2003年8月27日発売
制作・出演
アンドレ・マラブレラ / シャルパンティエ / ジャック・マルス / ジョスリーヌ・シャモナン / ジョルジュ・アブドゥン / パイヤール管弦楽団 / マルタ・アンジェリシ / ルイ・マルティーニ / レミー・コラッツァ華やかなアンドレのトランペットが朗々とした歌を奏で上げ、至福のひとときをもたらしてくれる古典的名盤だ。ヴィヴァルディの協奏曲のソロを、アルバン・ベルクSQの第1ヴァイオリン奏者として著名なピヒラーが担当しているのもファンには朗報だろう。
18世紀にマンドリン音楽の中心地として栄えたナポリで作曲された協奏曲集。当時はトレモロ奏法がまだ発達しておらず、現在の演奏とは違った雰囲気を醸していて面白い。イタリアン・バロックの大家シモーネが華やかさと優美さを兼備した佳演を楽しませる。
日本コロムビアがエラート・レーベルの名声を築きそのアーティストたちへの評価を高めていった時期の名盤復刻。当時からのファンにとっては懐かしい録音でもあり、こだわりのマスタリングでCD化だ。ある意味、初めて聴かれるマスターの音質とも言えよう。
LP時代はカートリッジを取り替えながら楽しんだが、今回は音質も大幅に改善されて、個々の楽器の音色や響き具合の違いが、かなり明瞭に聴き取れる。アモイヤルの演奏もまずまずで、ヴァイオリン・ファンにもオーディオ・ファンにも楽しめる復刻となっている。
アンドレのトランペットの華やいで煌めく高域の響きや、パイヤール室内oの弦楽アンサンブルのまろやかで艶のある音色で聴くバロック音楽は、耳を立てるというよりはいわば音に浸る楽しみ。有名なカノンも、感傷にオチず、どこかゆったりしみじみと味わいが沁みてくる。
制作・出演
アンドレ・ナヴァラ / カール・リステンパルト / ザール放送室内管弦楽団 / ジャン=フランソワ・パイヤール / ジョルジュ・バルボトゥ / ジルベール・クルシエ / ハイドン / パイヤール管弦楽団 / モーリス・アンドレK.563という数字が示すように、これはモーツァルト最晩年の作品にして最後のディヴェルティメント。しかも弦楽三重奏というシンプルな編成。パスキエ兄弟の演奏は、野暮ったさと洗練味が同居した不思議なもの。ただしお世辞にも巧いとは言えない。
コルボのおじは、合唱指揮者でこのレクイエムの公演の準備をしていたが、急死してしまったため、コルボは追悼の意味を込めて、おじの合唱団を使ってこの曲を録音したのであった。清らかで美しく、心にしみ入る、特別に感動的な演奏だ。