出版社 : 幻冬舎
誰かを怖がらせてほしい。戦慄させ、息の根を止めてほしい。そんな願いを考えてくれる不思議な存在ーー。「怖ガラセ屋サン」が、あの手この手で、恐怖をナメたヤツらを闇に引きずりこむ! 怪談は作りものだと笑う人、不安や恐怖に付け込む人、いじめを隠す子供、自分には恐ろしいことは起こらないと思い込んでいる人……。 こんなヤツらに、一瞬の恐怖なんて生ぬるい! 気づいたときは、あとの祭り。 ”怖がらなかったこと”を、後悔させてあげるーー。 一話ごとに「まさか!」の戦慄が走る、連作短編集。
俺たちは大事な約束を忘れていたよな。刑罰では拭いきれない加害者への憎しみ。二人きりの兄弟が選んだのは“仇討ち”だったー。鮮烈、圧巻、陶酔のハードボイルド。円熟の筆致で描き出す「男の美学」。表題作含む二編収録!!
「法律を知らないと不幸になる」と医師の側に立ち、法律問題や医療過誤訴訟を闘っている異能の弁護士・雨守誠に、ある日総合病院から依頼が入った。急死した2歳児の両親に医療過誤で訴えられそうで、病院と医師を弁護してほしいというのだ。救えなかったら医師が悪いのか?-自身の信念に基づき、雨守は医療現場の矛盾や不条理に斬り込んでいく。弁護士の執念を描き切る法廷サスペンス。
東京から四国の町へ転校してきたはるなは、クラスの男子たちにからかわれ、うんざりする毎日を送っていた。でも、ある日訪れた洞窟で、何やら不思議なおじさんに出会って…タイムスリップした小学生の成長を描く、心おどる青春小説。
穏やかな気候で知られる静岡県興津。この地で晩年を過ごし、最期の日を迎えた西園寺公望は、日本が西欧列強に肩を並べようと全速力で駆け抜けた明治という時代から、内閣総理大臣、パリ講和会議の全権大使など政府の要職を歴任。国の中枢で活躍した大政治家としてその名が知られる。民を思い、国を憂えた「最後の元老」は、いかにしてその生涯を閉じたのか。興津にたたずむ「坐漁荘」の女中頭、漆葉綾子との交流を軸に、西園寺公望の知られざる素顔に迫る。
引き出しにしまわれたままの南京錠が、 過去への扉を開く。親子三代、100年の物語。 ーー1972年の夏、ボクとおじいちゃんは、「かぞく」を探す旅に出た。 商いの町・大阪を舞台にした100年にわたる金物卸商の事業承継。 「かぞく」愛あふれるファンタジー経済小説。 大阪船場の商人文化、戦後の沖縄復興、バブル経済の終焉……と 激動の近代日本を駆け抜けた、実在する老舗企業の歴史を映画脚本家が小説化。 大阪の老舗金物卸商の二代目社長であった父・松倉充太郎が亡くなった。 充太郎を見送るため、息子の三代目社長、将は告別式の喪主を務める。 葬儀当日、将は充太郎の引き出しから、ずしりと重い南京錠を見つける。 しまっていた理由を知る者は、いまとなっては将ひとりだ。 「長いこと隠しててすんません、充太郎さん」と、将は心のなかで父に詫び、 自身の胸ポケットに南京錠を収めると、ふいに将の心に遠い昔の記憶が蘇る……。 1972年、日本に沖縄が返還されたその年。 11歳の将は、小学校の担任に反発して不登校となり、 家業の金物卸商「マツ六」創業者である祖父・六郎の家に丁稚奉公することになる。 ある日、納戸の修繕をしていた六郎がよろけて頭を打った。 六郎は病院から帰ると、これまでの人生でやり残したことを清算するため、 突然旅に出ることを決意する。 心配した家族が六郎の旅のお伴に選んだのは、なぜか孫の将だった。こうして、これまで孫に向ける愛情を持たなかった老経営者と、 小学生の珍道中が始まる。 旅を通じてぎこちない二人の間に徐々に生まれる絆。 だが、祖父と将の父親には、経営者と跡継ぎとしての確執があった。 100年企業の祖父、父、子はぶつかり合いながらも会社とかぞくのために奮闘する。 果たして三人が見つけた会社とかぞくのカタチとは……。 商いの町・大阪に実在する建築金物卸商『マツ六株式会社』を舞台に繰り広げられる、 親子三世代の物語。 【目次】 プロローグ 第1章 戸車 第2章 げんこ 第3章 塩ビ管 第4章 マツ六の南京錠 エピローグ あとがき対談
県議会議員の山極玲奈が殺された。屋上に残された紙には古代ギリシャの哲学者・プラトンの言葉が書かれていたー。犯人は「偽善を許さぬもの」なのか。社会の不条理、ムラ社会の病巣、同調圧力や相克、を読み解く七作品を収録。新聞記者・大河亮介が巷の事件を斬る社会派推理小説短編集。
次々と報道される殺人事件の被害者は、同じ名前の人物ばかり。恐怖におびえる全国の「山本和義」は、SNSを通じて繋がっていく。犯人の真の目的とはー(「本当の自分」殺人事件)。表題作ほか、6編の短編ミステリー小説集。
ごみの収集運搬業務、トイレの汲み取り業務を請け負う藤倉産業有限会社。皆の嫌がる糞尿回収を押し付けられた健一は、身体障害というハンデがありながらも、持ち前の明るい性格で前向きに働いていくが…。ある日、便槽の中に浮かぶ乳児遺体を見つけてしまいー。汲み取り作業員のスゴさが分かるお仕事小説。
平和な村に突如として現れた怪しい人影。同時に、あるシングルマザーの息子が失踪し村人たちの捜索がはじまるが…。自然豊かな八ヶ岳の村で繰り広げられる心温まる4つの事件を収録。
病に冒されながらも、最後までピアノを弾き続けた妻がこの世を去った。シューマン「幻想曲」の楽譜の間に、短くもあたたかい言葉を残してー。無慈悲な現実に立たされてもなお明るく生きた家族の物語。
“ピンク映画”に出演することになった童貞大学生たちが自らに4つのミッションを課した。(一)女に慣れる(二)女子と話をする(三)女子と気楽に話す(四)童貞を捨てる。舞台は激動の1969年ー遅れてきた新鋭が描く新感覚時代小説。
神秘学に傾倒する伝説的実業家の住む洋館には、独自の英才教育を受けて育った4人の子どもが暮らしていた。当主の龍斎とその血族、奉公人たちの集う館に招待された聖は、徐々にその異様な雰囲気に飲み込まれていき…。読むほどに謎が深まる、再読必至の館ミステリ「魔術師」。ほか「模像殺人事件」を収録。
子どものために「童話」があるなら高齢者のための「老話」があっても良いではないか。人生を嘗め尽くした後、主人公たちに訪れる心が軽くなるような、清々しい笑いと感動と癒しの物語。田舎の山中の老人ホームが突然倒産した!取り残された老人たちの運命は!?痛快老人アクション「なでしこの里」ほか、心に染み入る10の老話集。
ネコ好きで気弱なツヨシとの結婚と同時に、子ネコ・トン子ちゃんとの生活が始まったモトコ。子供はできなかったが、スケちゃん・カクちゃんも加わって、二人は幸せに歳を重ねてきた。けれどトン子ちゃんも老いていき…(「子のない夫婦とネコ」)。「老いとペット」を明るく描く連作小説。
ドキュメンタリーディレクターの真宮勝吾は、癌で余命半年の芸人に意を決して提案する。「ここからなんとか子供を作りませんか?」だが、その芸人は無精子症だった…。それでも諦めずに、奇跡を起こそうとする物語。衝撃の男性不妊小説。
気がつけば彼女の幻影を探す日々。孤独を抱えて生きる男にとって、カクテル『YOKOHAMA』を傾けながら「あの頃」に耽るひと時は、唯一自分の心と向き合える時間だった。表題作『未来への手紙と風の女』ほか、4作を収録。
中原昌也氏推薦 「純文学=純愛じゃない! しかし……勝手にしやがれ! 」 海外の文芸誌で話題をさらった 稀代の新人作家、衝撃のデビュー作! 中原昌也氏推薦 「純文学=純愛じゃない! しかし……勝手にしやがれ! 」 海外の文芸誌で話題をさらった 稀代の新人作家、衝撃のデビュー作! 2年前、佐藤が働くアフィリエイト広告の会社に、ひとりの女性が入社した。 本名、栗原ミニ子。通称、ミニ。 売れない小説家のミニは、天性の才能とセンスで商品が飛ぶように売れる広告を書き、 業界で「フェイク広告の巨匠」と呼ばれ、崇められるようになる。 しかし、ミニの傷を知るうちに、許されない関係になっていってーー。 表題作をはじめとして、「愛」にまつわる痛みや孤独を、 暴力的なまでに描きぬいた短編集。 ■目次 フェイク広告の巨匠 蛸やったら、 くらくらと美味しそうな黄色のイチョウ くたびれもうけ 新代田から フェイク広告の巨匠 蛸やったら、 くらくらと美味しそうな黄色のイチョウ くたびれもうけ 新代田から