1992年発売
ぼくは13歳。本当なら中学1年なんだけど学校には行ってない。だって、立派な一流の泥棒になるためには勉強なんか関係ないからね。前科2犯の父さんと結婚詐欺師の母さんがそう言ってた。今回ぼくらが挑むのは、全国からスゴ腕の怪盗が集まる泥棒競技会。昔、桃太郎が隠した宝物を探すんだ。でも父さん、この大会どこか怪しくない?母さん、ぼくらは大丈夫かな?文庫書下ろし。
肥前佐賀の大名、鍋島直茂は関ヶ原の合戦で二股をかけた。初め西軍についた直茂は、家康の勝利を確信するや、豊臣方の立花宗茂を隣国・柳川城に攻め、領地安泰をはかったのである。その直茂が自らの墓碑に豊臣家への忠誠を表す「豊臣朝臣」の文字を刻んだ真意とは…。表題作「権謀の裏」をはじめ、武士の激しく哀しい生きざまと、内に秘められた思いを峻烈に描いた秀作10編を収録。
臨時党大会の最中、ゴルバチョフが狙撃された。党内保守派の「愛国者同盟」のメンバーは、ゴルバチョフが健康回復とともに党内の粛清に乗り出すことを恐れ、軍・KGBとともにクーデターにふみきった…。食糧危機、民族問題、労働者の反乱、権力の腐敗など、ペレストロイカの失敗の陰でロシヤが抱える恐るべき現実を、亡命作家トーポリが赤裸々に描く迫真のポリティカル・ノベル。
映画祭で賑うモスクワのホテルで、4人の男が毒殺される。被害者のひとりが取材していた映画関係者たちを結ぶ1本の線とは?事件は殺人というレベルを超え、大規模な同時多発テロ計画へと発展して行く。捜査陣をあざ笑うかのように跳梁する首謀者を追うロストニコフ。彼の胸には、自身と妻だけが知るある計画が秘められていたー。好評のロストニコフ捜査官シリーズ第3弾。
キングダムは、カナダとの国境に近い小さな田舎町です。13歳の「ぼく」の楽しみといえば、町を流れる川での鱒釣りと、雑音の多いラジオで野球の試合を聞くことくらいです。この町の教会に黒人の牧師が赴任してきました。しかし、この町の唯一の黒人となったアンドリュース牧師にとり、ここは決して暮しやすい町ではありませんでしたー。町の人々の生活や心情を生き生きと描く長編。
町の創立以来これといったできごともなかったキングダムで、旅回りのストリップ劇団に拾われてやって来た少女が、何者かに惨殺されるという事件が起きました。犯人として逮捕されたのはアンドリュース牧師。弁護士で「ぼく」の兄のチャーリーが、牧師の無実の罪を晴らすべく立ち上がりましたー。自然に恵まれた牧歌的な田舎町を舞台に、人々の寛容と偏見が共に描き出されていく。
一滴の血も流すことなく〈正義〉を貫くことは可能か?アンタミア標準暦4759年、一隻の星間連絡船が無人の惑星に漂着したことからドラマは始まった。銀河宇宙を舞台に絶対非暴力主義の行方を問う。第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作。
ある日突然、放浪の相場師と呼ばれた男から母に五億円が遺贈され、一家はばらばらに。僕の生まれは…、男の意図は…。家族の絆を取り戻すためサッカー少年の僕は真相を探りに乗り出した-。さわやかな長篇ミステリー。
銀河暦6303年、〈調査局〉に勤めるロハスのもとに最後のマサイ族マンダカが訪れた。三千年以上、所在不明になっているキリマンジャロ・エレファントの象牙を見つけてほしいという依頼だった。調査を始めたロハスは、悠久の歴史の中でこの史上最大の象牙がたどった数奇な運命と、象牙にかかわった人々の織りなす多様なドラマを垣間見ることになる…。アメリカSF界で人気絶頂のレズニックが満を持してはなつ銀河叙事詩。
五十万年前に太陽系を訪れ、なにに使うかもわからない奇妙な物や不思議な建造物を残したまま、いずこかへ消え去った謎の異星人ヒーチー。金星の地下都市スピンドルに住むウォルサーズは、そのヒーチーの残したトンネルに観光客を案内して生計をたてている。めったに来ない大金持ちの観光客をつかまえたウォルサーズの命がけのトンネル・ガイドを描く「金星の商人」ほかの連作を収録する巨匠ポールの人気シリーズ番外篇。
魔法の力は人を狂気に導くーケイス王国ではだれもがそう信じて魔法を恐れ、魔力を持つ者を抹殺する儀式が定着していた。ケイスの王女アサーヤも、やはり魔法を恐れるひとりだった。そんなアサーヤに、ある日、魔法が野放しになっていることで悪名高い隣国レイカにおもむけという父の勅命が下った。いやいやレイカへと旅立ったアサーヤを待ち受けていたのは、想像を絶する恐ろしい運命だった…。新人の力作シリーズ登場。
錠前破りのプロ〈ブレイカー〉が警視庁の依頼を受け、国家機密を守るため困難な錠前破りに挑戦する「ブレイキング・ゲーム」、禁煙条令の施行により、喫煙が犯罪とみなされる社会で、タバコを喫う男たちの秘密結社が体制に立ち向かっていく「スモーキング・ゲーム」、ある日突然、巨大な迷路世界に投げ込まれてしまった男の困惑を描く「メイズィング・ゲーム」などさまざまな人生ゲームの虜となった男たちの物語り。
深い闇に包まれた夜の森の中で、忌わしき惨劇に見舞われた美しい少女ディー。それ以来、彼女の幼い心は、夜ごと訪れる悪夢に苛まれ続けていた。どこからか聞こえてくる“声”が「父親を殺せ」と囁くのだ。愛する娘の異変に気づいたブリーマーは、彼女の精神を支配しようとする邪悪な力と対決すべく、ついに銃を握ったが…。P・K・ディックの絶賛を浴びて登場した鬼才が、圧倒的な筆力で描破する恐怖と異常世界。
射殺した被害者の死体を、鋭利なナイフで十文字に切り裂く連続殺人犯。ラスヴェガスを恐怖に陥れた狡猾な殺人鬼は、元ニューヨーク市警の精神異常犯罪捜査官スタインに、不可解なメッセージを送りつけてきたー。「おまえが使命を果たすためにラスヴェガスへ来ないのなら、誘拐した少女の指を一本ずつ切断する」というのだ。さらなる凶行を阻止すべく、スタインは狂気に支配された多重人格の犯罪者との心理戦を開始した。
うますぎる話には罠がある。アパートに忍び込み、小箱を盗み出すだけで5千ドルの報酬をくれるという。だが、家捜しを始めたとたん、パトロール警官の二人組に踏み込まれた。その上、寝室からは死体が見つかり、私は当然殺人犯として追われるはめに。容疑を晴らし、再びプロの泥棒としての仕事をするためにも、自分の手で事件を解決しなくてはならない。マンハッタンの泥棒探偵バーニイ・ローデンバー、小粋に文庫初登場。