出版社 : 学術研究出版
江戸時代、山深き郡上八幡。産業も乏しく、情報も届きにくいこの地に、宝暦年間、丹後宮津から「武の青山」と称される名門・青山氏が藩主として赴任する。静寂に包まれていた郡上は、やがて時代の奔流に飲み込まれていく。 岩本院の一人娘・お清は、藩の使いとして何度も江戸へ赴く。その旅路の中で、会津戦争で行方不明となった恋人・山脇金太郎の足跡を、かつて交わした手紙を手がかりに追い始める。やがて彼が幕府の裏の任務に関わっていたことを知る。 江戸無血開城の前夜、郡上藩は密かに「凌霜隊」を結成し、会津若松の松平容保のもとへと向かう。一方、郡上八幡の国許では新政府への転向の動きが進んでいた。会津戦争の敗北により、凌霜隊は脱走隊として扱われ、海路を使い郡上へ護送される。 その航路の裏には、徳川幕府の勘定奉行・小栗忠順と、山脇家の養子となった金太郎の密接な関係が潜んでいた。幕府の御用金を密かに船に積み込み、荷物の中身をすり替えて輸送するという、幕府最後の策謀。お清は金太郎の積み込んだ荷の正体を探るうちに、彼と小栗の行動が深い闇に包まれていることに気づく。 本作は、凌霜隊隊員・矢野原与一が遺した日記『心苦雑記』をもとに、激動の時代に翻弄された人々の姿を描き出す歴史小説。郡上八幡から江戸、そして会津へーー幕末の闇に挑む一人の女性の恋仲を一途に追ってゆく姿を、今、静かに語られる。
あらすじ 熱海の小さな高級旅館松屋で、県会議員が大浴場で水死した知らせに熱海署の刑事が向かった。 部屋に二人の客を呼び、芸者駒菊も同席で宴会を催していた。 だが、客も誰なのか誰も分からない。 同席した駒菊に詳しい話を聞いても、中々意味不明。 その後、殺人事件が連続で発生! 県警の出番が…… 数々の難事件で功績がある美優は、静岡県警では課長が出入りを許す存在で、事件の資料の閲覧も許される特権を持った刑事の妻だ。 温泉地熱海で起こる謎の連続殺人に一平と美優の活躍が始まった。
一平&美優シリーズ 2020年世界は新型コロナの蔓延で経済活動が停止し混乱していた。 美優は、数々の難事件で功績が有り、静岡県警では課長が出入りを許す存在で、事件の資料の閲覧も許される特権を持った刑事の妻だ。 静岡県警では横溝課長が転勤し、後任に静内課長が着任してきた。静内課長は素人の美優に頼る捜査を卒業しようと刑事達に通達した。 そんなコロナ渦の九月、秘境温泉に身元不明の全裸の若い女性の遺体が発見された。 その遺体はコロナに感染していた。 次々と事件関係者がコロナ感染をし、捜査は混迷を深めてしまった。 美優に頼らないと誓った静内捜査一課長も犯人逮捕に焦る。 誤認逮捕になるのか?美優の独自捜査が始まる!緊迫の駆け引き!