1997年10月発売
ボリショイ少年少女合唱団は、オペラの舞台でも活躍している実力派。ロシア正教聖歌を含むこのクリスマス・アルバムで、ソロとコーラスを交えて幅広い表現力を披露している。4ヵ国語で歌われているとのことだが、各曲の解説と歌詞は付いていない。
吉田美奈子、角松敏生、南佳孝、佐藤竹善、塩谷哲らのプロデューサー、アレンジャー、コンポーザーを迎えたアルバム。滑らかでふくよかな彼女の声が、味わい深くポップスを描き出す。お金をかけて丁寧に作られた雰囲気とともに、日本のポップスの成熟を感じる。
ついにデビューしたイタリアの注目ブログレッシヴ・ハード・ロック・バンド。クラシックとトラッドの要素がとても強く、シフォニック、オペラティックそして牧歌的なサウンドをスパイスに展開されるスピード・メタルは力強く美しい。期待の本格派だ。
伊福部のごく初期の作品を集めたアルバムです。民族派とか土俗派とかいわれますが、もっと広く原日本的なバーバリズムともいえるスケールをもっている人です。広上の小気味よいリズム感とダイナミックな指揮が、曲の深層をみごとにつかみだしています。
まずは画期的な企画に拍手。只今絶好調の広上が作曲者監修の下、手兵の日フィルを振る。これで演奏が悪かろうはずがない。後世に残る仕事である。収録の2曲は、日本人特有の土着リズムと美意識が見事に表現された傑作。「バラン」の世界を彷彿とさせる。
《サロメ》はお馴染みワイルド原作の濃艶猟奇物語をバレエ化した大作。伊福部の音楽の「まっすぐな」持ち味とは異質に感じられる題材で、さすがにコッテリと官能したたり落ちたりはしないが、ゴツゴツ煽り立てるリズムと音色の野趣が案外妖しく危ない。
「伊福部昭のSF交響ファンタジーか、どれどれ」とCDをスタートさせたら、鳴り出したのはバリバリのトロンボーンによる「ゴジラ」。その後も出るわ出るわ、キングギドラやキングコング。つまるところは、伊福部映画音楽メドレー。イキのいい演奏が楽しい。