出版社 : 岩波書店
カルト指導者チャールズ・マンソンの「ファミリー」だった父親。その父を救い、私を育てたデスバレーの砂漠と山脈。絡みあう、血の宿命と大地の記憶…。期待の新人作家ワトキンズが、みずからの出自と故郷ネバダ州の歴史を重ね合わせて紡いだ、繊細にして鮮烈な七つの物語。二〇一三年、ショート・フィクション文学賞(The Story Prize)、ディラン・トマス賞(Dylan Thomas Prize)などを受賞
舞台は十九世紀末モスクワ。一人の青年が、公衆の面前でピストル自殺を遂げた。捜査にあたるのは、特捜部にやってきたばかりの新人、黒髪に青い目、お洒落ではにかみ屋の美青年、ファンドーリン。簡単な事件と思いきや、捜査線上に浮かんできた絶世の美女、新たな殺人、そして謎の言葉“アザゼル”-必読のシリーズ第1作!
時は一八七七年、舞台はバルカン半島。オスマン帝国と睨みあう、ロシア陣営最前線。果たしてチェックメイトをかけるのはどちらか?スパイ合戦の只中へ、婚約者を追って単身乗り込む主人公は、ときに乙女、ときに無謀、愛すべき“進歩的な”美少女ワーリャ!血の匂いと陰謀渦巻く戦場で、彼女に出逢ったファンドーリンはー女の子が主人公の“新しい『戦争と平和』”ここに誕生!
凡 例 主な登場人物 地 図 アメリカ合衆国 南部連合の一一州 ジョージア州 第一巻のあらすじ 第二部 第八章 第九章 第一〇章 第一一章 第一二章 第一三章 第一四章 第一五章 第一六章 訳者解説㈡ マミー現象とアセクシュアリティ(非性化) 『風と共に去りぬ』関連略年表(ジョージア州と南北戦争) 注
第 二 部 19 マルガリータ 20 アザゼッロのクリーム 21 空を飛ぶ 22 蠟燭の明りのもとで 23 悪魔の大舞踏会 24 巨匠の救出 25 イスカリオテのユダを総督はいかに救おうとしたか 26 埋 葬 27 五〇号室の最後 28 コロヴィエフとベゲモートの最後の冒険 29 巨匠とマルガリータの運命は定められる 30 出発の時 31 雀が丘にて 32 許しと永遠の隠れ家 エピローグ 解 説 ブルガーコフの作品との出会い 注
「君のような雑誌社は片っぱしからぶっ潰すぞ」-。日米開戦前夜から戦後の日本国憲法施行に至るまでを時代背景に、出版社・新評論社社長の葦沢悠平とその家族の苦難を中心に描いた社会小説の名作。上巻では、四一年九月第三次近衛内閣崩壊直前から横浜事件を核に、一連の言論弾圧とそれに振り回される人々の受難を活写する。
時は、大正のはじめ。26歳のまっすぐで血気盛んな青年北川光雄は、絶世の美女、野末秋子に出会った。場所は、九州・長崎県の片田舎にある幽霊塔と呼ばれる時計塔。惨殺された老婆が幽霊となって徘徊すると噂されるところだった。秋子は、そんな場所で何をしようとしていたのか。秘密を抱えた秋子に、光雄は惹かれていき…。夥しい数のクモを飼う男、「救い主」と呼ばれる不思議な医学博士、猿をつれた太った女ー怪しい人物たちが二人の周囲で暗躍する。そして時計塔の秘密とは?江戸川乱歩の名作が、宮崎駿のカラー口絵とともに蘇る!波乱万丈、怪奇ロマン。
人が人を食うという妄想にとりつかれた「狂人日記」の「おれ」、貧しい日雇い農民でどんなに馬鹿にされても「精神的勝利法」によって意気軒昂たる阿Q。表題二作とも辛亥革命前後の時代を背景に、妄想者の意識・行動をたどりながら、中国社会の欺瞞性を鋭くえぐり出す。魯迅(1881-1936)最初の作品集『吶喊』の全訳。
春のモスクワに降り立つ悪魔、灼熱のゴルゴタと名無しの巨匠。首は転がり、黒猫はしゃべり、ルーブル札が雨と降る。ブルガーコフ(一八九一ー一九四〇)が遺した二十世紀ロシア最大の奇想小説、物語のるつぼの底で待つのは何か?-「私につづけ、読者よ。」(全二冊)
悪徳と罪業の都市ソドムとゴモラ。本篇に入り、同性愛のテーマがいよいよ本格的に展開される。不意によみがえる死んだ祖母への想い。祖母を失った悲しみの感情に「私」は突然とらえられる(「心の間歇」)。「私」はアルベルチーヌに同性愛の疑いをいだくが…。(全14冊)
凡 例 主な登場人物 地 図 アメリカ合衆国 南部連合の一一州 ジョージア州 第一部 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 訳者解説㈠ スカーレットとそのDNA 『風と共に去りぬ』関連略年表(ジョージア州と南北戦争) 訳者あとがき 注
やあ。よかったら、ここにおいでよ。気に入ったら、ここが君の席だよー『君たちはどう生きるか』の主人公にちなんで「コペル」と呼ばれる十四歳の僕。ある朝、染織家の叔父ノボちゃんがやって来て、学校に行くのをやめた親友ユージンに会いに行くことに…。そこから始まる、かけがえのない一日の物語。
序(アナトール・フランス) 献辞 シルヴァニー子爵バルダサール・シルヴァンドの死 ヴィオラントあるいは社交生活 イタリア喜劇断章 ブヴァールとペキュシェの社交趣味と音楽マニア ド・ブレーヴ夫人の憂鬱な別荘生活 画家と音楽家の肖像 若い娘の告白 晩餐会 悔恨、時々に色を変える夢想 嫉妬の果て ★ 付 録 夜の前に 思い出 アレゴリー つれない男 訳注 解説
『人生劇場』の作家尾崎士郎が、母校と、そして青春への熱き思いを込めた小説三篇。野に下り学の独立に賭けた大隈重信。学園創立時の苦闘と、不撓不屈の挑戦。進取の精神を抱き果敢に行動する若者たち。時代の奔流の中で躍動する青年群像が、活写される。巻末に、建学の祖・小野梓による開校式での歴史的演説を収載。
晩秋の武蔵野、明子は、烏瓜の実がたわわに垂れる家で、女子大時代の先輩蕗子と運命の再会をした。ゆたかな才能をもてあますように奔放に生きる蕗子と、くもりのない批評意識をもって日々を真摯に生きる明子。二・二六事件前後の激動の時代に、深い愛に結ばれ自立をめざして青春を生きた二人の魂の交流を描く。第四十六回読売文学賞受賞作。
一八一二年初冬。パルチザン隊とナポレオン軍の攻防。解放軍突入の朝、ペーチャは若い命を散らす。その屍がピエールの目を奪い、耳には老兵プラトンへのとどめの銃声が残る。死者の川を渡り、いま生者の帰るべき先は?戦争とはー平和とは?全篇完結!
敵軍侵攻!大火のモスクワを一家で引揚げるナターシャは重傷のアンドレイと再会し、赦しを乞い、死の日まで付添う。ナポレオン暗殺を誓って変装し町をさ迷うピエールは逆に放火の嫌疑で逮捕され、フランス軍の捕虜隊で一人の年老いた農民プラトンと出会う。