2005年発売
敏腕広告プランナー・佐久間は、クライアントの重役・葛城にプロジェクトを潰された。葛城邸に出向いた彼は、家出してきた葛城の娘と出会う。“ゲームの達人”を自称する葛城に、二人はプライドをかけた勝負を挑む。娘を人質にした狂言誘拐。携帯電話、インターネットを駆使し、身代金三億円の奪取を狙う。犯人側の視点のみで描く、鮮烈なノンストップ・ミステリー。
運命の人はきっといる。私を見つけて。会いにきて。--アンの待ち焦がれていた大学生活がはじまった。憧れの小さな白い家を借りての友人たちとの暮らし。育ちのいい美人のフィルを通して友だちの輪は広がり、小説もひそかに書きはじめた。でも、ある日、幼なじみギルバートから愛を告白され……ずっと親友でいたかったのに……。講談社だけの完訳版『赤毛のアン』シリーズ全10巻の第3巻。
殺人事件の被害者が残した「=Y」の文字は、はたして何を意味するのか!?エラリイ・クイーンへのオマージュである、ダイイング・メッセージものの傑作「イコールYの悲劇」、第55回日本推理作家協会賞受賞作「都市伝説パズル」など、ロジカルな推理が堪能できる本格ミステリ五編を収録した、ファン待望の作品集。
横浜から香港へ向かう豪華客船クレオパトラ八世号に乗り込んだ薬師寺涼子警視。一見優雅な要人警護の任務だが、対象者が複数の組織に命を狙われるいわくつきの人物では、災厄の女王・お涼が無事に航海を終えるはずがない。絶世の美貌と無謀を振りかざし、「ドラよけお涼」(ドラキュラもよけて通る)が紺碧の海を破壊と殺戮の紅に染める。
「この作品が私の代表作になる予感がします」--平 安寿子 プチ家出から戻らない母、いいじゃないか、と言う“文鎮”こと父、ダメ男に貢いで飄々と生きる姉、そんな家族にいらだち、上昇志向を実現しようと邁進する妹……。他人の迷惑顧みず、「自分の気持ち」に素直に生きるタフな4人がここにいる! けちなモラルや常識なんて笑い飛ばす、新しい家族の物語。おすすめ文庫王国〈2005年度版〉第一位!(講談社文庫) 「この作品が私の代表作になる予感がします」--平 安寿子 けちなモラルや常識なんて笑い飛ばせ!?どこにでもいる父・母・姉・妹4人が見つけた「新しい人生!」 あなたは誰に似ていますか? プチ家出から何年も戻らない母、いいじゃないか、と言う“文鎮”こと父、ダメ男に貢いで飄々と生きる姉、そんな家族にいらだち、上昇志向を実現しようと邁進する妹……。他人の迷惑顧みず、「自分の気持ち」に素直に生きるタフな4人がここにいる。けちなモラルや常識なんて笑い飛ばす、新しい家族の物語。 第一章 新しい日々 一九八三年 第二章 結果オーライ 一九八五年 第三章 ファイターのスピリット 一九九三年 第四章 イン・マイ・ライフ 一九八三〜一九九三年 第五章 プライドのサバイバル 一九九八年 第六章 どうぞ勝手に、グッドラック 二〇〇三年
梵貝荘(ぼんばいそう)と呼ばれる法螺貝(ほらがい)様の異形の館。マラルメを研究する館の主・瑞門龍司郎(ずいもんりゅうしろう)が主催する「火曜会」の夜、奇妙な殺人事件が発生する。事件は、名探偵の活躍により解決するが、年を経た後、再調査が現代の名探偵・石動戯作に持ち込まれる。時間を超え交錯する謎。まさに完璧な本格ミステリ。続編「樒(しきみ)/榁(むろ)」を同時収録。(講談社文庫) この傑作、一文字たりとも読み落とすなかれ梵貝荘と呼ばれる館。魔王と称される仏文学者。暗唱されるマラルメの詩。異様な死体。そして稀代の名探偵。隙のない美しさの本格推理小説。続編「樒/榁」収録。 鏡の中は日曜日 第一章 鏡の中は日曜日 第二章 夢の中は眠っている 第三章 口は真実を語る 樒/榁 樒 榁
『13階段』をしのぐ圧倒的迫力! 空前の疾走感で展開するノンストップ《サスペンス》大作 改心した悪党・八神は、骨髄ドナーとなって他人の命を救おうとしていた。だが移植を目前にして連続猟奇殺人事件が発生、巻き込まれた八神は白血病患者を救うべく、命がけの逃走を開始した。首都全域で繰り広げられる決死の追跡劇。謎の殺戮者、墓掘人(グレイヴディッガー)の正体は?圧倒的なスピードで展開する傑作スリラー巨編!
闇は深く、不吉な雨はやまず……芥川賞受賞作! 希望を失い、にわか地上げ屋となった中年男。路地裏の古アパートに居座る奇妙な男と酒を飲めば、喪失感に満ちた過去へと意識は引き戻される。死んでしまった同棲相手や裏切られた友人。陰々滅々とした雨の向こう側に、生の熾火(おきび)は見えるか。第123回芥川賞受賞作。受賞後第1作「ひたひたと」を同時収録。
古き良きヴィクトリア朝を思わせるドラゴンたちの国ティアマト国。厳粛であるべきボン・アゴールニン啖爵の臨終の席は、いま騒然としていた。娘婿のデヴラク士爵が、横暴にも取り決め以上にその遺骸を食べてしまったのだ!遺骸を食らうことで、子竜たちは父の力と身体の大きさを受け継ぐ。力と大きさは社会的身分に直結するため、遺族の間で大騒ぎになった。この一件がきっかけで、やがてアゴールニン家の面々は、とんでもない騒動に巻きこまれることに…。登場するのはすべてドラゴン!亡き父の遺産相続とその娘たちの恋の行方をめぐるユーモラスな狂詩曲。2004年度世界幻想文学大賞受賞作。
譜代大名の堀田正信が水戸藩屋敷に現れた。幕政批判の上申書を提出、無断で出家した正信は徳川光圀へ別れを告げに来たという。幕閣に不穏な動きを感じた光圀は政情安定を願い、将軍家剣術指南役小野次郎右衛門の息子緋之介を捜せと命じるが。
アイルランドの小さな村を舞台に、専制的な父親の元で、自分の将来についてさまざまに思い悩んで成長していく一人の若者の姿を、ジョイス、ベケットらにも連なる実験的手法を用いて赤裸々に描き、発表当時発禁処分まで受けた青春小説の傑作。
小さな明かりの灯った夜の中で、私たちは長い会話とキスを交わしながら、何度夜を明かしただろう。ふたりだけの愛おしい日々が溶けていくー生真面目で不器用な恋人たちを清新なイメージで描いた七色の連作短篇集。
三蔵の凶星はいまだ消えず。鎮海禅林寺でわずらいつくと、すっかり気弱になり、唐の天子に遺言を書く始末。またも弟子たちに手をひかれ、ようようたどりついた先は滅法国。そこでは和尚1万人を殺すという国王の願掛けが、あと4人でめでたく満願になるところ。一行は頭巾であたまをつつみ、長持にもぐりこむ。改版。(全10冊) 第八十一回鎮海寺にて心猿 怪を知ること黒松林にて三衆 師を探すこと 第八十二回女怪 陽を狙うこと三蔵 道を護ること 第八十三回心猿 丹頭を識りたること姹女 本性に還りたること 第八十四回祈禱は滅し難く大覚を円すること法王は正を成し天然を体すること 第八十五回心猿 木母に妬きもち焼くこと妖王 三蔵を吞まんと計ること 第八十六回木母 威を助けて怪物を証すこと金公 法を施して妖邪を滅すこと 第八十七回鳳仙郡 天を冒して雨を止めること孫大聖 善を勧めて霖を降らすこと 第八十八回三蔵 玉華に到り法会を施すこと心猿 木母と共に門人を導くこと 第八十九回黄獅の怪 虚しく釘鈀宴を設けること金木と土 計りて豹頭山を鬧がすこと 第九十回師と獅 授受するは同一に帰すること道と禅 纏繞により九霊を鎮めること 訳 注
千里を行くものは九九九里をもって半ばとす、とて、ようよう西方み仏の地に足を踏み入れた一行、平穏無事の旅はまことに極楽の地を行くごとし。どっこい、苦難の旅の終りも間近、大天竺国にて国をあげて賑やかなその日、婿選びの綉球投げにて三蔵を狙うのは、取経の聖僧を待ち受ける、国王のにせ公主であった。(全10冊完結) 第九十一回金平府にて元宵 観灯すること玄英洞にて唐僧 白状すること 第九十二回三僧 青龍山にて大いに戦うこと四星 犀牛怪をば挾んで捕ること 第九十三回給孤園にて古を問い因を談ること天竺国にて王に朝し偶に遇うこと 第九十四回四僧 宴して御苑に遊ぶこと一怪 空しく情欲を懐くこと 第九十五回玉兎 形骸を仮り捕縛されること真陰 霊元に会し帰正いたすこと 第九十六回寇員外 高僧を待すこと唐長老 挽留を辞すこと 第九十七回金 外護に報いて魔毒に遭うこと聖 幽魂を顕わし本原を救うこと 第九十八回猿馬が馴れてこそ殻を脱すること功行が満ちたれば真に見ゆること 第九十九回九九の数完うし魔は尽く滅ぶこと三三の行満ちて道は根に帰すこと 第 百 回東土へ径ぐ回ること五聖は真と成ること 解 説 訳 注