2019年7月29日発売
駆出しの作家だった頃の私が取り組み、完成できなかったノンフィクション。それは、ある忘れられた柔道家の型破りな半生を追ったものだった。だが、彼に寄り添う女、高校時代の恩師など、取材を進める毎にその実像はぼやけていく。一方、私と本人の間には、取材対象と取材者の垣根を越えた感情のさざ波が立ち始めー相対する二つの魂の闘争と交歓を描く。
東日本大震災の翌年、僕は京都から上京した。大学のキャンパスで出会った君は独り政治活動を行い、浮きまくっていた。啄木の歌を愛し、諳んじる僕はアニメ研究会に引きずり込まれ、ヲタと二次元の洗礼を受けつつ君に惹かれ、身を投じていく。生きにくさと時代閉塞を打破するコミカルでシリアス、一途な平成meets Revolution!平成の終わりに恋と革命に萌えた若き命。
ロシア語時代のナボコフ最高傑作に蝶への情熱に満ちた初邦訳の短篇を付す。ロシアから亡命し、ベルリンに暮らす駆け出しの詩人フョードルは、祖国への郷愁、鱗翅学者の父への追慕、急進的知識人の伝記執筆、ジーナとの恋愛を通じて芸術家へと成長していく。言葉遊戯を尽くし、偉大なるロシア文学作品の引喩に彩られた「賜物」と、その関連作品としてナボコフの死後に発表された「父の蝶」を収録。
過労死してしまった青年が異世界に転生。そこは魔術が存在する世界であった。双子の弟カイル、そして幼馴染の少女ルイズと共に王都の魔術学院へと入学したアインは、前世の知識を活かし新たな魔術を開発する日々を送っていた。惜しげもなく魔術を公開するアイン。しかしそれは、アインの知らないところで謎の組織の誕生へとつながっていく。そして出会う新たな人々。アインは化学の知識を活かし、異世界の流通に革命を起こしていくー。「小説家になろう」発、大人気ヒューマンファンタジー第2弾!!
異世界転生した40歳の男がなりたかったものとはなんでしょう? 勇者様でしょうか? 魔王様でしょうか? それともハーレムを作ること……? いいえ、男が、何がなんでもなりたかったものーーそれは異世界イチの、害虫ハンターだったのです!ゴキブリもヒトデもどんと来い! 全部まとめて駆除対象だぁぁぁぁ!!!エロ面白くて、ちょっぴりだけ役に立つ(?)害虫駆除ファンタジー!
かつてのパーティ仲間で恋人でもあるエルフのフィル、その妹のティル、美少女獣人のルーナ、ラルズール王国のお姫様のセレネと新たにパーティを組み、最強の冒険者をめざす中年、ユーヤ。高難易度のダンジョンに挑み、ボスモンスターを倒し、さらにレベルアップしたユーヤたちは、いよいよラルズール王国に足を踏み入れる。王国では、優勝者には王位が与えられる「継承の儀」が始まろうとしていた。ゲームの知識と鍛え抜かれた技で、三度目の人生に挑むおっさんの物語、待望の第四弾!
「小説家になろう」ローファンタジー部門全期間第一位達成! 「僕の部屋がダンジョンの休憩所になってしまった件」のスピンアウト爆誕!! 学生寮の管理人のジョブチェンジしたらダンジョンがオマケでついてきて、スクールカーストも上昇中!? 一つ屋根の下ではじまる、学生寮直結型異世界ファンタジー!! 両親に失踪され、東京の立川市にある学生寮の管理人をすることになった僕。 建物はボロボロ、寮生は奇人変人だらけ、幽霊が出る噂まであったその寮は、なんとダンジョンとつながっていた! クラスに友達は一人もいないけど、ダンジョンに行けば、モンスターを倒してレベルアップできる。スライムや女騎士、女魔法使いの友達もできた。 かくして今日も放課後の異世界冒険部がはじまる!
降りそそぐ小花、時空はゆらぎ、 小鳥の侍女たちが行き交う庭園と城館。 そこは迷宮? 小説と人形が織りなす奇蹟の幻想譚。 第46回泉鏡花文学賞受賞作家 山尾悠子の最新作!! あらたな領域に踏み入る記念碑的小説である。 ★物語と人形たち まず山尾悠子による「小鳥たち」という掌篇が書かれ、登場する小鳥たちを人形作家の中川多理が創作した。その人形作品を踏まえて『夜想#中川多理ー物語の中の少女』に続編「小鳥たち、その春の廃園の」が書かれ、再び呼応して新たな人形が作られた。 それを受けて、最終章「小鳥の葬送」が書き下ろされ、ついに中川多理の手から大公妃が産み出された。 ★摩訶不思議な幻想小説の奇蹟の成立 山尾悠子の幻想譚は、場面が揺らぐように紡がれていき、確かにそこに伽藍はあるのだけれどもこちらの認識が朧になるという快楽性をもっている。構造はあるが、揺らいでグラデーションでずれていく。その揺らぎに現実の人形が参加しているのだ。 母、娘、そして侍女……幻想の物語、幻想の人形そして幻想の本として収斂する『小鳥たち』。