2020年12月発売
王族の血を引きながらも近衛隊に所属するアルヴィスは、突如として国王陛下に呼び出され、名門公爵令嬢エリナとの婚約を告げられる。王太子ジラルドの婚約者であったはずの彼女は、学園の創立記念パーティーにて、一方的に彼から婚約破棄を宣言されてしまったのだという。事態を重く見た国王は王太子を廃嫡し、アルヴィスは王族に戻ることに。エリナとの顔合わせを済ませたのち、政略だとしても今度は互いを知りたいという、彼女の願いに応えることを決めたアルヴィス。お忍びの城下町デートや、生誕祭のパーティーを重ねるうちに、健気な振る舞いや、二人きりのときに年相応の表情を見せるエリナの姿を知り、アルヴィスの気持ちも動きだす。ゆっくりと、だけど着実に互いを知っていくふたりの距離は少しずつ近づいてー。これはとある王国のお話。ふたりが恋を知り、愛を育んでいく物語。第6回WEB小説大賞受賞作。
「--それでも、もう貴女を手放すことはできないんだ」 心に深い傷を負ったまま命を落とし、子爵のひとり娘へ転生したジュリエットは後悔していた。 前世の夫・オスカーと再会した際、両親を侮辱された彼女は、反射的にオスカーへ平手打ちを見舞ってしまったのだから。 そして、そんな彼女のもとにオスカーから手紙が届く。 そこには、ジュリエットを夕食会へ招待したいということ。 加えて直接謝罪をしたいという旨が綴られていた。 前世ではついぞその成長を見ることが叶わなかった愛し子・エミリアへの想いから夕食会へ参加したジュリエットは、その席でエミリアからある提案を持ち掛けられる。 それはエミリアの家庭教師をジュリエットが務めるというもの。 意外にもオスカーまでそれに賛成し、ジュリエットは彼の城で生活することになるのだが……? 『氷の騎士』と呼ばれた伯爵と、彼に愛されることなく命を落とし、転生を果たした『はずれ姫』。 これは、そんな不器用な二人が紡ぐ、恋の物語。
「悪魔の応援キャンペーン!ご当選、おめでとーございまーす!」。木島文雄の部屋にある日突然、自分を悪魔だと名乗るボンテージ姿の幼げな女の子が現れた。彼女は自分を魔界のキャンペーンガールと名乗り、文雄には類まれなる悪の才能があるとして、『何もないところに部屋を作り出す能力』を与える。最初はその部屋を悪用することなく、物を運んだりとそれなりに便利に使っていた文雄だったが、ある事件をきっかけに、自分を酷い目に遭わせた連中に復讐を決意する。「後悔させてやる!!」。彼は『能力』で部屋を作り出し、監禁と洗脳による復讐を開始する…。ノクターンノベルズ年間ランキング1位。悪魔の指導で監禁×ハーレム!!
《杏は鏡を持った手をのばし、いったん上に高くかかげてから、軽く深呼吸して中をのぞきこみました。 さっきよりも輝きを増したまるい月が、鏡の上のほうにうつっています。 その前に、瞳をきらきらと光らせ、かたくくちびるを結んでいる、一人の女性がうつっていました。》(第四章 月の鏡 より) 物語を紡ぐ人、砂岸あろーー。美しいもの、純粋な心、ちょっぴり不思議なできごと。人が見失いがちなものたちにこだわりつづけ、物語を創りつづけてきた著者が、祖母と過ごした「月の家」の思い出を温めながら書き、時を経て幾重のてがかりをも加味して書き上げた長編。《その家は、(中略)志賀直哉が住み、『山科の記憶』などを書いた家です。それから数年後、私の父方の祖父母一家がその家に移り住みました。》(著者による「あとがき」より) 第一章 赤い傘 第二章 夜の犬 第三章 水の皮膚 第四章 月の鏡 第五章 風の靴 第六章 鬼の木 第七章 空の椅子 第八章 眠る絵 終 章 月のいる庭
【概要】 どうぞどうぞ、短文の世界へ── 西崎憲がプロデュースする短文集シリーズ〈kaze no tanbun〉第二弾。現代最高の文章家16人が「移動図書館の子供たち」をテーマに、小説でもエッセイでも詩でもない「短文」を寄せました。作品同士が響き合う、まるで一篇の長編作品のようにも読める、絢爛の短文・書下ろしアンソロジー。(カバーイラスト:寺澤智恵子) 【著者】(五十音順) 我妻俊樹/円城塔/大前粟生/勝山海百合/木下古栗/古谷田奈月/斎藤真理子/西崎憲/乘金顕斗/伴名練/藤野可織/星野智幸/松永美穂/水原涼/宮内悠介/柳原孝敦 【kaze no tanbunとは】 「自分の生涯においてこれを作ったと自慢できる本を作りたい」。日本翻訳大賞の発起人であり、電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」主催で、「BFC ブンゲイファイトクラブ」などを企画する西崎憲の発案からスタートした、全篇新作の「短文」アンソロジーシリーズ。「短文」とは「小説でもエッセイでも詩でもない、ただ短い文。しかし広い文」(西崎氏)。シリーズ通してブックデザインは奥定泰之。第一弾「特別ではない一日」は2019年に発売。第三弾は2021年初頭に刊行予定。 古谷田奈月「羽音」 宮内悠介「最後の役」 我妻俊樹「ダダダ」 斎藤真理子「あの本のどこかに、大事なことが書いてあったはず」 伴名練「墓師たち」 木下古栗「扶養」 大前粟生「呪い21選──特大荷物スペースつき座席」 水原涼「小罎」 星野智幸「おぼえ屋ふねす続々々々々」 柳原孝敦「高倉の書庫/砂の図書館」 勝山海百合「チョコラテ・ベルガ」 乘金顕斗「ケンちゃん」 斎藤真理子「はんかちをもたずにでんしゃにのる」 藤野可織「人から聞いた白の話3つ」 西崎憲「胡椒の舟」 松永美穂「亡命シミュレーション、もしくは国境を越える子どもたち 円城塔「固体状態」
目が覚めるといつも同じ年齢で、バッドエンドの人生を繰り返している王女マグノリア。しかもすべての死因に熱烈な愛を捧げてくるシャムロックが関係しているのだ。「幸せになれば繰り返しは終わる」という助言を受けて、奮闘するがー何十回めの人生でシャムロックの様子がおかしいことに気づく。予想外の行動を取る彼に、事態は二転三転!シャムロックの謎の行動に、マグノリアはある決断をする。今度こそ人生のループを止めることができる?繰り返しの原因は、一途すぎる執着愛!?バッドエンドから逃れたい王女と公爵令息の容易ならざる攻防戦!
王太子妃有力候補だったのに、性悪のレッテルを貼られた挙句何者かに犬に変身させられた伯爵令嬢。だがそれを知らない王太子が、今までの紳士的ながらもそっけない態度を一転、全力で愛でてくるようになり!? 第三回フェアリーキス大賞銀賞作品、待望の書籍化!
神子として獣人だらけの異世界にやって来た晴真は、保護役の竜人・アーロンとの冒険の旅の過程で彼の発情期に居合わせ、体を繋いでしまい、さらに間もなく妊娠が発覚する! アーロンへの恋心を自覚していた晴真は子供を産む決心をするが、跡継ぎを孕んだことで、アーロンが次期竜帝の筆頭候補に躍り出てしまう。さらに、恋敵(?)が突然神殿を襲ってきて…!?
静寂に覆われた雪山で、壮絶な死闘がはじまる。 アデュレリア公爵家本邸で自由な時間を過ごしていたシュオウは、王女・サーサリアと出会う。 彼女の傲慢な物言いと態度に苛立ちを覚えるシュオウだったが、 真夜中に山奥へ出かけるという王女の護衛をすることに。 彼女の身勝手な指示のもと歩みを進める一行は、突如、全身真紅の狂鬼アカバチに襲われる。 必死の思いで逃げ隠れ、シュオウは懸命にサーサリアを守る。 そんな優しさに触れ、 サーサリアの心境に変化が生まれるが……。 生きるため、 最恐の狂鬼を前に、 シュオウは命をかけて立ち向かう。
仕事が上手くいかず上司から叱責される毎日の中、サラリーマンのケンジはその日、自分以外の人類が滅亡することを祈る。翌朝目が覚めると、本当に人類が消え去り、世界には自分1人だけになっていた。 ケンジは歓喜し、会社に行く必要のない、昼過ぎまで寝ていられる、漫画三昧の自由な生活を謳歌する。しかし人類が消え去ったことで世の中のインフラが止まりだし、ケンジのサバイバル生活が始まる。 誰もいないスーパーで食べられる食料を調達したり、初めて農業にトライしたりする中で、充実感を覚えながらも寂しさを感じた彼は、他の生き残りを探しに行くことにする。そこで彼が出会ったのは、街を徘徊するゾンビ「バイト」と、バイトと戦う女性、アミだった。 「人類滅亡して最後の1人になったら?」チャンネル登録者数200万人超のYouTube漫画動画チャンネル「フェルミ研究所」の人気動画が、ついに書籍化!
本能寺で炎に包まれた信長は、寺内に運び込んであった火薬の誘爆によって粉々になった。 しかし、肉体は四散しても、魂は消えなかった。 信長の魂は爆発の衝撃でその肉体を飛び出し、異世界へと運ばれてしまったのだった。 異世界に落ちた魂は、今まさに死なんとしている瀕死の者の体に飛び込んだ。 その者の名は、ロゼリア・ロマネスコ。地方領主ロマネスコ家の長女だった。 そして転生したことを受け入れると同時に当主である父親が討ち死にしたとの報せが入る。 息つく間もなく、彼女は報復のために軍を率いて戦いに赴くのだったーー。
貧乏貴族の七女に転生した元女子高生のミリア。前世で大変だった分今世はのんびり暮らすはずが、強烈な家族に虐げられる日々。しかし超絶チートな万能魔力を武器に、姉・クロエと領地を抜け出す作戦を立てはじめ!?
魔王国の貴族学園の生徒たちが危険な森に迷い込んでしまった。 生徒の救出を頼まれた獣人族三人組は現場に急行するも、予想外の魔物が乱入してピンチに! 絶体絶命の三人組を助けたのは……!? 一方、“大樹の村”では天使族の長であるマルビットと、ティアの母親であるルィンシァが来訪し、ほかほかなコタツを占領していた。 シリーズ累計150万部突破! スローライフ・農業ファンタジー第9弾!
キム・ウン・ユンが発射した弾道ミサイルをきっかけに、核戦争が勃発。二か月にわたる熱戦のすえ、欧米の主要工業国は壊滅する。ユーラシア大陸では人間をゾンビ化する伝染病MOB(移動性恐水病)が流行し、ロシア東岸は化学兵器で浄化される。一方、日本は鎖国体制を敷き、大日本帝国を復活。その保護下にあるサハリン島に、帝国大学応用未来学研究者シレーニが調査に赴く。徹底して差別される中国人とコリアン、「ニグロ」と呼ばれる檻の中の生贄たち、謎の天才詩人シンカイシロウ、人間の死体を燃料とする発電所、放射能で汚染された木々や魚類…。魑魅魍魎うずまく茶色い大地で、シレーニと案内役の銛族アルチョームはいかなる未来を掴みとるのか。破格の想像力に満ちたロシア発の「日本小説」!
農業を志す脱サラ夫婦、証券会社をリストラされた男、人知れず、発達障害に悩む男、愛妻の死後、ある女性と不思議な縁を結ぶ男、一族の血を背負い、やがて救世主となる男。それぞれの「紆余曲折」と「転機」を淡々と、静謐な筆致で描きだす短編小説5編を収載。
いつの間にか辿り着いた田園地帯でマムシに咬まれ、病院に搬送れてしまった大島浩三。九死に一生を得た大島だったが、この事件をきっかけに田園地帯の自然保護を謳う前市長から市長選での応援演説を依頼されてしまう。『市長選挙のキーマン』となり政局の渦に飲み込まれていく彼は、自分のなすべきことを追い求めていく。
草原に暮らす羊飼いの家族たち。その穏やかな生活のなかにある、秘められた葛藤と孤独を描く表題作「風船」のほか、仏教的世界観と近代的価値観が混じり合う現実を生きるチベットの人々をユーモラスに、幻想的に、時にリアリスティックに描いた短編6作品を掲載。ほか、自伝的エッセイと、訳者解説も所収。映画監督としても注目されるペマ・ツェテンの小説家としての魅力、そしてチベット文学の魅力を伝える。 風 船 轢き殺された羊 九番目の男 よそ者 マニ石を静かに刻む 黄昏のパルコル [エッセイ]三枚の写真から [解説]大川謙作
稀代の天才科学者である天地海人。彼はある日目覚めると異世界に転移していた。海人が手に入れたのは、『創造』という一度見たものを作り出せる希少な魔法。女傭兵ルミナスに助けられ、彼女部下であるシリルと3人で平穏で楽しい日々を過ごしていたが、隣国のエルガルドが侵攻してきて……。 高火力な銃で敵を圧倒! 人工血液を使って、瀕死の者を蘇らせ、圧倒的な破壊力を持つ爆弾で最強の敵、ドラゴンに挑む!!! 類まれな頭脳と創造魔法を駆使して敵を蹂躙! 天災による異世界ファンタジー、第2弾!