2006年9月27日発売
その美しく透きとおった歌声の影に乾いた哀しみが漂っているのに気付くと、由紀さおりの歌の表情が一変するはずだ。巧みにさまざまな歌唱スタイルをみせるが、「手紙」「金糸雀(カナリヤ)」「夢もうすこし」などでの寂寥は癒しがたいほど深く哀しい響きだ。
小林幸子に通じる哀感と、水森固有の清潔感がひとつになって、『歌謡紀行』シリーズの第5弾も新鮮な空気に触れている気分になる。木下龍太郎と弦哲也のコンビによる叙情的な作品を軸にしているが、西田佐知子の(4)や高峰三枝子の(5)などにも取り組んでいる。
ブラジルのヘヴィ・メタル・バンドが結成11年目に放ったアルバム。ハロウィンからの影響を感じさせる速くてキャッチーな曲だが、いい意味でヴォーカルがブラック・メタルっぽい表情を覗かせるのも良しである。セパルトゥラのアンドレアスもゲスト参加。
ZIGGYの森重樹一(vo)と元ZIGGYの戸城憲夫(b)、元SADSの坂下丈朋(g)と溝園英二(ds)によって結成されたバンドの2枚目のフル・アルバム。ワイルドでノイジィで破壊力満点の音楽は異常なまでの緊張感にあふれており、どの曲も実にカッコいい。
遠藤ミチロウ、クハラカズユキ、山本久土から成るスーパー・グループ(?)のフル・アルバム。生ギター2本にドラムだけという、タイトルどおりのアンプラグド・サウンドによるパンク・ロックが全12曲たっぷり楽しめる。個人的にはやはりエレキの音が恋しいけど……。
スコットランド出身の新世代メタル5人組の1作目。オーヴァーチュア的な(1)で幕を開け、いきなり(2)からは重戦車と化した音の塊がすべてのものをなぎ倒しながら突進してくるように迫ってくる。しかしながら、変化に富んだ音作りなど、注目の存在であることも納得の一枚。
イタリアのメロディック・ハードコア・バンドのデビュー作。メタリックなリフと構築性あるアレンジ、そこにストロング・スタイルのヴォーカルが絡む。そのアグレッションぶりはきわめてアット・ザ・ゲイツに近い。日本盤にはデモ3曲とPVをボーナス収録。