2021年2月発売
フォルモサとは、「台湾」を指す言葉。 ヨーロッパ各地を転々とし、1703年に渡英した著者のサルマナザールは、 自らフォルモサ人と称し、生まれ故郷のフォルモサと、支配国であった日本に関する書『フォルモサ』を著した。 本書は大評判となり、各国語に翻訳され当時の大ベストセラーに。 サルマナザールはフォルモサの権威としてオックスフォード大学で講演をするまでになり、 『フォルモサ』は、その後のヨーロッパのアジア認識にも大きな影響を及ぼすこととなった。 すべては彼の壮大な作り話であったにもかかわらずーー。 『ガリヴァー旅行記』にも影響を及ぼし、 風刺文学の祖にして、ファンタジー小説の傑作ともいわれる『フォルモサ』。 日本では『台湾誌』として、タイトルのみ知られてきた「世紀の奇書」、待望の本邦初訳
「…濡れたまま服を着替えないと、風邪を引きます」そう一言つぶやくと、アルティは服を脱ぎ始めた。あっという間に下着になり、さらに下着まで脱ごうとした。「ア、アルティ!?」今日、とある森で、雨のなか勇者の学院の合宿が行われていた。これまで学院の行事はすべてスルーしてきたウィル。だが、ゼノビアたちから、テイネブリス教団の一派が救世機関の重要メンバーかつ、今回引率する教師であるジェマを狙っており、合宿に襲撃を仕掛ける可能性があると聞き、参加を決めた。夜が訪れ、情報通り次々と生徒たちが暗殺者に襲われ始める。ウィルはアルティ、ティーナ、ロゼッタとともに対抗していくがー「我はテイネブリス教皇。聖座にして神の代理人。テイネブリスの御子である」ついには、テイネブリス教皇を名乗る者が降臨して…!?これは、神々に愛されし少年が、世界を救う物語ー
預かった映像を死後に届ける「アフターメッセージ」、弁護士が多様な依頼に対応していく「男衾法律事務所」、長年片思いをしていた女性の子供に転生してしまう「生まれかわり」。人のつながりを様々な視点で描いたハートフルストーリー。
最強の初心者現る。200km/hのサーブを打つ“テニス初心者”の田中は、同い年の中井とレッスンを重ね、40歳にして初めての大会に挑む!!スポーツの楽しさを再発見する大人の青春小説。
その春。すべての居場所から締め出されていた。すべての日常が止まってしまった。それがこんなに大変だったなんて! 私たちはなんて小さくて、無防備で、ばらばらだったんだろう? みんな平気なのかな? そんなわけ、ないよね? だから……コロナ禍の夏を過ぎて、それまでの日常にかまけて放っておいた大切なものを確かめに自転車の旅に出た。そこで。 緊急事態宣言が明けて2020年も夏を越え、大学時代の親友の夫とその息子と、紀伊半島のツーリングに出かけることになった。若くして命を落とした親友との約束を果たすため、そして、ひとり親で育った息子が母を新たに知るため。就職氷河期世代が親になっての心情もそこはかとなく漂うハートウォーミングなロードムービー風の小説が本書。日常の景色だけでなく生活スタイルも変わってしまった。変わらざるをえなかった。リセットするにしても、調子を取り戻すためにも、記憶の底に押し込めてしまった大切なものをもう一度見つけ出して、新たに前に進もう。コロナ禍でぽっかり出現したつかの間の人生の空白期間。みーんな元気の在庫がなくなった。でも、だから……3人それぞれが生きるために必要なささやかなものを見つけた、数日間の旅の物語。
源氏物語には幻の最後の巻がある。栄華をきわめた藤原道長が血眼になって求める物語とは。そして探索の命を受けた女が見たものとは。 不朽の名作「源氏物語」は実は未完であり、秘された最後の一帖は時の最高権力者を窮地に陥れる物語ではないか。生前の紫式部が存在を秘して没した「五十五帖」とは果たして……宮中の陰謀に物語が切り結ぶ時をスリリングに描き、多くの書評に取り上げられた昨年の第11回日経小説大賞受賞作『新・紫式部日記』には続編があった。「源氏物語」に残された最大の謎という大胆不敵なフィクションである。主人公は菅原孝標女(作中では、更級)。藤原道長から「五十五帖」の探索を命じられるが、同行を命じられるのが宮中に仕えていた紫式部の娘、賢子。田舎育ちで父から与えられる物語に耽溺して成長した更級と、物語づくりに忙しい母にかまってもらえなかった賢子が幻の「源氏物語」を探していく過程で、紫式部がどういう人間であったか、「源氏物語」はいったいどのような物語であったかが浮き彫りにされていく。豊かな学識から紡ぎ出された"古典文学ミステリー"の秀作である。
レクスにドラゴンの聖地・龍峰に連れてこられたリリエラとドラゴンスレイヤーズの面々は、修行のため、次々現れるドラゴンたちとムリヤリ対戦させられる羽目に。 そんな一行に、少女・リューネが竜騎士になるため弟子入りを志願する。 レクスはリューネを連れて再び龍峰へ。そこでシンプルで地獄な特訓を始めるのであった。 そんな愉快な(?)騒動のさなか、いつの間にか町は魔の手に包囲され……。 巻末書き下ろしエピソード『無謀者達の哀歌』を収録 レクスのむちゃぶりで着々と実力アップのリリエラ&ドラゴンスレイヤーズに、待望の新キャラ・リューネ登場! 耐えきれるのか!?
我流の魔法で領地改革を推し進める“悪役令嬢”サレスティア。魔法学園での生活も慣れてきて、ついにヒロインと遭遇……苦しむヒロインを救うべく奔走する悪役令嬢のもとに、新たな四神がやってくるわ、敵国からは転校生まで⁉ 陰謀渦巻く学園生活をお嬢はどう乗り切る? 史上最善な悪役令嬢の、猪突猛進ほっこりストーリー! 第一回アース・スターノベル大賞佳作受賞作、待望の3巻登場!
鎌倉時代中期。世上は鎌倉大震災を皮切りに天変地異に見舞われ、疫病が蔓延し、飢饉に苦しめられていた。その原因を仏典から解き明かそうとした僧侶・日蓮は、世の為政者が悪法に染まっているため、民を救うはずの仏や善神がこの国を去ってしまったからだと結論づける。至高の経典である「法華経」に帰依しなければ、さらなる厄災が起こるー日蓮は、鋭い舌鋒で他宗に法論を挑んでいくが、それは同時に、浄土宗や禅宗を重用する幕府の執権、北条氏を敵に回すことでもあった。疫病、星の乱れ、日蝕月蝕、暴風雨、日照りー「薬師経」に予言された七難のうち、未だ起こっていないのは「他国侵略」と「内乱」のみ。日蓮の思いは天に届くのか。苦しむ人々を救うため権力者たちと戦い続けたその半生を描く感動作。
フフ、グモーニン英国の過去の記録! 何ソレ! よく解らないけど私達、その中に武蔵丸ごと迷い込んだみたい。正に歴史の迷い子! つまり歴史の赤点! そんなレッドポイントな現地では誰がアーサー王を襲名するのかってあっちもこっちもどっちも争ってて、私達は“湖の精霊”として関わっていくことになっちゃったの。解る! 英国弁で言うと”セーレー オブ ミズゥーミー”! やだ! 私ったら博識! 英国弁も赤点ね! でもこのままだと英国消失とか、一方的に盛り上がってきた処で愚弟? ホライゾン? どうすんの? 英国をアーサー王伝説もろとも正しい姿に戻す? ンンー、じゃあそんな感じで皆頑張るのよ! 私”見る”派! 子供世代も合流した新規梅組メンバーで贈る、新しいホライゾンの物語! アーサー王伝説編、中巻!!
絶対無双たる十六名の修羅を争わせ、“本物の勇者”を決める六合上覧。 凄惨な破壊をもたらした第二試合が終わり、次なるは、第三試合。柳の剣のソウジロウ及び移り気なオゾネズマ。 一目で相手の殺し方を見出し、伝説すらただの事実へと堕する頂点の剣技を振るうソウジロウに対し、謎多きキメラのオゾネズマが用意していた“手”とはーー。 そして六合上覧の裏では、黄都、黒曜の瞳、オカフ自由都市など、各勢力の思惑が交差し複雑に絡み合っていく。 全員が最強、全員が英雄、一人だけが勇者。“本物”を決める激闘は熱を帯びていく。
『野生のJK』こと柏野由紀子は今は亡き猟師の祖父から様々な手ほどきを受け、サバイバル能力もお墨付き。そんな彼女はひょんなことから異世界へ転移し、大衆酒場『ニホン』を営むことに。由紀子自らが獲った新鮮な食材で作る大衆酒場のメニューと健気で可愛らしい看板娘のララのおかげで話題を呼び、大商会のご隠居や自警団の親分までが常連客となる繁盛っぷり。しかも、JK女将が営む風変わりなお店には個性豊かな異世界の客たちが次々と押し寄せてきて!
嗤え、歌え、踊れ、狂え。今日も世界中が〈大当たり〉! 読者の度肝を抜く超=私小説的短篇集。コロナ禍、 戦争、 ジャズ、 映画、 文学、嫌=民主主義、 そして息子の死ーー。かつてなく「筒井康隆の成り立ち方」を明かす最前衛にして超弩級の〈私小説〉爆誕! 亡き息子との〈再会〉を描いた感動の話題作「川のほとり」収録。
音楽プロデューサーの悟は、テレビドラマの主題歌制作に苦戦していた。この楽曲がヒットすれば、低迷中のシンガー・義人は大復活を遂げる。悟もすべてを賭けていた。しかしドラマプロデューサーの多田羅は業界の常識を覆す提案を口にする。そんな折、日本は未曾有の危機に襲われる。社会的喪失の中、三人の運命の行方はー。
1980年代後期。FBIニューヨーク支局で捜査官として働くマリーは、黒人女性であるがゆえに能力を発揮する機会を与えられずにいた。そんな時、ブルキナファソの共産主義政府の弱体化を狙うCIAから、若き革命家トマ・サンカラにハニートラップを仕掛ける役目を言い渡される。自身の才能ではなく容姿を買われたのだと悟りつつも役目を引き受けたマリー。そして、さらにハイリスクな任務の見返りとして、幼少期から共にスパイに憧れて育った姉の謎の失踪について鍵を握る人物との接触を約束される。しかし、国民のための改革を推し進めるサンカラの人柄を知るほどに、任務に対する信念は揺らぎ始め…。舞台はアメリカ、ブルキナファソ、そしてマルティニークへ。史実を元に冷戦の知られざる一面を描き出すスパイ小説。