小説むすび | 2019年2月28日発売

2019年2月28日発売

文化装置としての日本漢文学文化装置としての日本漢文学

古代から近代まで、日本人は、つねに漢詩や漢文とともにあった。 本書は、最新の知見を踏まえた分析や、様々な言語圏及び国・地域における論考を集め、日本漢文学についての新たな通史的ヴィジョンを提示する。 研究史を概括しつつ、とくに政治や学問、和歌など他ジャンルの文芸などとの関係を明らかにしながら、文化装置としての日本漢詩文の姿をダイナミックに描き出す。 1 古代・中世漢文学研究の射程 平安朝漢文学の基層ー大学寮紀伝道と漢詩人たち 滝川幸司 長安の月、洛陽の花ー日本古典詩歌の題材となった中国の景観 高兵兵 後宇多院の上丁御会をめぐって 仁木夏実 誰のための「五山文学」かー受容者の視点から見た五山禅林文壇の発信力 中本大 2 江戸漢詩における「唐」と「宋」 語法から見る近世詩人たちの個性ー“エクソフォニー”としての漢詩という視点から 福島理子 室鳩巣の和陶詩ー模倣的作詩における宋詩の影響 山本嘉孝 竹枝詞の変容ー詩風変遷と日本化 新稲法子 近世後期の詩人における中唐・晩唐 鷲原知良 3 東アジア漢文交流の現実 通信使使行中の詩文唱和における朝鮮側の立場ー申維翰の自作の再利用をめぐって 康盛国 蘇州における吉嗣拝山 長尾直茂 4 漢詩・和歌が統べる幕末・維新期の社会 幕末志士はなぜ和歌を詠んだのかー漢詩文化の中の和歌 青山英正 漢詩と和歌による挨拶ー森春濤と国島清 日野俊彦 西郷隆盛の漢詩と明治初期の詞華集 合山林太郎 5 近代社会の礎としての漢学ー教育との関わりから 明治日本における学術・教学の形成と漢学 町泉寿郎 懐徳堂と近現代日本の社会 湯浅邦弘 6 新たな波ー世界の漢文学研究と日本漢詩文 英語圏における日本漢文学研究の現状と展望 マシュー・フレーリ 朝鮮後期の漢文学における公安派受容の様相 姜明官(康盛国訳) 越境して伝播し、同文の思想のもと混淆し、一つの民族を想像するー台湾における頼山陽の受容史(一八九五〜一九四五) 黄美娥(森岡ゆかり・合山林太郎訳)

小泉八雲・澁澤龍彥と 『夜窓鬼談』小泉八雲・澁澤龍彥と 『夜窓鬼談』

著者

林淑丹

出版社

翰林書房

発売日

2019年2月28日 発売

ジャンル

怪異小説の創作の伝統が 漢字文化圏でいかに変容したか 漢文小説『夜窓鬼談』の特性を明らかにし、 近現代作家に受容される過程を考察する 第一部────『夜窓鬼談』の幻妖世界 第一章 ◆ なぜ怪談なのか─怪談文芸の地位の回復 第二章 ◆ 漢文小説の出版戦略と挿絵 第三章 ◆ 『夜窓鬼談』の妖異空間 第二部────小泉八雲の再話文学と『夜窓鬼談』 第四章 ◆ 「果心居士の話」論─物語の空間 第五章 ◆ 小泉八雲による再話と『夜窓鬼談』の交響 第三部────澁澤龍彥の文学と『夜窓鬼談』 第六章 ◆ すれ違いの美学─「茨城智雄」から「茨木智雄」へ 第七章 ◆ 澁澤龍彥「画美人」論─その身体と空間の表象 第八章 ◆ 伝承・エロス・迷宮─「花妖記」における幻想の意匠 第九章 ◆ 幻想への回路─「菊燈台」論 第四部────無垢の想像力 第十章 ◆ もの憑き・夢魔の想像空間─「狐媚記」「夢ちがえ」をめぐって 第十一章 ◆ サド裁判における澁澤龍彥の思想と批判 第五部────澁澤文学における旅の構造 第十二章 ◆ 流転と再生の旅─「ねむり姫」を読む 第十三章 ◆ 旅のかたち─「ぼろんじ」「うつろ舟」をめぐって 第十四章 ◆ 永遠の輝きを求めて─『高丘親王航海記』の旅

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