ジャンル : 外国の小説
シルビオ・ゲゼルは主著『自由地と自由貨幣による自然的経済秩序』で、時間の経過とともに減価する自由貨幣の思想と理論を展開。本書はその理念を体現すべく唯一の実験、第一次大戦後の超インフレに苦しんだオーストリアのヴェルグルで1932〜33年に取り組まれた運動を詳細に追跡したドキュメントである。
植民地朝鮮・ソウルの下町、清渓川(チョンゲチョン)の川辺に生きる市井の人々を活写する、全五十章の壮大なパノラマ。 精緻な描写で庶民の哀歓を綴った韓国近代文学の金字塔、待望の新装復刊。 清渓川(チョンゲチョン)の川辺という朝鮮人庶民の住む地域を舞台に庶民の群像を描いたこの小説は、その精緻な描写のすばらしさと、その描写を特定の主人公やストーリー無しに坦々と並べた特異なスタイルが注目を浴び、当時の朝鮮文壇に賛否両論を巻き起こした問題作であった。 階層や年齢、性別の異なる多様なモデルを設定し、その所作・言葉遣いや心理を精緻に描き分けたことも、総体としての庶民ー人間を描こうとした朴泰遠の意図によるものではなかったか。 『川辺の風景』に浮かび上がる世界は三〇年代朝鮮社会の見事な縮図、フィクションの形をとった時代の記録であり、ひとつの社会史ともいえる。--「解説」より 【内容目次】 第一章 清渓川(チョンゲチョン)の洗濯場 第二章 理髪所の少年 第三章 田舎から来た子 第四章 不幸せな女人 第五章 慶事 第六章 没落 第七章 閔主事(ミンチュサ)の憂鬱 第八章 選挙と反物屋の主人 第九章 多忙な閔主事(ミンチュサ) 第十章 四月八日 第十一章 哀れな人々 第十二章 少年の哀愁 第十三章 憐れむべき人々 第十四章 虚実 第十五章 或る朝 第十六章 さまよえる処女性 第十七章 洗濯場の問答 第十八章 夕刻に訪れた客 第十九章 母 第二十章 或る日の挿話 第二十一章 彼らの生活設計 第二十二章 終末なき悲劇 第二十三章 長雨の風景 第二十四章 昌洙(チャンス)、故郷に錦を飾る 第二十五章 山高帽子 第二十六章 不運なならず者 第二十七章 女給ハナコ 第二十八章 雨あがりの日 第二十九章 幸福 第三十章 夢 第三十一章 戯画 第三十二章 伍拾円(ウオン) 第三十三章 錦順(クムスニ)の生活 第三十四章 その日の感激 第三十五章 それぞれの日曜日 第三十六章 倶楽部の少年少女 第三十七章 三人 第三十八章 心優しき妻 第三十九章 貫鉄洞(クアンチョルドン)の妾 第四十章 嫁暮らし 第四十一章 若き輩 第四十二章 姜(カン)某の思想 第四十三章 凶夢 第四十四章 距離 第四十五章 閔主事(ミンチュサ)の感傷 第四十六章 槿花(クー…
全米図書賞受賞作! シリア系の両親を持ち、アメリカに生まれた、フットボールを愛する少年カリーム。本当の自分の姿、本当の自分の居場所を探して迷っていた彼は、イスラム教徒入国禁止の大統領令によって家族を引き裂かれてしまう。そのとき、彼が気づいた大切なこととは……。 プレシーズン 試合開始 第一クォーター 第二クォーター 第三クォーター 第四クォーター 延長戦(オーバータイム) 著者あとがき 謝辞 訳者あとがき
「言葉と論拠を使って付き合うことができないので、自分たちの武器を作り、互いにずたずたになるまで撃ち合うんだ」 一部の人たちへの富の集中や科学文明の進歩に関する、ウィリアムの言動は、現代にも通じる問題を示唆している。情景や人物の描写がかなり細かく、そして少しユーモアを持って描かれている。 (訳者より)
暴走した電子ネットワークは超自然の領域と接続され、 古のニンジャソウルが人々を超人化させる現象が多発。 さらにはセト、明智光秀、ブラド・ツェペシュ…… 半神的存在であったリアルニンジャ達が眠りから目覚め、 古事記に予言されし最終戦争の刻が到来せんとしていた。 謎めいたニンジャ「サツガイ」の手で幼馴染を殺され、 自らも致命傷を負った青年「マスラダ・カイ」は、 太古の邪悪「ナラク・ニンジャ」のソウルを憑依させ、 復讐の戦士「ニンジャスレイヤー」として蘇る。 同じ頃、先代「ニンジャスレイヤー」フジキド・ケンジは、 国際探偵として異国の地を巡り、新たな戦いに身を投じていた。 ニンジャスレイヤー新章 「エイジ・オブ・マッポーカリプス」開幕! 巻末収録のニンジャ名鑑フルカラー版PDFがダウンロードできる特典付き! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ◆購入特典◆ ニンジャ名鑑フルカラー版 ●DL期限は2028/12/31までとなります。 ●PC・スマートフォン対象(一部機種は対象外)。 ●端末やOSによっては、PDFファイルを開くためのアプリが別途必要になる場合があります。なお、必要なアプリのインストール方法等については、お客様の環境によって異なるため個別にご案内できません。 ●かならず通信状態がよい場所でDLしてください。 ●DLに際し発生する通信料はお客様の負担となります。 ●第三者やSNS等での公開・配布は固くお断りいたします。 ●システム等のやむを得ない事情により、予告なく公開を終了する場合があります。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ジェイミー、アンナ、“隠者"。 三人が、ぼくの子ども時代のすべてだった。 追憶と現在のあわいに浮かぶ哀惜と郷愁。 早熟の天才と謳われた著者が 小説の構造美を磨きあげた畢生の大作 解説・川出正樹 キャリアの絶頂にある画家のアレックスはこれまでの集大成となるロンドンでの展覧会を前に、幼少期を過ごした自宅を売却するため、数十年ぶりにイタリアの小さな町を再訪する。彼は幼き日に、この自然豊かな田園地帯を親友のジェイミーと年上の少女アンナとともに探検した。アレックスの記憶の断片は、三人を理解不能なまでに深く結びつけた輝かしい日々をよみがえらせる──そしてすべてを決定づけた、廃教会で傷ついた“隠者”と出会った運命の日のことも。 追憶と現在が交錯し、そのあわいに息を呑むほど美しく残酷な物語が浮かびあがる。きらめくような愛惜と心震わせる郷愁が描き出す、早熟の天才と謳われた著者が小説の構造美を磨きあげて贈る円熟の傑作。解説=川出正樹
「この世界はおろか、 私の想像できるどの世界の道徳規範をも超越していた」 兄を探してほしいと、若い娘に依頼されたマーロウは、訪れる先々で死体と遭遇する。 やがて、ハリウッドの闇の渦中へ…。 複雑なプロット、緊迫した会話、そしてチャンドラーならではの結末。心の揺らぎが湧きあがる。 マーロウもの第五作目の長編を新訳でお届けします。 より具体的に作品を楽しんでもらうために、登場人物たちの邸宅の見取り図などの挿し絵が掲載されています。
第一次世界大戦終結の翌年、フランスの地方都市にある軍の営倉には戦争中に殊勲を立ててレジオン・ドヌール勲章を受けた元兵士が一人だけ収容されていている。その外の広場ではこの兵士の飼い犬がひっきりなしに吠え続けている。元兵士はある違法行為を犯しており、その予審のために訪れた軍判事が判決案を策定すべく、本人、その恋人、町の住民らから情報を集めていく過程で、その行為の詳細と理由、犬の果たした役割が明らかになる……。戦争と個人、人間と動物の関係を問う、ゴンクール賞受賞のベストセラー作家による中編小説。 赤い首輪 訳者あとがき
〈大広場〉(グレート・フィールド)と呼ばれるキャンプ場に訪れた語り手兼主人公「僕」を通して、そこに到着した様々な人々の出会いと事件を語った中編小説。入れ替わり立ち替わりやってくる諸集団に翻弄された「僕」を含むキャンプ場の住人たちの趨勢を描いた寓話的物語。 グレート・フィールド年代記 訳者あとがき
キスなんてしなければよかった。 5年間もあなたを想って苦しむなら。 18歳になる直前、ステラは独裁的な父親から倍も年上の男性と 結婚するよう強いられたのを機に家を出て、スイスへ逃れた。 山麓のシャレーでメイドとして働き始めたある夜、トラブルに 巻きこまれた彼女は、間一髪でギリシア富豪アトラスに救われる。 なんて素敵な人! まだ恋さえ知らないステラを金色の瞳で虜にし、 キスの味を教え、美麗な笑みを残してアトラスは去っていった。 5年後。パパラッチの襲撃に悩んでいたステラは、再びアトラスに 助けられて舞い上がるが、その直後、彼の言葉に思わず耳を疑った。 「愛など無力だ。だが僕らの結婚には……お互いメリットがある」 これはプロポーズ? 愛されてもいないのに花嫁になれというの? 白馬の王子のごとく現れたヒーローに二度救われ、運命を信じて、花嫁となったヒロイン。しかし虚しさは埋めようもなく、泣く泣く実家へ戻りますが、父親に暴行され怪我をしてしまい……。三度目の彼女の窮地を、ヒーローは救いに来てくれるのでしょうか?
一緒に子供を育てる。 それだけのことがとてもむずかしくて。 タビサは具合が悪く、病院に向かおうとしていた。 家を出た彼女は、ギリシア富豪アリスティデスを見つけて驚いた。 純潔を捧げた私を金めあての女とののしった彼がなぜここに? 「君が大丈夫かどうか知りたい」と富豪は言った。 タビサは思わず口走った。「妊娠してからずっと気持ちが悪いのに?」 するとアリスティデスはタビサのおなかの子を自分の子だと察し、 彼女を優秀な産科医に診せた。ひどい悪阻は双子の妊娠が原因だった。 そして彼はタビサをギリシアへ連れていき、家族に引き合わせた。 彼女はまだ知らなかった。富豪が双子とタビサを手放さないために、 どんな手段を使っても彼女の指に指輪をはめるつもりでいることを。 ヒロインはおなかの子のためを考え、祖父母となるヒーローの両親に会いに行くことを承知します。だがそこには彼の元恋人だという美女がいて、「私こそ彼の人生最愛の女」と言われてしまい……。ミニシリーズ〈双子の花嫁の身代わり婚〉、待望の第2作です!
まさか平凡な学生の私を、 白馬の王子が迎えに来るなんて……。 4歳のときに養父母に預けられ、純真無垢に育ったブライアは、 ある日、街ででくわしたハンサムな男性に一瞬で心を奪われた。 近づいてきた彼に話しかけられ、驚いて車道に飛びだしてしまい、 ブライアは車にはねられて、そのまま気を失ってしまう。 キスをされて彼女が目覚めると、そこは病院のベッドだった。 傍らに先ほどの彼がいて、サンタミラグロ国の皇太子フェリペだと 名乗り、驚きの真実を語りだした。ブライアの実父は隣国の王で、 彼女は王女だというのだ。「きみは生まれたときから僕の許婚になると 決まっていた」フェリペは呆然とするブライアを胸にかき抱き、 蠱惑的な笑みを浮かべて、抗う彼女を強引に祖国へと連れ去った。 『闇の王子と清らな愛人』に続く、王家を舞台に繰り広げられる濃密でドラマティックなロマンスをお楽しみください。今作のテーマは人気の“シンデレラの出自”。4歳で生き別れた両親と20年ぶりに対面を果たす王女ヒロインに思わず涙を誘われます。
奥手な彼女が恋したのは、 顔も知らない謎めいた文通相手。 植物研究所で働くエマは、胸を躍らせイギリスに降り立った。 名門貴族ブライス・パリサー伯爵が所有する庭園で、 研究に必要な薬草を採取することになっていた。 だがじつは、もうひとつ密かに楽しみにしていることがあった。 この2年ほど文通を続けている写真家の男性と初めて会うのだ。 彼は伯爵の庭園を紹介してくれた恩人。どんな人なのかしら? 現れた緑の瞳の洗練された紳士にエマは陶然となり、別れ際には まるで引き寄せられるようにキスを交わしてしまう。 エマは夢にも思わなかった──まさかブライス・パリサー伯爵が、 彼女の文通相手に成りすましているなどとは。 ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストにも入った実力派作家エリザベス・ハービソンの、クラシカルな王道ロマンス! 閉鎖的な貴族社会に辟易していたヒーローは身分を偽り、ヒロインと束の間の関係を楽しむつもりでしたが、本物の恋に落ちて……。
王子が要求した愛なき結婚は、 提案ではなく、通告だったーー! おなかの子について親子鑑定を要求され、看護師シェイは傷ついた。 数カ月前に出張先のハワイでイタリア人外科医ダンテと結ばれて以来、 ほかの誰とも特別な関係になったことなんてないのに。 今、シェイはダンテの下で3カ月だけ働くためにイタリアへやってきて、 再会してすぐに、彼の子を宿していることを告げたのだーー 彼には知る権利があると思ったから。なのに、誰の子か疑うなんて……。 あなたに何かを要求する気はないと言うシェイに、ダンテが告げた。 「要求するのはこちらだ。もし僕が父親なら、僕たちは結婚する」 驚くシェイに向かって、彼はさらなる驚愕の事実を口にした! 「僕は王子なんだ。君のおなかの子はロイヤル・ベビーかもしれない」 イタリア旧王族であるダンテは35歳になる前に結婚して跡継ぎを作る必要がありました。子供に自分の姓を与えること、結婚は1年後に解消するが親権は保持することを条件として、シェイに愛なき求婚をします。そんな彼を愛さないと誓うシェイでしたが……。
働き者のイギリス娘につらく当たる、 傲慢な名士の真意は……? 双子の妹が家出して以来、独りで祖母を手伝ってきたジョアンナ。 21歳になった今、祖母が農場を手放したのを機に、 妹に呼び寄せられてイギリスの田舎町からシドニーへ飛んだ。 ところが行ってみると、勝手気ままな妹は異国へ旅立っていた。 後を追う旅費も住む家もなく途方に暮れたジョアンナは、 名門コレイン家の屋敷での住み込み家政婦の求人に応募した。 けれど長身でたくましく無骨な家長アダムはジョアンナの採用を渋り、 色白で華奢な彼女を見くびって家政婦の仕事は無理だと決めつけた。 負けじとジョアンナはなんとか2週間の試用期間を勝ち取ったが、 アダムは彼女を追い出したくてたまらないかのように意地悪で……。 まるで詩のように美麗な文章を紡いでロマンスファンを魅了した、不世出の作家ヴァイオレット・ウィンズピア。本作は、荒々しくも魅力的な傲慢ヒーローと、一見、妹に比べて内気で冴えない“日陰の姉”ながら芯が強く情熱的なヒロインの美しい恋物語です。
靴を片方なくした秘書。 それを拾ってくれるのは……。 「君は母を見失ったのか! 長旅を終えたばかりの老婦人を!」 怒り狂う社長リードを前に、ダーシィは言葉もなく身をすくませた。 敏腕実業家の彼に秘書として雇われて7カ月、 ダーシィは今日、ロンドンを訪れた彼の母親を迎えに行った。 空港で会えたまではよかったが、オフィスに戻ってくる途中、 ちょっと目を離したすきに、老婦人は忽然と消えてしまったのだ。 絶望的だわ……彼の信頼を失ってしまったんだもの。 これまで密かに抱いていた彼への想いも、もう叶わない。 ダーシィは悲しみをこらえて、くびを言い渡される瞬間を待ったーー まさか、恋人のふりをしてリードの実家へ行くことになるとも思わず。 英国女王も認めた大作家の名作を厳選してお届けする《キャロル・モーティマー・コレクション》。本作は、少しおっちょこちょいな秘書ヒロインと、鷹のように威圧感たっぷりだけれど魅力的なボスヒーローの物語。『赤毛のアン』がお好きな方におすすめです!
夫への秘めた恋心が募るほど、 愛なき結婚のひずみがつらくて……。 生後まもない赤ん坊を置いて、姉が家を出ていった。 すでに両親もいないキャロラインは、家計が苦しいなか、 ただひたすらその子に愛情をそそいで育てていた。 半年後、赤ん坊の父親のいとこだという、 黒い瞳のイタリア大富豪ドメニコ・ヴィカーリが突然現れる。 驚くことに、赤ん坊の父親は亡くなったと彼は言い、 キャロラインを赤ん坊の母親と勘違いして、 その子を引き取るから結婚しようと申し出た! 母親ではないと知られたら、きっとこの子から引き離されてしまうーー 悩んだ末、キャロラインは姉になりすまし、プロポーズを受け入れた。 登場人物たちが織りなすあや、そして絶妙な台詞に定評があるマーガレット・ロームの1960年代の名作です。ドメニコとの愛なき結婚に踏みきるキャロラインですが、彼に優しくされるたび、夫への密かな恋心と、なりすましの罪悪感とに引き裂かれそうになり……。
花嫁の労働で荒れた手を見て、 傲慢公爵の心が変わり……。 本来レディの身分でありながら下働きをして一家を支えるミランダ。 ある日、哀れな娘の身を案じた親たちの使いで、 ミランダはさる公爵家の豪壮な屋敷へやってきた。 じつのところ、親たちは一家の“過去”をひた隠しにしたまま、 娘にはまともな結婚をさせてやりたいとミランダを送り出したのだった。 屋敷に着くと、悪名高き放蕩公爵マーカスとその弟に迎えられる。 漆黒の髪に嵐のような灰色の瞳のマーカスは気難しく不機嫌な様子だ。 こんなみすぼらしい身なりの娘なんて今にも放り出したいでしょうね……。 覚悟したミランダだったが、彼が弟に唆されて発した言葉に驚愕する! 「レディ・ミランダ、私と結婚してくれないか?」 男性だけの屋敷でミランダが夜を明かせば醜聞は免れないと、義務感から求婚したマーカス。結婚後も相変わらず思いやりのない態度をとり、新妻ミランダを絶望と疲労のあまり気絶させてしまいます。介抱した彼は、彼女の労働で荒れた働き者の手に気づいて……。
怪奇文学の名作『怪談』を、原文の英語で堪能しよう! ギリシャ生まれで後に日本に帰化した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の代表作『KWAIDAN(怪談)』は、1904年にアメリカで出版されました。 八雲の妻である小泉セツから聞いた日本各地の古い民話や幽霊話などを基に、独自の解釈を加えて文学作品として英語で書き上げた『KWAIDAN』には、17編の物語作品と3編のエッセイをあわせた20編が収められています。 本書では、日本人に馴染み深い怪談である「耳なし芳一」や「ろくろ首」「雪女」をはじめ、原書の20編が全て原文のままの英語で楽しめます。
翻訳がひらいたペルシア文学の新たな地平 イラン立憲革命(1905-11)によって初めて憲法が制定され、王政から立憲君主制に移行したイラン。この時期のイランの近代化/西欧化の過程において重要な役割を果たしたのが、西欧文学の翻訳や翻案(創作的要素を含む翻訳)である。検閲下のイラン立憲革命期、これらの作品は亡命/移住した知識人によって国外で出版され、「立憲革命文学」の一つとしてイランの人々の改革への気概を高めた。本書では、イラン立憲革命期の歴史的・社会的背景および文学史を俯瞰した上で、代表的な翻案文学3作品『エスファハーンのハージーバーバーの冒険』(1905)、『72派の宗教談義』(1894)、『アフマドの書』(1893, 1894, 1906)を詳細に分析。イラン文学の近代化の過程を辿るとともに、イランにおける翻訳や翻案の特異性に光を当てる。言語的・文化的転換点としての近現代翻訳・翻案文学作品に注目し、ペルシア文学研究に新たな示唆を与える革新的な研究書。 序章 本書の視座と構成 第1章 イラン立憲革命とペルシア文学 1. 19 世紀ガージャール朝ペルシアの歴史概要 2. ペルシア文学史の概要と文学の近代化 3. 翻訳と翻案 第2章 当時の言論状況と3作品の概要 1. 立憲革命期前夜のイランの出版状況:検閲、出版、新聞、国内外の知識人たち 2. 3作品の構成およびあらすじ 2-1.『エスファハーンのハージーバーバーの冒険』構成とあらすじ 2-2.『72 派の宗教談義』構成とあらすじ 2-3.『アフマドの書』構成とあらすじ 第3章 『 エスファハーンのハージーバーバーの冒険』(1905) 1. 先行研究と作品への評価 2. ミールザー・ハビーブ・エスファハーニーの生涯と作品 3. 作品の原作と背景 4.『 エスファハーンのハージーバーバーの冒険』解題 4-1. 専制政治に対する抵抗の鼓舞 4-2. 実在した人物への批判 4-3. 役人の悪行 4-4. 西欧人の外見を論う表現 4-5. 役人の外見を論う表現 4-6. 西欧医学に対する忌避感 4-7. 公文書における誇張、改変 4-8. イスラームに対する批判的な姿勢と宗教的不寛容への批判 4-9. 宗教的儀礼に対する皮肉 4-10. 隣国との比較 5. 小結 第4章 『72 派の宗教談義』(1894) 1. 先行研究 2. ミールザー・アーガーハーン・ケルマーニーの生涯と作品 3. 作品の原作と背景 4. ガージャール朝時代の宗教的混乱 5.『72派の宗教談義』解題 5-1. 宗派間の論争に対する批判 5-2. 狂信に対する批判的態度 5-3. 2人の理想的知識人 6. 小結 第5章 『アフマドの書』(1893,1894,1906) 1. 先行研究と作品への評価 2. アブドゥルラヒーム・ターレボフの生涯と作品 3.『アフマドの書』成立の背景:その出版および『エミール』、『なぜこうなるのかー自然学と天文学の簡単な話ー』との関係 4.『アフマドの書』解題 4-1. ターレボフの歴史観:イラン民族主義的姿勢 4-2. 迷信とペルシア文字の現状についての批判 4-3. 理想的未来像 5. 小結 終章 翻訳と創作の隙間地 参考文献・あとがき・人名索引・事項索引