制作・出演 : ラヴェル
「左手」冒頭のバスの蠢きから実にクリアで、エマールのアルペッジョや、裏で聴かせる弦のグリッサンドの綾など、どこをとってもとにかく緻密。この手のアプローチはたいてい木を見て森が見えなくなってしまうものだが、そうならないのが彼らのスゴさだ。「鏡」では、書法と響とが絶妙なバランスで現前する。★
天才ピアニスト、フランソワの不朽の名作として名高い名盤をHQCD化。クリュイタンスが、感興に富んだ精妙な音楽を創出している。フランスを代表するメンバーの香気にあふれたラヴェルを楽しめる。
ラトルがバーミンガム市響と最も充実した演奏を繰り広げていたころの録音で、このころから録音面でレパートリーの広がりをみせてきた。超有名曲を取り上げているが、豊かな感興に満ちた演奏を聴かせている。
ドイツを拠点に活動する若き才媛の日本でのライヴ録音。ラヴェル3作品を中核に置くという大胆果敢なプログラムながら、精緻でスキのない音の運びと、艶を含んで透明感のある音色で耳をひきつけ、才の高さを印象づける。清冽で引き締まった抒情があざやかだ。
ラヴェルでは特に「道化師〜」が良く、リズムが冴えている。歌曲の伴奏はやや地味だが、グラハムの深みのある歌声はさすがである。メインのブラームスは非常にきっちりとした表現。ひたすら作品に忠実であろうとする小澤の真摯な態度がにじみ出ている。
得意とするフランス音楽に、師である平吉毅州の作品を合わせたアルバム。光彩豊かなピアノの音が作品の魅力をよく引き出している。デュオ演奏の「スペイン狂詩曲」やルトスワフスキはメリハリも利いて、聴き応えも十分だ。ただし、残響過多の録音(一部を除く)は歓迎しない。
弾き振りが楽しめる「ピアノ協奏曲ト長調」、マリリン・ホーンの名唱が感動的な「シェエラザード」などが注目の、バーンスタインの名演集。フランチェスカッティの洒脱な演奏が魅力の「ツィガーヌ」も聴きどころだ。
チョン・ミュンフンのフランス国立放送フィルの首席指揮者時代の音源。曲の色彩感を引き出すテクニックに卓越したチョンの本領発揮となる録音で、彼の自在なタクトに導かれたオーケストラも、鮮やかで多彩な色合いを表現している。
ほのかな温もりさえ感じさせる叙情的なラヴェルである。研ぎ澄まされた硬質の響きとは対極の演奏と言って良い。豊かな音楽が満ちあふれる「水の戯れ」などまさに絶品。こうした演奏姿勢は「夜のガスパール」のような難曲でも変わらず、表情はあくまでもしなやかだ。
スキッと明晰、かつ計算づくのラヴェルの音楽。それと坂本龍一の音楽に、ある種の同一性を感じる人は多いかもしれない。そのラヴェルへの思い入れを坂本が、時に専門的に、時に音楽ファンのごとく語る。対談も選曲も演奏の選択も、ことごとく興味深い。