2017年4月発売
シミが死んだという。あの頃、シミの部屋に流れていた音楽の名前は、いまだにわからない。あそこにいた連中の行方も。でもたしかなのは、ぼくらは音楽みたいに会話を交わし、怪しいバイトに手を染め、とびきり美味いアボカドスープを飲んだってこと。だけど、シミが死んだって、本当なのだろうかー?誰もが通り過ぎてきた人生の断片を、鮮やかに、ときに痛切に、詩的文体で描き出す。オルタナティヴ文学の旗手・坂口恭平が放つ、傑作青春小説。
9歳での初恋から23歳での命がけの恋までーー彼の人生を通り過ぎて行った、10人の乙女たち。 バルガス・リョサが高く評価する“ペルーの鬼才”による、振られ男の悲喜劇。ダンテ、セルバンテス、スタンダール、プルースト、ボルヘス、トルストイ、パステルナーク、ナボコフなどの名作を巧みに取り込んだ、日系小説家によるユーモア満載の傑作長篇! いつもほかの男と去っていった僕の愛しき戦友たちーーもしくはスペイン版第三版・メキシコ版初版への序文 絵空事への弁明ーーもしくはスペイン版第二版・ペルー版初版への序文 プロローグーースペイン語版初版への序文 第一章 カルメン 第二章 タイス 第三章 カロリーナ 第四章 アリシア 第五章 カミーユ 第六章 アレハンドラ 第七章 アナ・ルシア 第八章 レベカ 第九章 ニノチカ 第十章 イツェル エピローグ 解説 リカルド・ゴンサレス・ビヒル
「俺の名は『ユウキ・グレン・オーガス』!ラバールの聖騎士である!」宿敵との決戦の果て、奈落へと堕ちた聖騎士ユウキ。彼が目覚めるとそこは、見慣れぬ建物が並ぶ異形の街ー現代日本だった!警官に補導されたり妹に魔剣を折られたりしたユウキは、いろいろと勘違いしたまま高校に通うことに。鎧を着て通学したり異世界での旅の思い出を語ったりと、周囲から重度の中二病認定されながら学園生活を送るユウキ。しかしそんな彼のぶれない聖騎士っぷりが、悩みを抱える少女達の心を救っていき…!?これは、異世界の聖騎士さんが囚われの姫の涙を止める物語…かな?
好きな時代は古代ローマ、尊敬する偉人はローマの英雄ユリウス・カエサルーそんなローマ好きの高校生・糸原聖也はある日、月の女神を名乗る美女に異世界へと転送される。そこは古代ローマそっくりの世界。セイヤは憧れのカエサルに出会えたが…異世界のカエサルはユリアという名の金髪美少女だった!!ユリアの家に住むことになったセイヤは、衰退するローマを変えるユリアの夢を知り、協力を誓う。ところがユリアは女好きで借金まみれの問題児!?セイヤはユリアが計画する公共事業とイベント開催の資金を借りに行くことになりー!?少女の夢が世界を変える異世界英雄ファンタジー、堂々開幕!
世界最大の情報機関『大図書館』には『死書』を扱う『史書記』がいる。彼らの使命は、無作為に人に取り憑き、過去の事件を再現させる霊物『死書』の回収。新人史書記レイン・ジークは、正式に史書記の認可を受ける儀式『神授式』へ参列するためシュレイの街を訪れていた。街を訪れた史書記は、レインを含め七人。親交を深めようとした矢先、『D・C・アドラー』を名乗る人物から、史書記を標的とする連続殺人予告が七人の死書に浮かび上がる。第一の殺人が起きたのち、容疑者となったのはレインで…!?これは死書の再現か、意志のある殺人か。-すべてを暴け。そしてー「この七日間の真相は?」
崔致修殺害事件は関わった者たちの処刑で幕を下ろした。 平穏を取り戻そうとしていた平沙里は干ばつに襲われ、崔参判家の財産を狙う没落両班の趙俊九は妻子を連れて乗り込んできた。 災厄は続く。コレラの流行が多くの死者を出し、参判家の跡取り娘・西姫は後ろ盾となる人々を失った。翌年には麦が大凶作となり、趙俊九はこの機に乗じて参判家の実権を握るべく卑劣な手段で攻勢に出た。幼いながらも西姫は当主として果敢に立ち向かい、寿童、吉祥、鳳順、俊九に反発する一部の農民と共に、大胆な反撃に出た。誇り高き西姫の戦いがここから始まる。 第一部 第三篇 終わりと芽生え 十一章 救われた魂 十二章 荷車に乗った少年 十三章 レンギョウを摘んで 十四章 斜陽の挽歌 十五章 帰ってきた任の母 十六章 李府使家の坊ちゃん 十七章 西姫の外出 十八章 襲撃 十九章 欲情のいけにえ 二十章 金書房の女房 二十一章 底なし沼 第四篇 疫病と凶作 一章 ソウルから来た客たち 二章 発病 三章 私刑 四章 至る所に死に神が 五章 生と死 六章 ポソンを照らす日差し 七章 酒幕で会った老人 八章 帰郷 九章 世論 十章 浮雲のような幸福 十一章 牛観の下山 十二章 騒動 十三章 凶作 十四章 生ける屍しかばね 十五章 わが友、カラスよ 訳注 崔参判邸の見取り図 訳者解説
台湾のプロ野球で八百長に手を染め、罪から逃れるために次々と殺しを重ねた加倉昭彦。居場所を失い、顔も名前も変えて過去を抹消、逃れ着いたのはサッカーの地イタリアだったー。イタリアの黒社会では、殺し以外の仕事なら何でも請け負い、いつしか「暗手」-暗闇から伸びてくる手ーと呼ばれるようになっていた。そんなある日、サッカー賭博の帝王・王天から、中堅チームに所属する日本人ゴールキーパー・大森怜央に八百長をさせろとの依頼が舞い込む。計画実行に向けて着実に準備を進めていく加倉だったが、大森の姉の写真を目にしてから過去の記憶がよみがえり、計画の歯車が狂い始める…。
NO CATS, NO LIFE !楽しいときも、悲しいときも、いつでも側に“君”がいる猫好きの、猫好きによる、猫好きのための“にゃんだふる”なアンソロジー!〈猫小説〉有川浩、町田康、真梨幸子、小松エメル、蛭田亜紗子〈猫マンガ〉益田ミリ、ねこまき(ミューズワーク)、北道正幸、ちっぴ NO CATS, NO LIFE ! 楽しいときも、悲しいときも、いつでも側に“君”がいる 猫好きの、猫好きによる、猫好きのための “にゃんだふる”なひと時をあなたに!! 〈猫小説〉 有川浩 『猫の島』 町田康 『諧和会議』 真梨幸子 『まりも日記』 小松エメル 『黒猫』 蛭田亜紗子 『ファントム・ペインのしっぽ』 〈猫マンガ〉 益田ミリ 『鈴を鳴らして』 ねこまき(ミューズワーク)『猫の島の郵便屋さん』 北道正幸『ネコ・ラ・イフ』 ちっぴ『ヅカねこ』 〈猫小説〉 猫の島……有川浩 諧和会議……町田康 まりも日記……真梨幸子 黒猫……小松エメル ファントム・ペインのしっぽ……蛭田亜紗子 〈猫マンガ〉 鈴を鳴らして……益田ミリ 猫の島の郵便屋さん……ねこまき(ミューズワーク) ネコ・ラ・イフ……北道正幸 ヅカねこ……ちっぴ
若き日の堀田我南人はコンサート帰りに、ある女子高校生と出会った。名は秋実。彼女はアイドルとして活躍する親友・桐子の窮地を救うため、ひそかに東京に来たという。話を聞いた我南人と、古書店“東京バンドワゴン”の一同は、彼女のために一肌脱ぐが、思いもよらぬ大騒動に発展し…?下町の大家族が店に舞い込む謎を解決する人気シリーズ、番外長編!
家族と本をこよなく愛する3人の子どもの母アリス。パート編集者として書評を書き、親友スザンナの経営する書店に通う平穏な暮らしのなか、弁護士の夫ニコラスが失業、突然フルタイムで働くことに!就活の末、拾われたのは巨大ショッピングモールで成功した新興企業。ニューヨークに新形態の書店を出店するという。「未来の書店」というコンセプトに、アリスは大きな希望を抱く。スザンナには大反対されながらも、夫と子どもの応援を受けて働き始めるアリス。最先端の職場では聞き慣れない略語が飛び交い、24時間指示メールを受け取る嵐のような日々。家事はおざなり、育児もシッター任せとなり、夫はイマイチ頼りにならず、子どもとの間も微妙に…ある日、アリスのなかで何かが切れる。
海外の怪奇幻想小説から、傑作を選りすぐり、 一流の翻訳で、ホラー愛好者に贈るナイトランド叢書。 第2期第5回配本刊行! ラヴクラフトの高弟にして、短篇小説の名手ダーレスの、怖くて優しく、奇妙な物語の数々。 少女を守る「ジョージおじさん」の幽霊、夜行列車の個室で待ち受ける物言わぬ老人、ライラック香る屋敷に隠れ住む姉妹……。 本書に登場する奇怪な人々は、あなたのそばにいるかもしれません……。 前書き ジョージおじさん パリントンの淵 プラハから来た紳士 B十七号鉄橋の男 幸いなるかな、柔和なる者 マーラ 青い眼鏡 アラナ 死者の靴 客間の干し首 黒猫バルー 余計な乗客 ライラックに吹く風 ミス・エスパーソン ロスト・ヴァレー行き夜行列車 ビショップス・ギャンビット マニフォールド夫人
関西某県の田舎町・獅子追の交番に異動した澤登耀司、30歳。過疎化が進む人口わずか4万人の町から、耀司の同期で交番勤務していた長原信介が姿を消した。県警本部が捜査に乗り出すも、長原の行方は見つからなかった。突然の失踪。長原は事件に巻き込まれたのか。耀司は先輩警官・晃光に振り回されながら長原失踪の真相を探っていく。やがて、町のゴミ屋敷の住人だった毛利宅が放火され、家主・淳一郎の遺体が見つかった。耀司は、長原が失踪直前に毛利淳一郎に会いに行っていたことを掴むが……。
自分を生き抜く力を伝える、ロングベストセラー小説の愛蔵決定版。中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、夏のひと月をママのママ、西の魔女と呼ぶおばあちゃんと共に暮す。感受性が強く生きにくいと言われたまいは、その性質を抱えて生きるために魔女修行に取り組むーー初刊から23年を経て、書下ろし短篇おばあちゃんのモノローグ「かまどに小枝を」等表題作に繫がる三作も収録。
目を細めると、今も白い雪山が見えるーー。米国注目のロシア系移民作家が描く、切なくも美しい9篇の物語。同じ飛行機に乗りあわせたサッカー選手からのデートの誘い。幼少期の親友からの二十年ぶりの連絡。最愛の相手と死別した祖父の思い出話。かつて強制収容所が置かれたロシア北東部の町マガダンで、長くこの土地に暮らす一族と、流れ着いた芸術家や元囚人たちの人生が交差する。米国で脚光を浴びる女性作家による、鮮烈なデビュー短篇集。
香りとともに、甘やかに立ち上るあの人との時間と記憶。シャネル、ゲラン、クリード、トム・フォード、クロエー実在の香水から喚起された36の情景を描くショートストーリー集。