2013年2月発売
かつてのグレイのサブミッシブはストーカーとなり、ミセス・ロビンソンの執拗な妨害もやまなかった。アナとグレイの試練はいつまで続くのか?それでもアナはグレイの悲惨な過去を理解して、彼の心の光になろうと奮闘していた。やがてグレイもアナを心から愛するようになるが…。ふたりの愛は成就するのか?ユニバーサル・ピクチャーズ大型映画化決定。感動と官能のラブ・ストーリー。
遙かな未来、人類は辺境の惑星アリエカに居留地“エンバシータウン”を建設し、謎めいた先住種族と共存していた。アリエカ人は、口に相当する二つの器官から同時に発話するという特殊な言語構造を持っている。そのため人類は、彼らと意思疎通できる能力を備えた“大使”をクローン生成し外交を行っていた。だが、平穏だったアリエカ社会は、ある日を境に大きな変化に見舞われる。新任大使エズ/ラーが赴任、異端の力を持つエズ/ラーの言葉は、あたかも麻薬のようにアリエカ人の間に浸透し、この星を動乱の渦に巻き込んでいった…。現代SFの旗手が描く新世代の異星SF。ローカス賞SF長篇部門受賞。
舞台は江戸深川。主人公は、22歳の古橋笙之介。上総国搗根藩で小納戸役を仰せつかる古橋家の次男坊。大好きだった父が賄賂を受け取った疑いをかけられて自刃。兄が蟄居の身となったため、江戸へやって来た笙之介は、父の汚名をそそぎたい、という思いを胸に秘め、深川の富勘長屋に住み、写本の仕事で生計をたてながら事件の真相究明にあたる。父の自刃には搗根藩の御家騒動がからんでいた。▼ミステリアスな事件が次々と起きるなか、傷ついた笙之介は思いを遂げることができるのか。「家族は万能薬ではありません」と語る著者が用意した思いがけない結末とは。▼厳しい現実を心の奥底にしまい、貸本屋・治兵衛が持ってきたくれた仕事に目を開かれ、「桜の精」との淡い恋にやきもきする笙之介の姿が微笑ましく、思わず応援したくなる人も多いはず。▼人生の切なさ、ほろ苦さ、そして長屋の人々の温かさが心に沁みる物語。ストーリーテラー・宮部みゆきの新境地!
超人気ホラーゲーム「青鬼」公式ノベル化!▼原作者nopropsのもとに執筆・黒田研二(「真かまいたちの夜」シナリオ担当)イラスト・キャラクターデザイン・鈴羅木かりん(コミック「ひぐらしのなく頃に」)といった豪華制作陣が集結!▼≪あらすじ≫▼転校生のシュンは、化け物が現われると噂される<ジェイルハウス>の前で同級生らと出会い、不気味な洋館へと足を踏み入れてしまう。▼響き渡る怪しげな物音。こちらを覗き込む血走った目玉。突如、転げ落ちる甲冑の頭部…。恐怖に駆られた中学生六人は、建物から逃げ出そうと玄関に向かうが、なぜか扉はびくとも動かない。▼「ねえ、シュン君。もしかして私たち、ここに閉じ込められちゃったんじゃないの?」▼脱出を試みる彼らに、この世のものとは思えぬ巨大な青い影が忍び寄る。未知なる生物か? あるいは、去年の暮れに事故死した元クラスメイト<直樹>の亡霊か? 青鬼に捕まれば殺されるーー▼史上最悪の鬼ごっこが今ここに始まった!
すべてを失った十三歳の少年、空々空。感情を持たず、感性に欠けるがゆえにヒーローであることを強いられる、地球撲滅軍第九機動室室長。彼のもとに届いた悲痛なる事件の報せは、地球からの新たなる攻撃なのか?真相を探る英雄の前に立ちはだかるは…、魔法少女!?悲鳴から始まる英雄譚、第二弾。
抜きんでた才覚を見込まれ、儒者でありながら右大臣まで上りつめた道真。貴族たちのうごめく野心と、業平と高子らの恋の傍らで、政治家として奔走した劇的な生涯を描く本格歴史小説。
董卓亡き後、さらに苦境に陥った帝を助けた曹操は、丞相となり朝廷で躍進。また若き孫策は江東を平定し、小覇王と呼ばれるように。さらに淮南では、強大な勢力を誇る袁術が、自らを帝王と称しはじめる。群雄が並び立つ中、呂布は袁術との同盟を破棄して怒りを買い、曹操にも狙われることに。そして翻弄される劉備の明暗は!? 栄華と混戦の第三巻。
丞相曹操の権力はいよいよ強大になり、許田の猟において献帝を軽んじるような行動に出る。憂いを深めた献帝は、信頼する大臣の董承に曹操暗殺の秘勅を降す。曹操の庇護のもと許都で暮らす劉備も、密かにその連判に加わることになる。苦闘と忠義の第四巻。
槍の宝蔵院を訪ねた武蔵。傲岸な法師・阿巌を瞬殺するも、老僧・日観に「もっと弱くなれ」と諭され、例えようのない敗北感にひしがれる。修行のためと置き去りにしたお通の残像に惑う恋心。さらに、鼻息荒く乗り込んだ小柳生城ではやむなく逃亡することに…。ついに、美少年・佐々木小次郎登場!因縁の歯車が動き出す。渦巻く功名心、恋心、敗北感…腕力満載、疾風怒涛の第二巻。
結婚して十年。夫婦関係はとうに冷めていた。夫の浮気に気づいても理津子は超然としていられるはずだった(「妻の超然」)。九州男児なのに下戸の僕は、NPO活動を強要する酒好きの彼女に罵倒される(「下戸の超然」)。腫瘍手術を控えた女性作家の胸をよぎる自らの来歴。「文学の終焉」を予兆する凶悪な問題作(「作家の超然」)。三つの都市を舞台に「超然」とは何かを問う傑作中編集。
熊本、秋月、萩、士族による乱が次々と起こる。銀座に棲むサムライ・久保田宗八郎は西から吹く風に男たちの絶望のにおいを嗅いだ。そして西南戦争が勃発。友たる市来巡査も複雑な心境を抱え出征してゆく。ご一新から九年、命の捨てどころを探し続けた宗八郎。ふたりの女からひたむきな愛を受け取り、悪鬼羅刹の如き宿敵との対決に赴く。傑作の誉れ高き三部作、熱涙溢れる完結篇。
美貌の産婦人科医・曾根崎理恵、人呼んで冷徹な魔女。彼女は母に問う。ママ、私の子どもを産んでくれないー?日本では許されぬ代理出産に悩む、母・山咲みどり。これは誰の子どもか。私が産むのは、子か、孫か。やがて明らかになる魔女の嘘は、母娘の関係を変化させ…。『ジーン・ワルツ』で語られなかった、もう一つの物語。新世紀のメディカル・エンターテインメント第2弾。
俺の夢は、メディアの制覇だー。終戦直後の日本。若き新聞記者、渋沢はある船舶事故に遭遇。一人生き延びた彼は、事故をめぐる重大な秘密と引き換えに、出世の階段を登り始める。時は移り、現代。IT企業の社長、芦野は電子書籍ビジネスに目を付けた。そのコンテンツ獲得のために、今や極東グループの会長となった渋沢に接触を試みる。時代を予言する衝撃のエンタテインメント。
メディアの独裁者vs.IT業界の風雲児。勝利を収めるのはどちらだ!?かつてテレビと出版のメディアミックスを成功させた渋沢は、電子出版に新たな事業の可能性を見いだし、密かに策を練る。一方、渋沢の協力を得られなかった芦野は、独自のルートでコンテンツを集め、ついに電子書籍端末を世に送り出すー。ビジネスの開拓者らが繰り広げる熾烈な攻防戦を描く、白熱の人間ドラマ。
智勇度胸を懐に、韋駄天のごとく諸国を駆け抜ける影の飛脚たち。憂国志士をかたる無頼漢から商家のドラ息子奪還に挑む鶴吉。烏合の衆を率いて、河川増水で閉ざされた帰路を切り開く、宇三郎。そして、弟のように育てた次郎吉を迎えに上総を訪れた治助は、男の逞しい成長と世の変遷を肌身で感じる。血を熱くする活劇。胸に灯点す人の情。志水辰夫第三の黄金期を示す、三作を収録。
不甲斐ない彼氏と理不尽な職場を捨て、ひとり旅に出た弥生は、滞在先の上海で葉月蓮介と出会う。蓮介は、高級家具を扱うレゴリスの若き経営者として注目される存在だった。一方、この街に住むシュウメイは、美貌を買われ、レゴリスのCMモデルに選ばれるも、それをきっぱりと断っていたー。恋は前触れもなく、始まった。道尾秀介があなたに贈る、絆と再生のラブ・ストーリー。
澪湖は大学三年生。父の妹の和を幼少の頃から母親より慕っていた。その叔母が、最近、どこかおかしい。叔母夫婦はようやく恵まれた愛娘を生後五カ月で亡くしていた。それで、精神に変調を来したのだろうか。大きな悲嘆が彼女を壊してしまったのか…澪湖の疑惑は深まるばかり。不安な彼女を支えてくれたのは、オタク青年木塚くんだったー独自の文体で、人格変容の恐怖を探る長編。