2005年11月発売
神々しいまでの美青年アラン、スキュドモール伯爵夫人、その娘カミーユ-わずか三人の登場人物が暗鬱なノルマンディの古城に繰り広げる、極限の愛と愛の不可能性の物語。オスカー・ワイルドが英訳を手掛けたデカダン派巨匠の禁断の長篇小説。
早朝、汽車に乗り込んだ「きみ」はローマに住む愛人とパリで同棲する決意をしていた。「きみ」の内面はローマを背景とした愛の歓びに彩られていたが、旅の疲労とともに…。一九五〇年代の文壇に二人称の語りで颯爽と登場したフランス小説。ルノードー賞受賞作。
映画『大停電の夜に』のもうひとつの物語。-それは、あなた自身の物語かもしれない。忘れられない人、ままならぬ思い、断絶した親子愛、淡い初恋、ささやかなふれあい、そして最後に残る、人の温もり…。10人の男女の人生が東京の空の下、交錯する。
交際3年。求婚済み。年の差なし。ここが世界の頂点だと思っていた。こんな生活がずっと続くんだと思っていたー。精緻にしてキュート。清冽で伸びやか。いま最注目、野間文芸新人賞作家が放つ恋愛長編。
300倍の難関を潜り抜け、日本から江戸国へ入国を果たした大学生の辰次郎。連れは、元外資系金融勤務の時代劇オタク松吉(NY出身・24歳)&28ケ国を渡り歩いた海外旅行マニアの奈美(25歳)。身請け先は、容貌魁偉、冷酷無比、極悪非道、厚顔無恥、大盗賊も思わずびびる「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった!ゴメスは、辰次郎に致死率100%の疫病「鬼赤痢」の謎を追えと命じるー。第17回日本ファンタジーノベル大賞・大賞受賞作。
明日から夏休みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕は、彼が家の中で首を吊っているのを発見する。慌てて学校に戻り、先生が警察と一緒に駆け付けてみると、なぜか死体は消えていた。「嘘じゃない。確かに見たんだ!」混乱する僕の前に、今度はS君の生まれ変わりと称するモノが現れ、訴えた。-僕は、殺されたんだ。半信半疑のまま、僕と妹・ミカはS君に言われるままに、真相を探る調査を開始した。
病院長の孫娘が誘拐された。犯人からは、人質の黒髪と、前代未聞の要求が突きつけられる。身代金代わりに、入院中の患者を殺せ、というのだ。しかもその人物は、病院のスポンサーでもあり、政財界を巻き込んだ疑獄事件で裁判を待つ被告人だった。悩む家族、後手に回る警察。人質救出の極秘作戦が病院内で幕を開ける。そこに第二の事件がー。
身代金の代わりに「殺人」を求める異常な事件に続いて起こった第二の誘拐。今度の人質は19歳の大学生だった。犯人の周到な計画に翻弄される警察。試練を受け、新たな歩みを始める家族。謎は深まり、やがて恐るべき秘密が浮かびあがる…。スリリングな展開、迫真の描写。そして感動のラストへ!最後に誘拐の果実を手にする者は誰なのか。
はるか古代から続く「ヒ」一族は、国が動乱期にさしかかると、特殊な能力を使って危機を救ってきたといわれる。その能力とは、御鏡、依玉、伊吹と呼ばれる三種の神器を使ったテレパシー、テレポーテーションであった。物語は戦国の世、織田信長の比叡山焼き討ちから始まり、関ヶ原、幕末、太平洋戦争、そして戦後の混乱期へと四百年の時を越える。歴史の襞の中で動く「ヒ」一族を圧倒的スケールで描くSF伝奇ロマンの傑作。
ハロウィーンの夜。映画スタジオと隣り合う墓地。夢の都。死の都。出没する死者。跳梁する怪物。秘密の地下道。謎が探偵小説作家を惑わせる。長きにわたって入手困難だった謎と怪奇の物語、待望の復刊。
海軍特別幹部練習生として入隊した少年の日記に綴られる、上官によるいじめ、同輩の衰弱死、特攻死への恐怖、そして原爆のキノコ雲……。著者の戦争体験を色濃く反映した表題作ほか五篇を収録。好評第四回配本。
大手都市銀行に勤務するエリートサラリーマンの夫、美貌の料理研究家として脚光を浴びる妻、母のアシスタントを務める長女に、進学校に通う長男。その幸せな家庭の裏で、四人がそれぞれ抱える”秘密”とは。
群雄割拠の戦国時代を制した家康が、ついに没した。外様大名と旗本の抗争が激化し、ふたたび戦乱の気配が…。家康の遺命により幕権を委ねられた宰相土井利勝は、戦国の世と訣別すべく、あえて「悪」を行う。
幕閣、旗本、外様大名の思惑が複雑に交錯し、事態は伊賀上野の壮絶な死闘に逢着する。世に名高い「鍵屋ノ辻」での仇討ちである。討つ者と討たれる者が交す白刃のうちに「義」が煌く。
親友との喧嘩や不良グループとの確執。中学二年のさくらの毎日は憂鬱。ある日人類を救う宇宙船を開発中の不思議な男性、智さんと出会い事件に巻き込まれる。揺れる少女の想いを描く、直球青春ストーリー!