小説むすび | 2024年9月発売

2024年9月発売

原田康子の挽歌原田康子の挽歌

著者

南富鎭

出版社

作品社

発売日

2024年9月18日 発売

北海道文学の神髄と始原が明らかになる。 《挽歌》とは誰の死を悼むものだろうか。 原田康子文学を「喪失の文学」「喪の文学」として捉えつつ、《挽歌》の歴史的な意義を明らかにし、喪失と成熟の枠組みから北海道文学の新たな構築を試みる。 はたして北海道文学は可能であろうか。 序章 終焉と出発、喪失と成熟  第1節 問題提起  第2節 札幌をめぐる二つの風景 第1章 原田文学の誕生と形成  第1節 原田康子の習作期  第2節 初期作品の特徴ーー原田文学の出発、『北方文芸』の三作  第3節 習作期、初期、風土性 第2章 喪失の時代  第1節 『北海文学』の諸作  第2節 短編集『サビタの記憶』--『挽歌』の協和音 第3章 挽歌四部作  第1節 『廃園』--庭の荒廃、希死観念、廃墟の跡  第2節 『挽歌』--戦後風景、喪の儀式、新旧の交替  第3節 『輪唱』--血筋、疑似家族、高台の終焉  第4節 『病める丘』--丘の病、旧時代の終焉、丘の終焉 第4章 喪失の果て  第1節 『殺人者』、『素直な容疑者』、『満月』--推理小説、幻想小説  第2節 『望郷』、『北の森』、『星から来た』、『日曜日の白い雲』--病の深化  第3節 『虹』、『星の岬』--虹の象徴性、星の隠喩 第5章 喪の終焉、自己史の再構築  第1節 『聖母の鏡』--自我像の鏡化、再生への芽生え  第2節 『海霧』--過去記憶、原点回帰、癒しの到来 終章 喪の文学、北海道文学の始源 あとがき/索引

日中競作唐代SFアンソロジー 長安ラッパー李白日中競作唐代SFアンソロジー 長安ラッパー李白

豪華絢爛、大唐帝国を魔改造せよーーラッパー李白が、怪獣パンダが、キチン質の李世民が、空海が、三蔵法師が大暴れ! 日本と中国の8作家が織り成す、国境を越えた奇跡のアンソロジー 「本書の目玉はもう一つ。中国と日本のSF作家による競作にチャレンジしたことである。本格的な日中競作のSFアンソロジーが日本で出版されるのは今回が初めてと思われる。日本の作家に唐代SFが書けるのか。そんな心配は無用だ。(中略)この先には激動の歴史と数多の物語、そして現在と未来を燃料に、新しい世界に到達した珠玉の唐代SFが待っている。ぜひページをめくって、編者が自信を持ってお勧めする八作を堪能してほしい。」(「序」より) 【目次】  序 大恵和実 「西域神怪録異聞」灰都とおり 「腐草為蛍」円城塔 「大空の鷹ーー貞観航空隊の栄光」祝佳音(林久之 訳) 「長安ラッパー李白」李夏(大久保洋子 訳) 「破竹」梁清散(大恵和実 訳) 「仮名の児」十三不塔 「楽游原」羽南音(大恵和実 訳) 「シン・魚玄機」立原透耶  編者解説「八岐の園そぞろ歩き」 大恵和実

またうどまたうど

著者

村木嵐

出版社

幻冬舎

発売日

2024年9月19日 発売

●山陰中央新報(2024年10月12日付)書評掲載(評者:新藤正春[山陰中央新報報道部]) ●東京新聞・中日新聞(2024年10月20日付)書評掲載(評者:細谷正充[書評家]) ●小説すばる(2024年11月号)書評掲載(評者:大矢博子[書評家]) ●日本経済新聞夕刊(2024年10月24日付)書評掲載(評者:東えりか[書評家]) 全てを奪われても、志を奪うことは誰にもできない。 いつか必ず、次の一里を行く者がある。 「この者は、〈またうど〉の者なりーー」 徳川家重の言葉を生涯大切にし続けた老中・田沼意次。 彼は本当に、賄賂にまみれた悪徳政治家だったのか? 【またうど】愚直なまでに正直なまことの者 全てを奪われても、志を奪うことは誰にもできない。 いつか必ず、次の一里を行く者がある。 財源としての年貢が限界を迎え、江戸税制の改革者として商人にも課税。 身分の低い者も実力さえあれば抜擢し、交易に役立つ俵物のため蝦夷地開発を決定。 前例や格式にとらわれず、卓見と奮迅の働きで日の本を支えた田沼意次は、 なぜ突如老中を罷免され領地を失ったのかーー。

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