2024年2月発売
最高に幸せなはずだった25歳の誕生日、 私は世界でいちばん不幸な花嫁だった。 教師のレベッカはイタリアでいちばんの独身富豪エンツォに 出会った日から熱烈に迫られ、薔薇色の日々を送っていた。 しかしフィレンツェの大聖堂で結婚式をあげる直前、 エンツォの本当の目的が彼女の祖父の遺産にあったのを知る。 いいえ、あのやさしくて完璧な紳士の彼が私をだますわけがない。 私はこの日のためにイギリスの家を引き払い、仕事も辞めたのだ。 レベッカはウエディングドレス姿で泣きながら本当なのかときいた。 だが、彼は「君への気持ちに嘘はなかった」と繰り返すばかり。 しかもすべてを知られたあとも、レベッカを手放そうとはせず……。 大スター作家S・ケンドリックに迫る勢いで実力をめきめきとつけているスター作家M・スマート。偽りの愛とわかったのに、彼との幸せだった数カ月を否定できないヒロインが最後にする選択は? 最悪の状況から始まる、最高の愛の行方を見届けてください!
愛を拒まれた惨めなシンデレラは、 本当に幸せになれるの? 理学療法士のダイアナは、謎めいた依頼を受けた。 イギリスの古城に隠遁する億万長者のもとで、住み込みの仕事が あるという。雇用期間は無期限。リハビリの報酬は破格だが、 守秘義務は絶対厳守──気難しいご老人なのかしら? 訝しみながらも彼女は受諾する。薄暗い城内に足を踏み入れると、 冷たい声が響いた。「きみで4人目。2人目は2日でくびにした」 氷河のような目の若き城主エドワードが、彼女を睨みつけていた。 それでもダイアナは心身ともに傷ついた彼に寄り添い続け、 やがてそれは熱い恋心へと変わっていく。そしてついにある夜、 エドワードの誘惑に抗えず、純潔を捧げてしまうことに……。 大人気作家ジェニー・ルーカスが描く、身分違いの二人がすれ違いを乗り越えて結ばれるドラマティックな純愛ロマンス! 大スター作家リン・グレアムも太鼓判の王道作です。ヒロインの妊娠を知ったヒーローの、隠しきれないメロメロな姿にご注目ください。
これは一夜かぎりの夢ーー明日になれば、 愛しいボスはまた、氷の仮面をつける。 大切な書類を忘れるなんて、ボスらしくないわ。 ルーカスの忠実な秘書エマは不思議に思いながら、 吹雪のなか、ボスが滞在する古城へと車を走らせた。 だが、そこにはアルコールに溺れる彼の姿があった。 「すぐにここから出ていけ」罵声を浴びて胸騒ぎを覚えた。 そういえば、去年の同じ日もボスはオフィスで泥酔して……。 これは偶然なの? それとも何か理由があってのこと? エマは放っておけなくなり、彼に付き添うことに決めた。 ボスと秘書ーーその一線を越えることになるとは夢にも思わず。 スター作家サラ・モーガンのボス&秘書もの! 幼い弟を育てるヒロインはボスへの想いを隠してきましたが、ある夜、ボスの傲慢な仮面が剥がれて……? 品位あるロマンスが得意な大スター作家、レベッカ・ウインターズが好きなあなたに特におすすめします。
飛べなくなった白鳥は、 地上のアドニスに恋をした。 生まれたときに母を亡くしたソフィアは祖父母に引き取られ、 父は死んだと聞かされて、愛のない家庭で育った。 そんななか生きがいとなったのはバレエだったが、 不幸にも交通事故に遭い、右脚の負傷で夢をあきらめた。 けれど今では美術の道に進み、ギリシア大富豪ルーカス・アリティが 名付け親から相続したコレクションの鑑定をするまでになった。 黒髪と黒い瞳を持つ長身の彼は人を寄せつけない雰囲気だが魅力的で、 同じく幼い頃に両親を亡くした者同士慰め合うように一夜を共に。 ところがその後、思ってもみなかった血縁が判明するーー ルーカスの屋敷に眠っていた古い写真から、なんとソフィアの父親が……。 新作家スザンヌ・マーチャントの日本デビュー作! 誰からも愛されずにつらい人生を歩んできたヒロインは、頼れるのは自分だけということを学んできました。逆境にもめげず前向きに生きてきた彼女は、ヒーローとの出逢いによって幸せになれるのでしょうか?
炎のキスを消し去る、氷の真実。 なのに、おなかには小さな命が……。 仕事で全国各地を回ることになった広報のローレン。 壮行パーティーで、同行者として大富豪マイケルを紹介され、 長身で上品な身なりをした彼に一目惚れしてしまう。 でも、なぜ初対面の私を値踏みするように見つめてくるのかしら? そんな小さな疑問は、強引に誘われて彼とダンスを踊るうちに消え、 情熱に火がついた勢いのままに、気づけば彼のベッドで朝を迎えていた。 だが甘い余韻に浸っていられたのも、ほんのつかの間だったーー じつは彼はかつてローレンの同僚と結婚していて、 彼女が妻をそそのかしたのが離婚原因だと思っているらしいのだ! この出逢いは仕返しの罠? 傷ついたローレンはやがて妊娠に気づき……。 ときに傲慢なヒーローを描きながらも最後にはほろりとさせ、幸せな読後感をくれるスター作家、エマ・ダーシーの名作です。誤解からすれ違う二人ですが、ヒーローがヒロインの心を取り戻すために献身的に尽くす姿が本作の読みどころ。ぜひお楽しみください!
純な乙女が情熱を、そして、愛を知り……。 シークレットベビーほか濃厚な短編集! 押しも押されもせぬ大スター作家ダイアナ・パーマーを筆頭に北米ロマンス界に燦然と輝く大人気作家が描いた、シークレットベビーあり、予期せぬ妊娠や華麗なる変身ありの豪華短編集です!
彼の瞳も、唇も、私を嫌っている。 そう思っていたけれど……。 小児病棟の看護師長で働き者のアニスは、心機一転したくて、 ノルウェーの北の果ての島に暮らす弟の誘いに応じることにした。 そこで働いていた料理人兼看護師の代わりを務めてほしいというのだ。 弟の仕事仲間たちはアニスを大歓迎してくれたが、 一緒に働く医師ヤーケ・ファン・ヘルメルトだけは、 無愛想でそっけなく、アニスとはろくに言葉を交わそうともしない。 初対面のときから彼の瞳は冷たく、声には嘲りのような響きがあった。 こめかみに白いものがまざってはいても、整った顔だちはすてきなのに。 しかたがないわ。無関心を装うアニスはまだ気づいていなかったーー ヤーケこそが、彼女が心から夢中になれる男性だということに。 白夜の国ノルウェーを舞台に、唯一無二の作家ベティ・ニールズが揺れ動く恋心を描いた名作をお贈りします。北欧の厳しい自然にも似た、大柄でがっしりしたヤーケの黒い瞳は氷のようで、口元も険しい……。そんな彼の心情を想像しながら読む楽しさは格別です。
ミシェル・リード自身が好きな作品、第2弾! 愛だけでは、乗り越えられないものがあるーー エヴィの恋人の名はシーク・ラシード。 いずれ一国を統治し、一族の女性を妻にする定めを負った、 見惚れるほど美しいアラブのプリンスだ。 ラシードの立場を慮り、エヴィは彼の子を身ごもっていることを 打ち明けられずにいたが、とうとう心を決めた。 いつものように抱き合い、甘美なひとときを過ごしーー 妊娠したことを告げると、ラシードは冷たいまなざしで言った。 「赤ん坊は僕の子か」 そう突き放され、拠り所を失ったエヴィは青ざめた。 しかも追い打ちをかけるように、彼の婚約を知らされ……。 大作家ミシェル・リードは本作について、「はじめからヒーローとヒロインが惹かれ合っているので、その後の展開を描くのが難しかったけれど、とても“やりがい”を感じた作品」と語っています。立ちはだかる難関を、二人は愛で乗り越えられるのでしょうか?
エリス・ラースはラース侯爵家の令嬢。特に秀でた事もなく、特別に美しいわけでもなく、侯爵家としての家格もさほど高くない、どこにでもいる平凡な令嬢である。 ……表向きは。 狂犬執事も、双子の侍女と侍従も、魔法省の副長官も、みんなエリスに忠誠を誓っている。一体なぜ? エリス・ラースは何者なのか? これは、平凡(に憧れる)令嬢の、平凡からはかけ離れた日常の物語。
リア、大好きっ!! 義弟(5歳)がかわいいので、領地改革がんばります! 旦那様? 知りません 病床に伏せっている父親の断っての願いとあって、侯爵令嬢のエミリアは、カレン辺境伯の長男マティアスとの政略結婚を不本意ながら受け入れることにした。 それから二人の結婚式が行われることになったが、夫となるマティアスは国境防衛のため結婚式に出ることができず、エミリアはマティアスの代理人と結婚式を挙げ、夫の領地であるヴァンロージアに赴くことに。 望まぬ結婚とはいえ、エミリアは夫の留守を守る女主人、夫に代わって積極的に領地改革を進めたところ、予想外に改革が成功し、充実した日々を過ごしていた。 しかし、そんなある日、顔も知らない夫がとうとう帰還してきた……。 はたして、二人の関係は……?
この一冊には作者の現在がよく表れていて興味が尽きない。一途な恋に燃えた若き日の甘美な回想、七十五歳、初めて体験した入院生活から得た、自分を含めた様々な人間的発見、そして女学校の庭園に住みついた亀の物語。読者は語り手としての亀に驚くが、この亀こそは作者の思想の代弁者、もう一つの自画像に他ならないだろう。(文芸評論家 勝又 浩) 華やぎと哀しみと マイ レスト タイム オレの歳月 ─親愛なる人間たちへ あとがき 初出一覧
契約を切られた崖っぷちデザイナー × 毀誉褒貶激しい天才装丁家 最強パートナー爆誕⁈ ひょんなことから天才装丁家・桐生青の元で働くことになった駆け出しのブックデザイナー・赤池めぐみ。10代の頃からセンスあふれる装丁を手掛け、業界でも注目されていた青のことを、めぐみはずっと憧れていた。青の元で働ける、と張り切って出社しためぐみは、1日目から夢破れる。職場にはパソコンも机もない。与えられた仕事は電話番。編集者からの催促をうまく受け流す事だった。ほんとに自分はここでやっていけるのだろうか、と不安に思うめぐみは、やがて自分が雇われた本当の理由を知るのだが……。育ってきた環境も性格も異なる二人は果たしてうまくいくのか? デザイン事務所の先行きは? 『書店ガール』シリーズ著者が贈る 令和版お仕事バディ小説
春高バレーの予選まであと数日。主人公の宮下景が所属する明鹿高校男子バレー部は、6月のインターハイ予選で初めて県の準決勝まで進んだ。チームを引っ張るのは、同学年の2年生エースの置久遊晴。「いまのチームなら全国も目指せる」と、3年生3人が引退をせずにチームに残り、景、梅太郎、マリオらのレギュラーメンバーで、夏に敗れた全国常連の強豪校・稲村東と戦うことになるはずだった。 けれど……あの時、ネット越しに見えた相手の顔はよく覚えている。まずい、と思ったときにはすでに体勢が崩れ、足首から下が、ぐにゃりと曲がっていた。勝負の稲村東戦へ代わりに出場にすることになったのは、中学時代からのクラスメイト北村。実は大会後、北村が退部届を出すつもりでいたことを、景だけは知っている。だからこそ「勝手にしてくれ」と思ってしまった。そしてあの日から、何か歯車が狂いはじめる。 一方、怪我をする前夜、高校のフェンスを乗り越えようとしていた真島綾。それに驚いて自転車から転んだ景は足首を痛めていた。そのことに責任を感じているらしい真島に、景はバレー部のポスターを依頼し、連絡を取り合うようになる。圧倒的な画力で学園祭のポスターも手掛けた真島には、しょっちゅう高校を休みがちで、実は親友にしか明かしていない秘密があった。 景の側にいつもあったバレーボール、真島の側にいつもあった漫画。それぞれが楽しくて、ずっと続けてきたはずなのに、いつから苦しくなってしまったんだろう!? 自分の居場所が見つけられず、前に進めずにいるふたりの想いは交差しながらも、遂にクリスマス前夜に止まっていた時間が流れ出すーー。 序章 第1章 前夜 第2章 炭酸 第3章 深海 第4章 八秒
太陽系を巻きこんだ大戦争から数百年。宇宙への脱出を夢見て時間膨張爆弾の殻の買い手を探しているジャンク掘りの少年、それ自体がひとつの街のような移動隊商宿で旅をつづける少年、そして砂漠の巨大都市の片隅で古びた見慣れぬロボットと出会った女性。彼らの運命がひとつにより合わさるとき、かつて一夜にしてひとつの都市を滅ぼしたことのある戦闘ロボットが、長い眠りから目覚めて…。世界幻想文学大賞作家が贈る、どこか懐かしい未来の、ふしぎなSF物語。
■今号より『紙魚の手帖』がリニューアル! 人気イラストレーター・飯田研人による新カバー。鮮やかな色で彩られた、唯一無二の不思議な世界を描き下ろし。■錯綜する証言、圧巻の心理劇! 貫井徳郎、待望の新連載『不等辺五角形』。■伊吹亜門、今村昌弘、北山猛邦、白井智之が贈る、最新ミステリ短編。■サマンサ・ミルズ、2023年ヒューゴー賞受賞作「ラビット・テスト」掲載。■創立70周年記念企画、連載エッセイ「わたしと東京創元社」ほか。
緊急出版! 人工知能は罪を裁けるのか 東京地方裁判所の新人裁判官・高遠寺円は、日々の業務に忙殺されていた。公判、証人尋問、証拠や鑑定書の読み込み、判例等の抽出、判決文作成と徹夜が続く。 東京高裁総括判事の寺脇に呼び出された円は、ある任務を命じられる。中国から提供された「AI裁判官」を検証するというものだ。〈法神2〉と名付けられたその筐体に過去の裁判記録を入力する。果たして、〈法神〉が一瞬で作成した判決文は、裁判官が苦労して書き上げたものと遜色なく、判決もまた、全く同じものだった。業務の目覚ましい効率化は、全国の裁判官の福音となった。しかし円は〈法神〉の導入に懐疑的だった。周囲が絶賛すればするほどAI裁判官に対する警戒心が増す。 そんなある日、円は18歳少年が父親を刺殺した事件を担当することになる。年齢、犯行様態から判断の難しい裁判が予想された。裁判長の檜葉は、公判前に〈法神〉にシミュレートさせるという。データを入力し、出力された判決はーー「死刑」。ついに、その審理が始まる。 罪は、数値化できるのか。裁判官の英知と経験はデータ化できるのか。連載、即緊急出版! 目前に迫るあり得る未来に、人間としての倫理と本質を問う法廷ミステリー。 【編集担当からのおすすめ情報】 日々進化し続ける人工知能。AI裁判官が実務を行うようになったらーーという現実の半歩先を行く「IF」をどんでん返しの帝王が描きます。裁判官の倫理と英知、正義とはなにかを考えさせられる、今こそ読んでいただきたい傑作です。
「俺もずっと、会いたくて会いたくて仕方なかったーー。」 引っ越しで離れ離れになった大好きな翔と、再会の約束をしていたかのん。 けれど彼からの手紙はいつしか途切れ、 級友からも「翔はもう忘れてる」と聞かされる。 会いたい人に出会える、奇跡の電車ーー 噂の三号線を思い出し、ホームへと駆け出すかのん。 そこで翔とは二度と会ってはいけない“秘密”を知ってしまうーー。 「好き」と「さよなら」を届ける、号泣必至の連作短編。 一号線 大好きな人の好きな人 ・・・007 二号線 君に好きだと伝えたい ・・・081 三号線 もう一度ここからはじめよう ・・・141 四号線 君との未来を夢見てた ・・・195