1990年6月発売
新聞を吸収した少女新聞を吸収した少女
1956年10月11日、アメリカ合衆国ネバダ州の田舎町、グレーシャス。小さな新聞社。忽然と姿を消した翌日売るはずの新聞と、ひとりの少女。時を同じくして町の人々の記憶から消失した、いくつかの不思議な「事件」は何を物語るのか。核実験場の町を舞台に謎の才人、ロジャー・パルバースが書き下ろした、異色ファンタジー。
遅れたレポ-ト遅れたレポ-ト
チェコスロヴァキアにおけるスターリン時代の人権侵害を事実にもとづいて告発したこの短篇集が1963年に刊行されると、全世界に重い衝撃をもたらし、作者は亡命生活を余儀なくされた。激動する現在の東欧問題を理解するために、まず再読されるべき名著。
われ山に帰るわれ山に帰る
愛すべき『彦一頓智ばなし』の作者小山勝清とは何者か。熊本の山村に育った文学青年は、大正6年、堺利彦の門をくぐる。労働運動、苦い挫折、柳田国男への師事と別れ、小説執筆の日々…。常にユートピアを追い「文明社会」に対峙した「山の民」勝清の、波乱の生涯を描く。近代日本の隠れた精神史を照射する伝記文学の傑作。