出版社 : 中央公論新社
えちごトキめき鉄道・日本海ひすいラインの泊駅で、普通列車に乗っていた男が青酸カリにより中毒死した。被害者は元警視庁刑事・新井で、車内では乗客に飲み物を配っていた女がいたという。新井は、5年前に起きた副総理暗殺事件の捜査方針に不満を持ち1年前に退職し、事件現場のホテルで当時清掃員をしていた富永という男を単独で追っていたようだ。しかし、富永は新井が殺害された翌日に姿を消していた…。十津川は副総理暗殺と元同僚殺害事件の真相にたどり着けるのか!?
「大和」ついに復活かーー。 マライタ島沖海戦にて、五隻の空母を失った帝国海軍。新鋭戦闘機「剣風」を量産し、反撃の機会をうかがう。その最中、米太平洋艦隊は戦略方針を転換。フィリピンの占領を狙い、海軍第十八戦隊が布陣するニューギニア島を猛攻する。一方、欧州ではドイツが米英の爆撃により弱体化。対日参戦に難色を示すイギリスは、アメリカとある密約を交わす。さらにイタリア・マルタ島上空には、英戦闘機が姿を現し……。壊滅寸前の第十八戦隊を救出するため、連合艦隊は機動部隊による決死の突入を行うーー戦局はいよいよ佳境へと迫る!
時は紀元前三世紀。広大な版図を誇ったローマ帝国の歴史で、史上最大の敵とされた男がいた。カルタゴの雷神・バルにあやかりつけられた名はハンニバル。戦を究めた稀代の猛将軍・ハンニバルが今、復讐の名の下にアルプスを超えた。予測不可能な強敵を前に、ローマの名家出身の主人公・スキピオは、愛する家族と祖国を守り抜けるのか?
この独立は、四五〇〇年前に預言されていたことだー亡国の民・ラガーンの建国宣言は世界中を震撼させた。鷹見はラガーン過激派の襲撃をかいくぐり“バビロン文書”の解読に奔走。彼は一人の天才日本人少女のもとに辿りつく。預言の日が近づく中、鷹見の秘策が世界の運命を決する。物語は今、極限まで加速する!
尾張を半ば手中にした織田信長は、西に境を接する美濃・斎藤義龍との決戦に備えつつあった。戦意高まる家中にあって、柴田権六勝家は微妙な立場にいた。信長と敵対する弟の傳役だったため信用されず、主戦から外されたのだ。勝家に再び、出世の機会は与えられるのか!?働くすべての人が共感必至の大好評戦国絵巻、第二弾。
東京地検特捜部・立花検事に持ち込まれる事件は、傷害や名誉毀損・詐欺・贈収賄・強制わいせつなど多種多様。その中には裏に人生の暗部が広がっているものも数多くあり…。高度成長時代の昭和を舞台に、立花の冷帝な推理が冴え渡る『特捜検事』新編集シリーズ第二弾!
鹿児島県の離島・虫が島沖で、身元不明の死体が六体見つかった。辺野古にかわる基地候補地の極秘調査中だったため、トップシークレットの案件として朝倉に助実が要請されることに。虫が島へ新規の駐在員を装って転任し真相を探る朝倉に、敵意をむき出しにする島の住人たち。次第に朝倉の生命に危険が迫る。大スケールの警察小説、待望の第四弾!
ある晩、夫が急死。これで嫁を卒業できると思いきや、舅姑や謎の女が思惑を抱えて次々押し寄せる。“愛人”への送金、墓問題、介護の重圧……がんじがらめな夏葉子の日々を変えたのは、意外な人物と姻族関係終了届!? 婚姻の枷に苦しむすべての人に贈る、人生逆転小説。『嫁をやめる日』を改題。〈解説・角田龍平〉
他人の人生を踏みにじり、生き血を吸う毒虫ども。享楽と喧騒の中に垣間見えた奇妙な友情。愛すれば愛するほど、壊れていく男と女。歌舞伎町には、この街なりの秩序というものがある。法では裁けない非道、そして現代の卑しき心の病魔を始末する。それが、伝説の歌舞伎町セブン。
竹は女の樹だ。細く、風に容易くしなってしまう。けれど、容易く折れはしないーー。江戸の片隅の竹林を背負った家で、「闇医者」として子堕ろしを行うおゑん。彼女は、ひたむきに信じた愛や、幼き日より育んだ友情を失い、怒り、惑う女たちに助けの手を差しのべる。異国から流れ着き薬草に精通する末音と、情を交わした男に殺されかけた過去を持つ見習いのお春とともに。 いきさつのある女たちの再生を描く、人気シリーズ第二弾。 〈解説〉末國善己 【収録作品】 「竹が鳴く」 「花冷えて」
『旅と歴史』の編集長に花巻祭りの取材を命じられた浅見光彦だったが、彼の到着後に宮沢賢治ゆかりの地である「イギリス海岸」「さいかち淵」で相次いで二人の男の殺害死体が発見される。しかも被害者が死の直前に「幽霊を見た」と周囲にもらしていた…。浅見光彦、靄の彼方に潜む幽霊の正体を追う!
〈ジウ〉サーガ×姫川玲子 誉田哲也の二大人気シリーズが、衝撃のコラボレーション、待望の文庫化! 沖縄での活動家死亡事故を機に「反米軍基地」デモが全国で激化した2月、新宿署の東弘樹警部補は、「左翼の親玉」を取調べることに。その直後、異様な覆面集団による滅多刺し事件が起こる。被害者は歌舞伎町セブンにとってかけがえのない男ーー社会に蔓延る悪意の連鎖を断ち切るべく、東とセブンの共闘が始まる! 『硝子の太陽N ノワール』を改題。掌篇小説「歌舞伎町の女王ー再会ー」を収録。
韓国の離反がアメリカの威信を傷つけ、彼らを激怒させた。更に韓国軍の玄武ミサイルが九州に襲来し、百人を超える民間人の犠牲者が出た日本でもヘイト犯罪が相次ぐ。一瞬だけ高まった和平の機運は砕け散り、中韓と日米は再びぶつかりあうことに。そして両者が激しい戦闘を行うのは、かつて旧日本軍が占領した因縁の場所・海南島。特殊部隊“サイレント・コア”を率いる土門一佐も、各小隊とともに最前線での戦いに身を投じるが、十倍以上の数で押してくる敵に苦戦続きの展開となってしまう。またそこへ、韓国軍の戦車部隊も登場してきて…!?
日本軍は第三次ビスマルク海戦に敗れ、ビスマルク諸島の制圧に失敗。以降、機動部隊で米輸送船団を叩くことで、補給線寸断を狙う戦略を採る。しかし、対する米国もトラック島沖にて日本輸送船団を攻撃し、戦局は膠着の一途を辿っていた。一方、欧州戦線では米英ソの三国を一度に相手取るドイツに疲弊が目立ち始める。中立を守るイタリアを動かすため、米軍はマルタ島に進出。外交戦が活発化する中、ソロモン島沖にて輸送船を狙う連合艦隊と、防衛にあたる太平洋艦隊がついに激突。巨大空母四隻による一大決戦が幕を開ける。両陣営、新型戦闘機を導入した戦闘の行方はーー?
火付盗賊改役の伊香雷蔵は、常に捕物の先頭に立ち、町人に人気がある。その勇猛さで「江戸の雷神」と呼ばれる一方、斬り捨て御免の火盗改ながら、できるだけ賊を生け捕るのが信条という快男児だ。府内を騒がす辻斬り、押し込みに加え、その鮮やかな手並みで「匠小僧」と呼ばれる盗賊を追う雷蔵だったがー。痛快書き下ろし時代小説シリーズ、開幕!文庫書き下ろし。
警視庁捜査一課の警部・佐々木は、一人娘さくらが病気で余命半年と宣告されたため、警視庁を退職し二人で旅行に出た。しかし、鳴門の「渦の道」でさくらは何者かに誘拐されてしまう。解放の条件として、射撃大会で優勝したこともあるその腕で、二日以内に現警視総監を射殺せよと命じられる…。警視庁内に存在する深い闇に十津川が切り込む。
時は一九世紀。一匹の子犬が愛玩犬として日本からアメリカへ送られた。その道中で出会ったのは、性格も肌の色も違う様々な人間たち。優しい人間、その人間を迫害する人間、他の動物を絶滅させようとする人間…。抗うことのできない歴史の流れの中で、弱者たちの命を懸けた反抗が、やがてこの世界に小さな希望を灯す。文庫書き下ろし。
青春の幻影ともいうべき心の「女神」に似た女性に遭遇した銀行員・明石は、彼女の面影を忘れがたく、ついには拉致監禁という暴挙におよんでしまう…。しかし事態は明石のまったく予期せぬ方向へと進み、殺人事件へと二人を巻き込んでいく。よじれた愛と憎しみの闇に、棟居刑事の推理が冴えわたる!