2018年発売
竜崎伸也、大森署最後の事件!? 正体不明の敵に立ち向かう、激動の長編第7弾。私鉄と銀行のシステムが次々にダウン。不審に思った大森署署長・竜崎は、いち早く署員を向かわせるが、警視庁の生安部長から横槍が入る。さらに、管内で殺人事件が発生。電話で話した同期の伊丹から「異動の噂が出ている」と告げられた竜崎は、これまでになく動揺する自分に戸惑っていたーー。大人気警察小説シリーズ、待望の第9作!
互いを思いやりながらも、藩政に翻弄される男たちの葛藤と覚悟。富商の娘を娶り、藩内で出世を遂げる三浦圭吾。しかしその陰には彼を慈しみ、遠島を引き受けてまで守ろうとした剣の達人・樋口六郎兵衛の献身があった。十年を経て罪を赦された六郎兵衛は静かな暮しを望むが、親政を目論む藩主の企てにより圭吾に敵対するよう仕立てられていくー。
アフリカ大陸で今も受け継がれる「呪術」。多くは快癒や商売繁盛のための呪いだが、中には呪いで相手を死に至らしめる呪術師もいるというー。仕事でモロッコを訪れていたツアーコンダクターの麻衣は、突如テロに巻き込まれる。ピンチをくぐり抜けた後、偶然救うことになったのは、呪術師に追われるアルビノの少女・ケイコだった。その肉体は、呪術の最高の材料だというのだ。麻衣はケイコを連れ日本に渡るが、待ち受けていたのはさらなる危機。不穏な動きを察知した警視庁公安部の「落伍者」園部と共に、「敵」を迎え撃つ計画を練るがー。
文章と言葉の海で育った青年がカメラに出会ったーー 国文学者の父と歌人の母を持つぼくは、幼い時から文章の英才教育を受けてきたが見事に落ちこぼれた。一方、妹は詩の新人賞を受賞し一躍脚光を浴びるが、作品には僕の習作を盗作したものもあり、両親も承知していた。 家を出て会社も辞めたある日、聴覚障害を持つ同い年(25歳)の美駒という女性と出会う。彼女は業界で注目され始めているカメラマンだった。ぼくは、彼女と彼女を慕う男女4人の愛好家で作る“チーム300”に所属し、生まれて初めてカメラを手にした。メンバーのアドバイスを受けながら、写真を撮ることに魅力を感じるが、家族やメンバー間の友情・確執・嫉妬・愛憎ーー。 ぼくは様々な人たちと関わり、これまでの選択の許されない人生から自分の道を歩き始める。
幕末史の暗部、血塗られた暗殺事件の数々に、実力派作家7人が、想像力と推理を駆使して挑む、書き下ろし短篇競作企画。はたして定説は覆されるのか? 驚きの結末と真犯人とは? 【筆者とテーマ】 谷津矢車 ◆桜田門外の変 早見 俊 ◆塙忠宝暗殺 新美 健 ◆清河八郎暗殺 鈴木英治 ◆佐久間象山暗殺 誉田龍一 ◆坂本龍馬暗殺 秋山香乃 ◆油小路の変 神家正成 ◆孝明天皇毒殺
幼い頃遭遇した事故のトラウマで、医者の夢が断たれた僕。そんな時に出会ったのは、天真爛漫な少女・さやこだ。彼女は左手でピアノを弾く、不思議な子だったーー。《欠陥》をもつ二人が奏でる、爽やかな青春恋愛ミステリ!
沖縄に押し寄せた数百のロシア製無人機は、あるひとりの天才エンジニアにより、見事撃墜された。しかし、ここで思わぬ事態が。そのエンジニアが提唱した「香港でフェイクニュースを流せ」という案が採用されたことで中国政府が香港のインターネット網を強引に遮断、それが全世界にも波及したのだ。中国ではeコマースが崩壊し、銀行の取り付け騒ぎも発生。戦争どころではなくなった。そんな混乱した状況下で、ハワイでは米中の最後の死闘が始まる。全世界を巻き込んだ、米中の戦いの行方はー?「第三次世界大戦」シリーズ、ここに閉幕。
異世界アザワルドに転移した無職の青年・楠一之丞(イチノジョウ)は、白狼族のハルワタート、半小人族のキャロル、仮面少女マリーナとともに旅を続けていた。その頃、ひとりの少女がこの世界に現れる。彼女の名前は楠ミリ。イチノジョウの妹にして、かつて魔王ファミリス・ラリテイと呼ばれていた少女だったー。「小説家になろう」開催「ネット小説大賞」金賞受賞作、シリーズ第5巻!
砂漠をさまよい、瀕死の状態でマスクラン村にたどりついたセリム。やがて目覚めた彼は、恩人イブラヒムに少しずつ身の上を語り始める。ヴァイオリンに心魅かれ、夢中で手ほどきを受けた少年の頃。ミリアムとの初恋。そんな日々をよそにかつての楽園シラケシュはいつしか全体主義に覆われていく。悲痛な思いを胸に放浪し、ついに魂をぶつけるにふさわしいサン=サーンスの曲を見出したとき、セリムに命を賭したヴァイオリン演奏の晩が訪れる。『囀る魚』のセシェがおくる魂の音楽小説。
奈子は、大学の通学路でいつもすれちがう男性がとても素敵で、ずっと気になっていた。話しかけることもできず日々は過ぎ、いつのまにか彼に逢えなくなってしまう。彼に再会する日を夢見る奈子。だが、親友の葵とともに彼をさがすも、いつもあと一歩のところですれちがってしまう。衝撃の結末が待ち受ける恋愛ミステリー。
高中真由子は、編集者の父と医師の母のもとで、何不自由なく育てられてきた。真由子が小学生のころ、隣家に二つ年下の百合の家族が引っ越してきて、二人は急速に仲良くなっていく。しかし、真由子が21歳になった冬、百合は真由子が幼いころからずっと思いを寄せてきた澤村諒一の子どもを妊娠したと告白した。その日から、真由子の復讐が始まるーー。 諒一と百合の子どもの名付け親になった真由子は、『痴人の愛』の「ナオミ」から、二人の息子に「直巳」と名付け、彼を「調教」していく。直巳が二十歳の誕生日を迎えた日、真由子は初めて、直巳に体を許す。それが最初で最後となるとも知らず……。 主演・中山美穂のテレビドラマも大きな話題を呼んだ、絢爛豪華な愛憎劇!
大人気「キュリー」シリーズ著者の最新作! 「さて、現場の謎を嗅ぎ解こうじゃないか!」特殊清掃員として働く桜庭潤平は、死者の放つ香りを他の匂いに変換する特殊体質になり困っていた。そんな時に出会ったのは、颯爽と白衣を翻し現場に現れたイケメン・風間由人准教授。分析フェチの彼に体質を見抜かれストーカー……助手にスカウトされた僕は、未解決の殺人現場に連れ出され!?分析フェチのイケメン助教授×死の香りをかぎ分ける青年の、新たな化学ミステリ!
借金の形に身を売られた旗本の娘の自害が相次ぐ。改易を恐れた旗本は娘に自殺を強要していた。扇太郎が預かる元遊女の朱鷺にも魔の手がのびる。江戸を揺るがす事件に乗じて町奉行の座を狙う鳥居、岡場所の利権を欲する一太郎、政権奪取を図る家斉派の幕閣の思惑が交錯する中、扇太郎も覚悟を決める。シリーズ、ついに山場へ!
グアム米軍基地で軍人を狙った首斬り殺人が頻発。数年前の日本で起きた惨劇との類似に、殺人鬼復活かと関係者は震撼する。米国海軍、空軍、中央保安局それぞれの思惑が交錯する中、かつて犯人に肉薄した朝倉が自衛隊警務官に身分を変えて招喚されることに!自衛隊出身の警察官「オッドアイ」が凶刃を追うシリーズ第3弾。
首相の非常事態宣言により警察上層部から指揮権を奪ったクラン。晴山警部補たちは身命を賭して黒幕「神」への足がかりを掴む。しかしその最中、「神」から命を狙われているはずの足ヶ瀬巡査が忽然と姿を消す。予測不能の裏切り、暗殺者との死闘。刑事たちは巨悪との最終決戦へ挑む。
あげる人もあげない人も、もらう人ももらわない人も、チョコが好きな人もそうじゃない人も、なぜか気になる日。心がザワザワする日ーー。本命チョコ、義理チョコ、友チョコ、義務チョコ、ご褒美チョコなど、様々な関係性でやりとりされる〈それ〉は、ただ甘いのか、ほろ苦いのか……。2月14日をめぐるドラマを8粒詰め合わせた限定アソート、文庫オリジナルで。 ◆収録作◆ 三羽省吾「ビターチョコにはほろ苦ピールを」中島要「初めて買ったチョコレート」木村紅美「灯台とチョコレート」秋吉理香子「マイ・ブラッディ・バレンタイン」加藤千恵「メロンソーダコーラ」鯨統一郎「バレンタインデーは誰のもの?」石井睦美「苦いチョコレート」朝比奈あすか「初恋」
宗陵元との深夜の死闘を演じた朝丘剛は、熱も冷めやらぬまま神戸を後にする。劉栄徳、由佐肇ーー二人の達人を破るべく武者修行を続ける剛。漂泊の星の下に生まれた男に安息の地はない。岡山に美作竹上流の本拠を訪ねた剛は鉢須賀了太に出食わす。偶然の再会にライバルたちの血は滾る。『修拳会館』で心の技を磨いた鉢須賀に道場破り同然の試合を申し込む剛。かつて闇試合で激闘を繰り広げた二人に決戦の火蓋は切って落とされた! 龍たらんと燃える男たちの熱き戦いを描く、格闘技小説シリーズ第四弾。
35歳の千穂は不妊治療を始めて10年。一方的に原因を押し付けられ、夫と義母からの嫌味に耐え続けてきた。ある日、夫の運転する車が男と接触してしまう。「金で解決しろ」と処理を押し付けられた千穂は、男に謝罪しようと姿を探し続ける。その過程で、被害者の男がディスカリキュリア(算数障害)であることに気付き手をさしのべようとする千穂と、その行動を訝しむ夫。一方的に疑われたことで、これまで抑えてきた感情を一気に爆発させた千穂は、ある事件を引き起こしてしまうのだったーー。
この作品には、小学校5年生から50代半ばまで、幅広い年齢層の女性たちが登場します。 読んでいくうちに、ご自分と近い「誰か」が見つかるのではないでしょうか。 彼女たちはそれぞれ、職場の人間関係や、睡眠障害、元彼のストーカー、娘の就活、子供ができない……などの問題に直面しています。ここで「あの人がいたから救われた!」「力を合わせて皆で解決!」という都合のいい展開にならないのが、著者の世界観。 では登場人物の葛藤が続くだけかというと、意外な人から思いもよらぬ「手」が差し延べられるのです。カフェという場でゆるやかに関わり合うだけでも人は変わっていけるーー読後、小さな、しかし確かな希望が胸に灯る小説です。 【登場人物】○のぞみ(27歳) お客。肌トラブルと職場の人間関係に悩む。○恵奈(小学校5年生) 店主・ヨシカの同級生、りつ子の娘。飼育栽培委員。○竹井さん(28歳) ランチのパート。睡眠障害気味。電車に乗れない。○ゆきえ(31歳) お客。仕事が忙しくて家事が出来ない。○とき子さん(50代半ば) 午後のパート。趣味は海外ドラマ鑑賞。○冬美先生(38歳) お客。ピアノ講師。子供が好きだが子供はいない。○ヨシカ(34歳) 店主。「ポースケ」を企画し、参加者を募る。