪太)のうち、餌食はどっち?体だけの関係の振りをしていた河の相手、安藤三津実もついに立ち上がる!内田春菊初の、ハッピーエンド恋愛長編。
奈良・東大寺二月堂のお水取りの夜、見物にきていた香坂季代は、見知らぬチョビ髭の男から風呂敷包みを渡された。その包みを友人の柳田由美に預けたのだが、やがて由美は遺体で発見されることに。続いて、季代に包みを渡したチョビ髭の男も、近江を走る特急列車の中で殺された。風呂敷包みには何が入っていたのか?持っていた由美はなぜ殺されたのか?不審を抱いた季代は、宮之原警部とともに謎の解明に奔走する-。
大震災により壊滅的な被害を乗り越え復興した街・音羽を舞台に、男子高校生でありながら少女漫画を描く広野紘、天然少女・宮村みやこ、紘の妹分・新藤景がせつない三角関係を繰り広げる。表紙は七尾奈留描き下ろし
景は失恋を契機にバスケをやめてしまう。そんな中、景は失恋相手の親友・京介と出会う。映研に所属していた京介の誘いで映画の主役を務めることに。景は映画の撮影を通じ、過去を克服する。表紙は七尾奈留描き下ろし
20世紀前半ドイツの作家、ハインリヒ・マンの代表的長篇小説。「汚物〈ウンラート〉教授」のあだ名で呼ばれる初老の教師ラート。ある日、生徒を追って夜の町に出た彼は、大衆酒場の若き歌姫と出会う。彼女と付き合ううち、教壇の権威としての立場を忘れた彼は、堕落の一途をたどりながら、破滅的な愛を彼女一人に注ぐようになっていく……。マレーネ・ディートリヒ主演映画「嘆きの天使」原作。
商家から武家へ嫁いで楽をするはずだったのに、甲斐性なしの亭主殿のせいで、自ら的屋となって一家を支えた女。大名の姫君から一転、芸者として身をたてた女。髪結いの見習いから、お雇い外国人のもとに嫁入りした女…。激動の維新を乗り越え、幕末から明治を生きた女たちの奮闘を、情緒あふれる語り口で描いた全四篇。
警視庁特命係ー“陸の孤島”“人材の墓場”と呼ばれるこの窓際部署に所属するのは、切れすぎる頭脳をもつ変わり者の杉下右京と、熱血漢で人情家の亀山薫、ふたりだけ。右京の深く鋭い推理と、薫の神憑り的な山カンで、様々な難事件を解決していく。人気ドラマ待望のノベライズ!連続ドラマ以前のプレシーズン3話を収録。
小学生の弘海は、体に異変が起こり、水の中を好むようになる。心配した両親は、世界中に同じような子供がいることを知るが…。少年少女の淡い恋心と家族の絆を描く『いま、会いにゆきます』に連なる長編小説。今や映像の世界でも注目の市川ワールド、待望の文庫化。
ラブホテルで惨殺された、身元不明の全裸女性。それはかつて私が情事を重ねた娼婦なのか?そもそもこの“小説”を書いたのは、誰だ…?奇怪なデビューから10作目、常に進化する作家「藤谷治」の、不敵な企み。
優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。家族の愛とはなにか、超えてはならない、人と獣の境はどこにあるのか?この世の裂け目に堕ちた父娘の過去に遡るー。黒い冬の海と親子の禁忌を圧倒的な筆力で描ききった著者の真骨頂。
素朴で真面目で礼儀正しくて。一見ふつうの5年生だけど彩乃ちゃんには、見えている。周りの人のちょっとした未来。うまくいかない相手と仲良くする方法。幸運をよぶ少女と迷える人たちのひと夏のできごと。注目の著者が描く優しいファンタジック・ストーリー。
8歳の男の子ジョーダンの祈りは、神様宛の1通の手紙になった。「お願いだからぼくにパパを送ってください」それを託された母のミーガンは、13歳の夏、湖で出会った不思議な少年の言葉を思い出す。当時、両親が別れてしまった彼女に、その少年は、いつか本当の愛にめぐりあうこと、奇跡が起こることを約束してくれたのだ。しかし、それは実現しなかった。それ以来、愛を信じなくなったミーガンは、ある日、セントラルパークのベンチで悲痛な表情をした男性を見かけ、なぜか胸騒ぎを覚える。それは…。『ギデオンの贈りもの』に続く、“赤い手袋の奇跡”シリーズ第2作。“新しいクリスマスの名作”、感動の全米ベストセラー。