2001年5月31日発売
中大兄皇子伝(下)中大兄皇子伝(下)
禁忌は、破るためにある。進まない改革、唐・新羅の侵略の恐怖。理想に胸を焦がした権力者は、焦燥と妄想の狭間で、弟を憎み、そして妹を欲した。既得権益に淫する勢力に立ち向かう困難さと、革命者の孤独と猜疑心を描いた気迫の歴史大作、ついに最終章へ。
ジハード(9)ジハード(9)
エルシードが凶刃に倒れた!ヴァレリー、リチャードがともに膠着状態の均衡を破ろうとした折りも折り。イスラムにとって、人ならぬ神ーエルシードの不在は大きい。しかし、これ以上戦が長引けば聖都は飢えに苦しみ、徒に戦闘意欲を失う。この戦いに勝利し、休戦交渉を有利に運ばなければ、イスラムに未来はない。決意を秘めた戦いが始まった。
心臓抜き心臓抜き
過去を持たず、空虚な存在として生まれた精神科医ジャックモール。その精神分析は、他者の欲望・願望を吸収して自己を満たすために施される…本書は、軽みとペシミズムが同居するいつもながらのヴィアン風味を保ちながらも、後者により比重のかかった著者最後の長篇小説である。ジャックモールのうつろで行き場のない姿を、発表後50年経った現在を生きる若者に重ね合わせてみるのも、決して無謀な試みとは言えないだろう。
最後の特派員(下)最後の特派員(下)
打ちのめされても絶望しても、生きていれば愛にめぐりあう。学業を途中で投げだしたウブな乙女が男だけの修羅場に乗りこんで…彼女が花火だと思ったのは戦場の砲火だった。平和に慣れきった目に映る、まさかの連続。這いつくばって逃げ延びた彼女に残されたものは…。ぎりぎりの愛の強さと純粋さ。あなたの知らない世界がここにある。増えつづけるダニエル・スティールファン必読の傑作。
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