出版社 : 中央公論新社
「必ず戻る」その言葉を残し、仁が京都へと旅立ってから一年半。彼を待ち続けた山田澄香はついに仁を探しに行くことを決意する。だが仁は京都ではなく大阪、それもなぜか大衆演劇一座の賄いを作っていた!?澄香は仁を「おりおり堂」に連れ帰ることができるのか。謎の新キャラも登場しシリーズは新章突入へ。
【全6巻予約受付締切】2019年1月10日 25周年という節目の年にふさわしい豪華愛蔵本の登場! 『デルフィニア戦記』本伝全十八巻を六冊に分冊、各巻ごとに書きおろし短篇が収録されます。 また、各巻に月報『コーラル通信』を封入。茅田砂胡・沖麻実也・鈴木理華・児玉明子・佃井皆美各氏によるコラムやコミックを掲載。秘蔵資料の紹介などを予定しています。 【収録内容】 I巻:ノベルス・文庫1巻~4巻(第I部)
野太い喊声、弓箭の高鳴り、馬の嘶き…血の色の花咲く戦場に、なぜかくも心震わせる至誠の音が生まれるのか!己の音楽を究めんと、幻の師を追い京から東国へ下った寛朝。そこで彼は、荒ぶる地の化身のようなもののふに出会う。-「坂東のならず者」を誰より理解したのは、後の大僧正その人だった。謀叛人・平将門と、仁和寺の梵唄僧・寛朝。男たちの魂の咆哮が響き合う歴史雄篇。俊英が描く武士の世の胎動!
凶悪残忍な少年たちが猟奇殺人犯を覚醒させた!!妊娠中の妻と幼い娘を少年たちに凌辱の末、殺害された男。彼が胸に抱いたのは、悲しみでも憎しみでもなく、妻子の殺され方が美しくないことへの憤りだった…。新堂冬樹史上最悪の作品。
倭国を追われ中国の南半分を領有する陳国に辿り着いた厩戸御子一行。しかし、厩戸の尋常ならざる霊的素質を見抜いた道教の指導者九叔道士によって攫われてしまう。道教に興味を持ち、その真理を探る厩戸は、囚われているもう一人の少年・楊広と出会う。一方、厩戸取り戻すべく倍達多ら仏教僧、虎杖、柚蔓たちは、道教教団と全面激突へ。果たして厩戸はナーランダー僧院へたどり着けるのか。
本土への戦略爆撃を狙う米軍四〇〇機の撃退に成功した日本軍。勢いのままにマリアナ諸島攻略を狙うも、米軍のP61“ブラックウィドウ”の奇襲により、零式艦戦隊は壊滅した。一方、秋津大佐らの終戦工作は最終段階へ迫る。終戦の鍵を握る蒋介石との面会を図るのだが、上海では思わぬ事態が待ち受けていた。作戦が佳境に向かう最中、厚木基地には飛行機乗りたちが集められる。彼らが搭乗するのは「飛龍」と、旧式化した「零戦」など寄せ集めの実験中隊。P61撃滅の策を授けられた搭乗員たちは、硫黄島へと向かうー!
誰とも比べなくていい。 そう囁かれたはずの世界は こんなにも苦しいーー 「お前は、価値のある人間なの?」 朝井リョウが放つ、“平成”を生きる若者たちが背負った自滅と祈りの物語 植物状態のまま病院で眠る智也と、献身的に見守る雄介。 二人の間に横たわる“歪な真実”とは? 毎日の繰り返しに倦んだ看護士、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年ディレクター。 交わるはずのない点と点が、智也と雄介をなぞる線になるとき、 目隠しをされた“平成”という時代の闇が露わになる。 今を生きる人すべてが向き合わざるを得ない、自滅と祈りの物語。
闇に生きる死者ーー吸血鬼たちは、大都市の夜にコミュニティーを形成し人に紛れている。六本木の三長老や新宿の女王などの統括の下、時間の流れとは無縁の日々を送っていた。 だが。そのかわらぬ毎日のはずが一変。 ある日、吸血鬼のなかでも極めつけに怠惰な十二が久しぶりに目覚めると、池袋のまとめ役・白猫が失踪するという大事件が勃発していた。秩序の一角が失われたことで、支配地域拡大を目論む若手は暗躍し、日々のモラルも低下。秘された存在である自分たちの正体が広く知られてしまうことを長老たちは危惧していた。 そして十二の元に白猫を訪ねて“人”が現れたことで混乱は激化。十二はその中心におかれてしまった……。 「BBB」のあざの耕平が新たに挑んだ吸血鬼の話とは!
人気作家のサイン本に1冊だけ付いた甘いチョコレートの死香。慰安旅行先の旅館で遭遇したセロリの香りと消えた死体。死香を「食べ物」の匂いに変換する潤平と、分析学のエキスパート・風間は不審な事件を次々と〈嗅ぎ解く〉が、バナナの甘い香り漂う殺人現場で風間に異変が。容疑者の謎の美女に過剰反応し、潤平を初めて現場から遠ざけて? 文庫書き下ろし
迷宮入り事件の解決が、大切な人を傷つける。 ベストセラー『雪冤』の著者が贈る慟哭のミステリー! 十五年前に何者かに娘を殺された元刑事・柴崎。 その事件の解決を目指す後輩刑事・川澄。 ある日、自殺した警察官の遺書が見つかったことから事態は急変し、手がかりすらなかった犯人の身元が明らかになる。 だが逮捕目前に迫った時、犯人と目される男が殺されたーー。 元刑事の復讐殺人に世間は騒然。 しかし、犯人は本当に柴崎なのか? 事件の裏に隠された、あまりにも悲しい真実とは。 文庫書き下ろし
どこまでも続く広大な砂漠の果て、そこには古今東西の知識のすべてが収められ、至りし者が神に等しい力を手にできる図書館があるというー長い旅路の末、たどり着いた旅人がひとり。鎖に縛められたその扉を開かんとする彼に守人は謎をかける。鎖は十本、謎も十問。旅人は万智の殿堂へたどり着けるのか!?知の冒険へ誘う傑作長篇!
人気ファッションデザイナー・尾西香里がこだま車内で殺害された!容疑者として捜査線上に浮上した夫の洋次には、犯行時刻にモデルの愛人・新井江美と密会していたというアリバイが存在した。だがその愛人が香里の告別式席上で毒殺される。二つの殺人事件の裏には、ファッション業界の深い闇が…。愛憎と欲望の迷宮に十津川警部が挑む!
定年まで、あと四年ーー。長らく会社の花形部門で働いてきた吉岡だが、ここ数年はデータ管理の閑職についている。年齢なりに、体調ははっきりと怪しくなってきた。娘が就職して家を出た今となっては、妻の多恵子と共に静かに老いていくだけの毎日だ。ところが、近所に住む望月夫妻が二人とも入院したことから、状況が一変。彼らが飼っている老猫をどうするかを巡って、町内は大騒ぎとなる。望月夫妻が住むアパートの大家も、警官も救急隊員も生活支援課も、救いの手を差し伸べようとはしない。ある理由から、この猫を引き取ることができない吉岡と多恵子の選択は……。 誰もが身につまされること間違いなしの、ユーモアと愛情に満ちた人間ドラマ。 〈解説〉瀧井朝世
三十代後半の悠子はアルバイトをしながら原稿を書く駆け出しの作家。仙台を出て東京でひとり暮らしを続けるが、ぎりぎりの生活を送る。そんな彼女の日常は、震災を境に激変した。非常時だとはしゃぐ同僚、思わぬ人からの気遣い、そして故郷の家族の変化。「私は、なぜこんなにもちっぽけなんだろう」過去と未来を見つめた、悠子の変化と決断は。
人生のダメな時期、万歳。人生のスランプ、万々歳。 青春小説の金字塔、待望の続篇。 バブル最後の売り手市場に乗り遅れ、バイトとパチンコで食いつなぐこの男。名を横道世之介という。いわゆる人生のダメな時期にあるのだが、なぜか彼の周りには笑顔が絶えない。鮨職人を目指す女友達、大学時代からの親友、美しきヤンママとその息子。そんな人々の思いが交錯する27年後。オリンピックに沸く東京で、小さな奇跡が生まれる。
ある日、沖縄の米軍居住地でゴミ回収業者が発見した麻袋。そこに入っていたのは、なんと身元不明の生首だった。さっそく現地へ極秘捜査に向かった特別強行捜査班の朝倉俊暉だったが、彼の前に日米地位協定というあまりに厚い壁が立ちはだかる。元自衛官の警察官が活躍する「オッドアイ」第6弾は、シリーズ最大の問題作!
幕末・明治の芸能を代表する、近代落語の祖・三遊亭圓朝。 江戸から明治への激変期にあって、伝統的な話芸に新たな可能性を開き、「怪談牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」などが今なお語り継がれる伝説的な噺家の一代記。 母・兄に猛反対されるも芸の道に進んだ圓朝。 歌舞伎の技術を盛り込んだ芝居噺で人気を博すものの、師匠や愛弟子から嫌がらせにあい、窮地に追い込まれる。数々の苦境を味わわされる中、自らが生みだした怪談噺や人情噺で独自の境地を開き、押しも押されぬ人気咄家に成長するが・・・・・・波乱万丈な芸道を這いつくばり、女性関係や息子との確執にも悩んだ圓朝。 新田次郎賞・本屋が選ぶ時代小説大賞W受賞の奥山景布子が迫る、「伝説的落語家」の素顔とはーー