小説むすび | 著者 : リン・グレアム

著者 : リン・グレアム

ギリシア富豪の逃げた小鳥ギリシア富豪の逃げた小鳥

19歳の清掃員ビリーは、勤め先の高級アパートメントで ギリシア富豪のギオが倒れているのを見つけ、懸命に介抱した。 それを機に急接近し、ビリーは求められるまま彼に身も心もゆだねたが、 情事の相手以上の存在として見られることは決してなかった。 愛も純潔も捧げ尽くした哀しき愛人ーーそれがビリーだった。 その証拠に、ギオは良家の女性と結婚。彼女は失意に暮れ、姿を消した。 ところが2年後、ギオが予告もなしに家の玄関先に現れる。 「離婚したから、君とよりを戻しに来た」と言って。 なんて身勝手なの……。むろん、ビリーは即座に拒んだ。 足元で無邪気に笑う、ギオに似た幼子を、必死に彼の目から隠しながら。 傲慢富豪と灰かぶりの代名詞のような二人による、シークレットベビー物語! 利己的なギオを追い返したものの、将来、彼の子でもある息子から、父親は裕福なのに自分は貧しく育てられたと責められるだろうかと考え、ビリーは密かに枕を濡らすのでした……。

秘密のまま別れて秘密のまま別れて

おなかに小さな命がいると知ったのは、 無一文で路上に放り出されたあと……。 「社長から、電話を取り次ぐなと言われておりますので」 ギリシア大富豪クリストの秘書の返答に、エリンは愕然とした。 クリストと同棲していたのに、理由も告げられずに突然捨てられ、 エリンは気まずくなって、彼が所有するホテルでの仕事も辞めた。 すべて忘れよう……。そう思った矢先、妊娠しているとわかったのだ。 収入もないので、せめて援助を、と必死で彼の実家にも連絡したが、 息子はもうすぐ結婚するから関わるなと釘を刺されたのだった……。 3年後。困っていたエリンに働き口をくれた現在のボスに呼ばれ、 オフィスの中へ入ると、そこにいたのはーー エリンの仕事場であるホテルを買収しにやってきた、クリストだった! 〈授かり子を密かに〉と題し、シークレットベビーがテーマの珠玉作をお贈りします。3年前の別れ際、クリストとのあいだに小さな命をーーしかも、男の子と女の子の双子を身ごもっていたエリン。そうとは知らないクリストは、なぜか怒りに満ちていて……。

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