発売元 : ビクターエンタテインメント株式会社
歌い殺してやる、といわんばかりの竹原ピストルのヴォーカルが印象的なマキシ・シングル。シンプルなアコースティック・サウンドにのせて密度の濃いぶっきらぼうなメロディが放り出される。YO-KINGあたりに通じる荒っぽさとロマンティシズムの混在が魅力だ。
結成10年を記念した御礼のベスト盤。サーフ・ミュージック永遠の「ミザルー」の新録に始まり、デビュー当時の「ミザルー」で終わるニクイ演出は、図らずもバンドの進化を語っている。同時に、向こう見ずに吹っ飛び、哀愁にも浸る、音楽性の幅も確認できる。
2003年にメジャー・デビューしたレミオロメンのサード・シングル。タイトル曲は結婚した友人へプレゼントした書き下ろしでもある。未来に向かう力強いメッセージを、シンプルなサウンド・アレンジの中で響かせる。その友人、幸せ者だな。
大阪のストリート発、2003年にデビューを果たした新進スカ・バンドのメジャー発シングルは、スカパラのNARGO氏をプロデューサーに迎えたグループ初の歌モノ。底抜けの明るさと強靭なグルーヴ、声を合わせて一所懸命に歌う姿が微笑ましく、いつしか感動に変わる。
携帯電話の着信音楽として人気の高い曲を集めたユニークなクラシックのベスト盤。50曲のサビの部分が次から次へとメドレーのように流れていく。大半は予想通りだったが、ヴェル・レクの「怒りの日」を着信音に使っている人が多いとは、ちょっと驚きだ。
2002年にリリースしたセカンド『ウォールペーパー・フォー・ザ・ソウル』の未発表テイクとシングルのB面曲を中心にした企画盤だ。同発のフェイヴァリット・アーティストの曲を選曲したコンピ盤と合わせて聴くと、彼らのどこか懐かしい音楽性がどこから来たのか理解できる。
南米ボリビアに西洋様式のバロック音楽が遺されていた。列強が覇を外に求めた歴史の落とし子。紹介されているのは17〜18世紀ごろに創られた教会音楽である。一部スペイン語の響きが耳に残るが民族色は希薄。素朴さの残るヴィヴィッドな哀感の調べがなかなかに沁みる。
フラメンコ・ギター、ヴァイオリン、タブラというトリオでオリジナル曲を中心に演奏。情熱的なメロディの(1)は多彩なテクニックを繰り出すギター・ソロも聴きどころ。スタンダードの(7)はタブラの響きが無国籍なムードを醸す。タブラとコーラスがシンクロする(9)は快演。
ラテン・ジャズ〜サルサのピアニストとして活躍する森村が“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”の長老ルベンと共演。そのルベンは本作リリースの約2週間後、帰らぬ人に。でも本作は森村の演奏力、ラテンを核とした幅広い音楽性が多彩に表現された楽しいアルバム。
“やこぜん”と読む北海道出身の男性デュオの、2003年7月から隔月発売となった3枚目のシングル。彼らのハードコア・パンキッシュ・フォークは、たとえアコギとピアノだけでもリスナーの耳にバンド・サウンドを響かせるであろう説得力のある歌声が印象に残る。
ハープやヴァイオリンの黄昏っぽい音色をフィーチャーして、秋のイメージを強調した4曲が並ぶ。「風の恋人」は軽やかなファンクで、彼らのリズムへの造詣の深さとポップなソングライティングがうまく融合。かつてのアクの強さが抜けて、聴きやすくなった印象だ。
フィンランドの様式美メタルの大御所による2部構成作の後半だ。地球と人間の感情の折り合いをテーマにしたコンセプト作だが、スケール感は今一歩。曲単位だと及第点だが、2部構成にするほどには……。バンドの意欲がカラ回りしているのが惜しい。
ユンディ・リが優勝した2000年のショパン・コンクールで第4位に入賞した中国出身のサ・チェンのデビュー・アルバム。音楽が自然で、筋の良さを感じる。現在、ドイツのハノーファー音楽院で学んでいるらしいが、伸び伸びと大きく成長してほしい。