1989年4月発売
天然理心流の奥義を極め、剣ひとすじに我が道を生きようとする多摩の若鮎・土方歳三の行手の、維新回天の激流あまりにもすさまじく…、新選組副長として“誠”の旗の下、京の巷を跋扈したのち士道の美学に殉ずるべく1人生き抜く彼の雄姿は、北辺の地に炎のごとき生涯の最期の咆哮をあげる…。待望の書下ろし歴史長編。
飢えた淫獣たちのターゲットは、若くて豊満な肉体だ!衣服を剥ぎ取られ、大腿を押し開かれて凌辱の限りをつくされる生贅は、拒絶しつつも、熟れた花弁をしとどに溢れさせ、男を迎え入れると喘ぎ身悶えた…。実録事件小説の第一人者が描き切る話題の傑作群。
男の名は鬼羅魔介-平凡なひとりの男が激しい欲情に身を任すとき実の名を捨てる。みずからを邪悪な性の渉猟者と称し、禁じられた性の解放に生き甲斐を見出している。彼の行くところ、さまざまな愛欲と恥辱にとり憑かれた女たちが現れ、魔介の淫靡なる洗礼を受け、次々に性の奈落へと堕ちていく…。
美しく育った娘を目の前にしたとき、義父の理性はふっとび、まだ青く幼い性を無残に散らし、歪んだ性の虜にしあげていく。ふたりは和歌山から東京にとびだし、芸能界に身を投じる。が、そこは、成功の甘い夢と、血と汗と精液にまみれた男と女が蠢き、異常な愛技とセックスに溺れていくが…。
FC史上最高にして最強のR・P・G「ドラゴンクエス」待望の小説化。永遠に語りつがれる勇者ロトの英雄伝説。今、伝説の序章がひらかれる…。若き勇者による愛と勇気のファンタジー物語。
世界を闇から支配する四人姉妹ですらひれ伏す黒幕が、ついに動き出す。恐るべき某殺指令が、竜堂四兄弟の長兄・始に向けられた。そして、火と化した続、風を呼んだ終、水を奔らせた余に続いて、最後に変身する長兄は、どんな竜になって天を翔けるのか?ノベルス界に大衝撃を与えた超人気シリーズ、熱望の第4弾。
合衆国大統領の実兄がリビアに誘拐された。自国側の大物テロリストがCIAの手に落ちたと考えたリビアが報復に出たのだ。しかし、CIAはその件には一切関与していなかった。一触即発の事態を収拾すべく、ホワイトハウスは“モルディダ・マン”を雇ったー国際紛争のはざまで大国を手玉にとる男どもを描き、巨匠が真骨頂を示す傑作。
ロボットという言葉はこの戯曲で生まれて世界中に広まった。舞台は人造人間の製造販売を一手にまかなっている工場。人間の労働を肩代わりしていたロボットたちが団結して反乱を起こし、人類抹殺を開始する。機械文明の発達がはたして人間に幸福をもたらすか否かを問うたチャペックの予言的作品。
彼女と一緒に犬探しに没頭した二日間、ぼくは自分の部屋へも戻らなかったかし、酒も飲まなかった。生活がいつもの単調さを失ったおかげで、アルコールの助けを借りなくても眠れたのだ。たった一晩の禁酒で、ぼくの体は見違えるように軽くなった。いつもの朝、起き抜けに胃の腑から背中にべったりと張りついている泥。その汚れた重みが、ぱさぱさに乾いて剥げ落ちたような感じだった。ところが実際にはぼくの体はひどく病んでいたのだ。本人であるぼくですら分からなかったのだが。もちろんマリノレイコも、ぼくの体の異常には気付かなかった。知っていたのは、犬だけだったのだ…。
わが国でもっとも愛される「最後の一葉」をはじめ「警官と讃美歌」「賢者の贈りもの」「忙しい株式仲買人の恋物語」など十六編。短編の名手が庶民の姿を独特のユーモアとペーソスで描く傑作集。