1991年11月発売
「姉を、助けて」新進作家霞田志郎は、ファンの女子高生水沢美智子に、失踪した姉圭子の捜索を依頼された。姉妹の父正一は、中国陶磁蒐集で知られ、悲劇の武将岳飛愛用の“上海香炉”が自慢だった。志郎が水沢家を訪れた夜、香炉の飾られた寝室で、正一の愛人で美人タレント高岡聖子が殺された。失踪と殺人。この二つの事件に関連はあるのか?志郎は妹千鶴と謎に迫るが、やがて第二の殺人が…。本格推理界期待の新鋭が贈る知的興趣あふれる問題作。
明治政界を揺がす陸軍省を舞台にした汚職・贋札事件。それを追う司法省警保寮少警部の謎の死と薩長土肥の暗闘。小栗上野介が秘匿したといわれる財宝をめぐって事件は意外な展開へ…。“秘宝シリーズ”第3弾。サントリーミステリー大賞受賞作家が放つ渾身の歴史ミステリー。
本書は、ある人物を主人公においたノンフィクション物語である。目次に掲げたテーマすべてに該当する人物である。福徳の招き方、知恵のため方・使い方、実現のさせ方などを心得た男の生きざまを知れば、リーダーにとっても、またビジネスマンにとっても大いに参考になると確信する。
メルヘンとは決して“夢のように優しい子供のためのお話”ではない。美しい少女と魔法の鏡を巡って展開する物語のなかにちりばめられた残酷さ、呪術性、死のイメージ、そして狂気-。グリム童話「白雪姫」を時代背景や影響を与えたと思われるいくつかの物語などの様々な角度から検証し、そこに潜む美しき悪徳を浮き彫りにする注目のメルヘン論。
本場アメリカへ行き、フォークギターの勉強をしたい。そのふたりの夢が、ようやくかなう日が来た。出発の三日前、卓也は胸をはずませてアパートのドアをたたくが…。70年代初頭のフォークに生きる青春を、透徹した眼差しで追った、著者初の書き下ろし長篇恋愛小説。
驚異の新人登場。脱サラし職業発明家になった貧乏な父の再起に力を貸す少年たくみが、幼稚園を中退するまでの哀しくも痛快な恋と人生。みずからの体験をもつにつづる、日本で(世界で?)初の園児小説、ついに刊行。
女帝オリアナの突然の崩御の報せは、銀河全域を震撼させた。領域に覆権を争う九つの貴家は俄然色めきたつが、故人の遺言状は思いがけぬ人物を後継者に指名していた。ケイラ・ルノーー。女帝の庇護のもとにあった一介のギルドマスターにすぎない。だが野心と才気に満ちたこの若者は、異をとなえる貴家に対等に互して、帝国を自らの手中に収める決意だった。絢爛たる銀河エピック。
どこからともなく供給される麻薬、物質Dがアメリカ中に蔓延していた。覆面麻薬捜査官アークターは、捜査のため自らも物質Dを服用、捜査官仲間にも知らさずに中毒者のグループに潜入し、彼らと日々を共にしていた。だがある日、彼は上司から命じられる。盗視聴機を仕掛け、アークターという名のヤク中をー彼自身を監視せよと。彼はその命令に従うが…。ディック後期の傑作。
エルフの大魔術師が造ったクリスタルの石板によって守られて、エレウォーン王国は繁栄をほしいままにしていた。ところがある日、石板が三つの断片に割れるとともに、邪悪なものがよみがえってしまったのだ。この窮状を救えるのは、はたして誰か?四つのシナリオからできたキャンペーンに基本ルールと追加ルールを付け加えた、究極のRPG〈ドラゴン・ウォーリアーズ〉第3弾。
夢の極超音速旅客“ファイアーフラッシュ号”を救え。600人の乗客の命を救うため、ロンドン空港に突如飛来した〈国際救助隊〉とは、いかなる存在なのか?昭和41年にNHKで初放映され大人気を博した、21世紀を舞台としたSF人形劇のノベライズ、ここに完成。
『発熱』『海を見たことがなかった少年(モンドとその他の物語)』に続く第三短篇集。新聞が取り上げそうな小事件を題材に、ドラマとしての悲劇性の復活が、明晰な言葉と文体に支えられて十一の短篇に結晶している。中堅作家として、独自の眼差でさらに変貌しつつ新たな小説世界を展開。
時は17世紀、舞台は疫病とピューリタン革命うず巻くロンドン。象をも空にふっ飛ばす未曽有の大女“ドッグウーマン”と彼女の拾い子ジョーダンは、自由の天地を目ざし、幻の女フォーチュナータを捜して時空を超えた冒険の旅に出る。英国の新鋭ウィンターソンが放つ奇想天外なベストセラー小説。