「詩三百,思い邪(よこしま)なし」とは孔子の言葉だが,この中国最古の古典詩集を体系的な古代学の視野から,いにしえ人の歌謡として素直にとらえなおした斬新な口語訳と注釈。
文章と徳行,貧窮と栄達,友人との交わり,人を見る目,博学のすすめ,酒のいましめ,などなど,中世中国の生活の知恵が縦横に語られる本書は,処世術の一大宝庫でもある。別に「内篇」を本文庫(512)に収める。第1巻は,巻一から巻三十まで。