発売元 : ビクターエンタテインメント株式会社
80年11月リリースで、初のLAレコーディング。西海岸の乾いた空気のなかでは、日本の歌手としてはドライな感じの岩崎の歌がウェットに聴こえてしまう。それが逆に効果的な隠し味となって、深みのある作品に仕上がった。筒美京平のピアノも聴きもの。
広瀬香美の人気ナンバー「BEGINNING」を、ニューヨークで活躍中の名プロデューサー、デヴィッド・ダーリントンが様々なヴァージョンへとリミックス。オリジナル楽曲の美味しいテイストだけを残し、ハウスからファンクまでと大胆に変貌させている。
ぐっぴー高橋のベストもの、女の子用。女の子向けなので胸キュンなラヴ・ソングがいろいろ入ってます。(1)のギュンギュンいってるギター・ソロは今剛かな? などと私は男子なので瑣末なことを気にしたりして。アルバムで聴き覚えのある(10)のリアリティがいいわ。
ヒット・シングル、(13)を含む、ラヴ・ソング・ベスト。そうですか、(13)は織田哲郎でしたか。いつのまにかオトナになった、のりピーの歌唱力に感心するものの、全体にフラットな印象なのだ。のりピーの瞳の奥に潜むクールネスと俺の相性が悪いだけなのか?
いかにも古き佳き時代のソレを思わすフレーズ作りやアレンジ法、音色などがCD盤のあちこちで炸裂しながらも、醸し出す感覚はスタイリッシュ。プロデュースは彼らの出身である音楽TV“えびす温泉”で審査員だったOTO氏。これからも期待大!!
今年26歳のドイツの新鋭ショルツ。89年の日本音楽コンクールでは第1位を獲得している。彼女の甘く繊細な音色で奏でられるブラームスは聴くものをうっとりと夢見心地にさせるような、ソフトでロマンティックな雰囲気。非常に味わい深く新鮮な演奏だ。
89年の日本国際音楽コンクールで優勝した、旧東独の新鋭・ショルツのデビュー盤。若手にしては珍しく、思慮深さやしっとりとした落ち着きを感じさせる。技巧的な作品でも、決して技術だけが前面に出てきたりしない。おおらかでソフトな語り口が魅力的。
不屈のパンク・バンド、スタークラブによる、ストレートに社会へのオブジェクションを唄う13曲入りアルバム。“キープ・オン・ゴーイン”こそが彼らのパワーの源、メロコアを寄せつけないリアルタイム・パンクスとしてのプライドが感じられるサウンドだ。
昨年5月に亡くなったジャズ・ギターの名手によるソロ録音。収録曲は彼のオリジナル3曲を除けば、どれもスタンダードの名曲ばかりだ。演奏には全編ガット・ギターが用いられ、ガット弦の響きを生かした端正なギター・プレイに彼の歌心が溢れ、ナイス。
前作がカヴァー集だったため、オリジナルとしては久々の作品。キャリアからすれば、もう超ベテランのはずなのに、デビュー時のみずみずしさと頼りなげな繊細さがまったく変わっていないことに驚かされる。ガール・ポップとは別の次元にいるポップな作品だ。
元気いっぱい路線のファースト作。声の伸びがイマイチだが、ポップ感覚はノリノリだけにアルバム全体を一気に聴かせるパワー有り。アニメ主題歌も多種折り込んでファン待望のCD構成になっている。内ジャケにはロリっぽいフォト満載でこれもたまりません!
非常に淡々とした作品だ。まるで感情というものが一切排除され、数値記号しか見えてこないような無機質に構築された楽曲群は、時には歌声さえも無機質なサウンドの一部と勘違いしてしまいそうなほど。当時の彼らはアンビエント系に傾倒していたということか。
SHAFTへの参加で有名となったPIGことレイモンド・ワッツのニュー・アルバム。「ゴスの流れを受け継いだ暗黒美学の演出」とはライナーの受け売りだが、様々なギミック処理されたヴォーカル/ギターがノイジーな世界を演出している。
前作の延長線上で、聴きどころは多数。マイケル・ラフ作のロマンティックなAORソング(1)、メセニー・グループの『スティル・ライフ』収録曲に歌詞をつけた(2)、ブラジル風味のジャヴァン作(3)と、幅広い選曲で、演奏を含め非常に丁寧に制作されている。
セルジオ・メンデスのところで歌っていたという経歴が示すように、西海岸タッチの爽やかさとブラジリアン・テイストをほどよくブレンドした表現をきかせてくれる女性シンガー。名手参加の上品なディレクションと彼女の“ぽい”声がうまくマッチしている。