1989年1月発売
数年前、夏の軽井沢で女子大生が酒に酔った男友達に暴行されたうえ殺害された。男の弁護士だった原玲子にとって、事件はすでに過去のものだった。だが、ひとりの男がその事件を忘れていなかった。囚われた美貌の弁護士・玲子の肉体は死に勝る激しい拷問の嵐に晒れる。あまつさえ妹の翠までが男の手に陥る。いまわしい事件の背後に何が隠されているのか!?復讐鬼のえじきとなってのたうつ美女の肢体を激写するハード・バイオレンス・ポルノ。
鎌倉幕府を倒した建武政権は、カビの生えた貴族哲学によって武士と農民を虫ケラに扱い三日天下で崩れ去る。世は南北朝の動乱に-。我欲と権謀におぼれる公卿集団。理念と政略の欠落した武将の群れ。苦悩する民衆の期待は一人尊氏に集中する。「この乱世を治める人物がたった一人いる。それは敵将の足利尊氏」と名将楠木正成は後醍醐帝に進言したが-。
純愛映画制作についてのファミコンゲームをめぐる小説から現実と虚構の既成概念を無化した新しい〈愛〉と〈日常〉を描く!無重力世代の表現を予兆する22歳の新鋭の優しいメタ・ノベル!第5回「海燕」新人文学賞、“正方形の食卓”を併録。
何か1つプレイするたびに言いわけをしなければ気のすまない男を主人公にした「弁解屋アイク」、とんでもない癖の持ち主で誰も同じ部屋に泊まりたがらない「相部屋の男」-本場アメリカを舞台に描く抱腹絶倒のユーモア野球小説を中心に編んだ7篇。
天正年間、薩摩攻略から朝鮮出兵に至る秀吉の晩年の動静を、著者の郷里の城主・小早川隆景の恩顧をうけた武将たちが、茶会記という形式のなかであたかも日常の風景のように交々語り、その時代相を浮彫りにした名作。
…馴染んだ男には感じられない、ときめきとスリルがあって、脳が痺れるほどの快感に、身も心も乱れて…。ナンパを生き甲斐にしている信夫が、ナンパで手に入れた妻の美也子に裏切られて、不倫の乱気流が渦巻く、官能長編ロマン。
白昼の東京駅新幹線ホームでサブマシンガンが炸裂、暴力団多羅尾組の組員と、偶然に居合わせた舞台女優伊衆院朋子が死んだ。組織抗争の巻きぞえかと思われたが、警察手帳を持たぬ刑事・香月功は単独捜査を開始し、意外な事実をつかんだ。朋子の兄で画商の寛治が、暴力団から売却を依頼されたフランス名画を持ったまま失踪していたのだ。だが、捜査をすすめる香月の前でふたたび殺人事件が発生、さらに「犯人は香月」と謎のタレコミが…。はたして寛治の行方は?朋子の死の真相は?円熟味を増した名手が自信を持って放つ大好評。“顔のない刑事”シリーズ待望の書下ろし第七弾。