1993年10月発売
嵐の絆嵐の絆
大西洋横断ヨット・レース優勝などで名を馳せ、いまは造船所を経営している英国の冒険家ブラックバーンは、愛する妻が殺されたことを知った。二人一緒に帆走に出かけるはずだった船が、偶然妻が一人で乗っているあいだに何者かによって爆破されたのだった。警察の推理を聞いて、ブラックバーンは耳を疑った。遺産相続を狙った、娘のニコルの仕業ではないかというのだ。そんなはずはない、と彼は激しく否定した。勇敢なヨット乗りだったニコルは、双子の弟が死んでから不安定になり、ある日過激な環境保護組織〈ジェネシス〉に身を投じると宣言して出奔したまま消息を絶っていた。そんな折、核実験への抗議運動を報じる新聞写真の中にニコルが写っているのをブラックバーンは発見した。いまや残されたただ一人の家族への思いに衝き動かされ、娘に会うため、彼は旅立ちを決意する。それが、神のつくった最後の土地、嵐吹きすさぶパタゴニアの海まで続く苛酷な闘いの旅になるとは知らずに…。英国冒険小説の新旗手が放つ、白熱の冒険サスペンス。
神異伝(4)神異伝(4)
聖徳太子の『未来記』に記された現界と夢界の秘密を巡って、神異僧・明恵は、鎌倉幕府や高千穂御先衆と壮絶な戦いを繰り広げてきた。一方、壇ノ浦にその幼い命を散らしたはずの安徳帝が存命していることを知った、平家の侍大将・悪七兵衛景清は、散逸した三種の神器のひとつ、天叢雲の剣を奪取すべく、女木島などの名だたる海賊衆の支援をうけて、謎の商人・大黒大夫のもとへとのりこんだ。最古の呪術者の王統を継ぐ安徳帝の目的とは!?いよいよ佳境を迎える超歴史伝奇大河ロマン第四弾登場。