2018年7月発売
十津川警部の捜査ミスを煽る、容疑者のどす黒い策謀とはー。絶景スポットで、“海の宝石”を撮影した父は、なぜ殺されたのか。
徳川綱吉の治世下、川越藩の領内では、牛馬のための飼料や堆肥のための草を採取する秣場で、農民同士の諍いが絶えなかった。百姓の倅・正蔵も十のとき、男五人に襲われ、父・吉二郎を亡くした。新たに川越藩主となった柳沢保明(のちの吉保)は、側近の筆頭家老・曾根権太夫、懐刀の荻生惣右衛門(徂徠)を送りこみ、その地を畑地として開拓するよう命じる。果たしてその狙いは、領民の生活を豊かにするためなのか、それとも年貢を徴収し将軍・綱吉の歓心を買うためなのかー。埼玉新聞連載の話題作!
誰もが避けては通れない、 愛する人の、 そして自分の「最期」について静かな答えをくれる、 各紙誌で絶賛された現役医師のデビュー作。 2018年6月21日のNHK「ラジオ深夜便」にて紹介され、話題沸騰中! 「生とは何か。死とは何か。答えの出ない問いへの灯りのような一冊」(書評家・吉田伸子さん) 「本書を読んで何よりも私は、救われた、と感じた」(書評家・藤田香織さん) 大学病院の総合診療科から、「むさし訪問クリニック」への“左遷"を命じられた37歳の水戸倫子。そこは、在宅で「最期」を迎える患者専門の訪問診療クリニックだった。命を助けるために医師になった倫子は、そこで様々な患者と出会い、治らない、死を待つだけの患者と向き合うことの無力感に苛まれる。けれども、いくつもの死と、その死に秘められた切なすぎる“謎"を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けすることも、大切な医療ではないかと気づいていく。そして、脳梗塞の後遺症で、もう意志の疎通がはかれない父の最期について考え、苦しみ、逡巡しながらも、大きな決断を下す。その「時」を、倫子と母親は、どう迎えるのか?
〈王国〉周辺の海域を荒らし回る海賊連合〈南十字星〉の首魁アルバート・リスターが、海賊退治で勇名を馳せる海軍提督バロウズ卿を誘拐した。その救出命令を受けた若き海軍大尉アラン・クリフォードと大酒飲みの密偵ソープは、海賊に変装して〈南十字星〉への接近を試みる。しかし彼らを待ち受けていたのは、大海賊が遺した幻の財宝捜しと孤島で起きる連続殺人だった。【『北半球の南十字星』改題文庫化】
ショッピングサイト《ほしがり堂》を経営する深町ユリオは、筋金入りのマニアックなコレクター。古い家電や顔ハメ看板など、ガラクタにしか見えないモノに価値を見出し、お宝として売り捌く彼は事件を解決する名探偵でもあった! カウボーイグッズを身につけた被害者が落馬めいた死を遂げた事件、判じ絵ネタをする芸人宅で発見された被害者の傍にあった道具に隠されたメッセージ、食品サンプルコレクターの告別式で食品サンプルがばらまかれた謎など全5編。ほしがりの兄と苦労人の妹が、お宝をめぐる事件に挑む!
気まぐれな猫族の姫である王蜜の君が、なんと太鼓長屋の弥助のところに居候することに。弥助べったりの千弥がいい顔をするはずはなく、小妖の玉雪に至っては、大妖の気にあてられて弥助の家に近づけなくなる始末。そんななか、弥助の周辺で猫絡みのおかしな事件が頻発、おまけに仔猫を狙う不気味な女が出現するに至って、猫の守り手たる王蜜の君は放っておけず、事件の裏を探り始める。今回は猫だらけ、お江戸妖怪ファンタジイ第六弾。
250万部を超える大ベストセラー青春小説「君の膵臓をたべたい」。その著者、住野よるの第二作目が、待望の文庫化。友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女性、一人静かに余生をおくる老女。彼女たちの“幸せ”は、どこにあるのか。「やり直したい」ことがある、“今”がうまくいかない全ての人たちに贈る物語。
芸人になることを諦めた池上省吾は、便利屋でアルバイトをしていた。ある日、古びたボクシングジムの前で佇む女性を見かける。聞くと、ジムに立ち退きを迫っているらしい。一枚かんで金儲けをしようとジムに通うようになる省吾だが、そこでひとりの若いボクサーと出会い、ボクシングに魅力を感じ始める。やがて省吾自身の中であることが……。『罪の声』の著者が、綿密な取材を重ねて描いた意欲作。息を詰めるボクシングシーンや人物の深い心理描写はまさに圧巻!
シバロクこと柴山緑郎は、母校である中学の校長に着任した。問題が頻発していた学校を立て直すために、異例の若さで抜擢されたのだ。だが着任早々、ひとりの女性教師が自殺未遂を起こし、校内からはタバコの吸い殻が見つかる。その背景には、前任校長の身勝手な振る舞いがあったー。情熱と愛情をもって、生徒や教師に体当たりでぶつかってゆく新米校長の奮闘を描く。
映画化決定! 2018年9月より、全国順次公開。最後の1ページまで切ないーー人生の岐路に立つ若者の、ひたむきな恋と決断の物語。愛猫を亡くしたばかりの立花明海は古本屋で自己啓発本を買った。中には「大滝あかね」と書かれた名刺が挟まっていて、自分がもっとも心を打たれたフレーズには傍線が。明海は思い切ってあかねにメールしてみるが……。
昼寝とデートに明け暮れながらも、なぜか依頼人を次々と満足させる凄腕の復讐屋、成海慶介。婚約破棄されたお嬢様や暴走老人など、恨みを晴らしたい人々が今日もそのドアを叩く。押しかけ秘書の美菜代を従え、きょうも気怠く優雅な復讐劇が幕を開けるー。痛快リベンジコメディ!
緑川千春は広告代理店のデザイナーとして働く37歳。人手不足による残業、配慮のない上司たちに限界を感じ、なかば衝動的に会社を辞めることに。しかし、待っていたのは想像以上に厳しい現実だった。そんな千春を癒やしてくれたのは、音信不通のまま関係が途切れたかつての恋人が教えてくれた近所にある日本酒バー『drop』。マスターや、店で出会った人々との交流によって千春の人生は少しずつ変化していきー。人生の岐路に立つ女性の姿を丹念に描いた長編小説。
東京のアパレルメーカーに勤める浴衣デザイナーの宇佐美慎吾は、高校の美術部の部長だった清原早妃の誘いで、彼女が店長を務める郷里のセレクトショップで浴衣フェアを開催することに。高校卒業と同時に上京し十二年ぶりに地元に帰ってきた慎吾は、美術部の仲間と旧交を温めバツイチとなっていた早妃とは情まで交わすが、顧問の女教師で過去に恋心を打ち明けた雨宮響子の思わぬ事実を知るに至りー。書き下ろし長編性春エロス。
定年前に教職を辞し、故郷に帰ってきた59歳の五十嵐陽介。妻と死別するまで、陽介は長らく故郷の中学校で英語を教えていたが、その中学校の廃校が決まり、15年前に埋めたタイムカプセルを掘り出すことになった。当日、かつての同僚だった藤井慶子と再会した五十嵐は、カプセルに入っていた封筒を一緒に開ける。手紙を読み、当時は叶えられなかった恋心が甦った二人は、そのままめくるめく一夜を過ごす。書き下ろし回春エロス。
天明七年、江戸市中は飢饉の影響で混迷を極めていた。一方で長らく長岡玄蕃から裏の役目の命は下されず、手下の白澤を晒したことへの報復を恐れた八品商の元締めも鳴りを潜めていた。そのおかげで忠兵衛はおぶんや重太郎と束の間の平穏を味わっていたが、それは帳尻屋を襲う大嵐の前の静けさに過ぎなかったー。最凶の敵を相手にした空前絶後の闘い。結末はいかに!?大人気シリーズ、ここに堂々完結!!
霧の津軽沖で突如目撃された不気味な黒船。神出鬼没の船影は徐々に南下し、幕府を挑発するがごとく江戸に近づいてくる。これは国難の前触れなのか。狙いは何なのか。大奥御年寄・歌橋の密命を受けた不知火隼人は、黒船の正体を暴くべく、海岸への護りを固める安房館山藩へと向かう。折しも白浜の磯には碧眼の男が漂着。さらに、仕込み杖を遣う美貌の女剣士が現れる。剣戟の名手による伝説の娯楽大作、装いも新たに登場!
あたいは三毛の福にゃんこ。神田の生まれでチャキチャキ江戸猫、煮干しと昼寝が大好きで、お祭り騒ぎも後の祭りも、まーるいお目々でお見通しー。愉快で気ままでときどきホロリ、名前はなくとも誇りはある。映画『武士の家計簿』脚本家・柏田道夫が贈る傑作ねこ時代小説シリーズ、感動の最終巻!
完全書き下ろし!! 自称『超できる子』、魔王様の課題をクリアできるのか!? 『異世界人凶暴種』という異名を持つ、ドS魔導師の香坂御月は、 知略と人脈をフル活用した破天荒な手段でガニアの騒動を完璧に収め、イルフェナへと帰還した。 通例になっている魔王様からのお説教も無事クリアしたミヅキは、ある相談を受ける。 それは、王族とある貴族の間で起こった事件を『王族側に有利な形で決着をつけて欲しい』というものだった。 頭脳労働職を自負するミヅキはその依頼を引き受けることに。 「私は日頃から『悪巧みは得意』って、言ってるでしょ」 嫌な方向に賢いと評判のミヅキは『依頼通りに事件を解決』できるのか!? 全編書き下ろし、ドラマCDとノベルの豪華二本立てで送る、爽快・異世界ファンタジー、ここに登場!! ■キャスト ミヅキ 豊口めぐみ エルシュオン 小野友樹 アルジェント 鳥海浩輔 クラウス 石川界人 カイン 土田玲央 アベル 河本啓佑