小説むすび | 出版社 : 鳥影社

千利休から古田織部へ、そして小堀遠州へと受け継がれた『美の系譜』を探る壮大な歴史物語。戦国の世から幕藩体制への大変革期を生き抜いて、桂離宮を初め美の遺産を後世へ伝えた巨人の生涯。

グリムのメルヒェン集と伝説集を中心に、『ドイツ神話学』やヘーベルの『暦物語』までを踏まえて、魔女とユダヤ人の描かれ方、その変化の実態と意味を探る。

永井荷風に憧れ慶應義塾に入学するも、その思い届かず、人知れず葛藤した小島政二郎。大正から昭和の文壇を隅々まで知りつくした彼ならではの、荷風の実像に迫った幻の書。

ここに収められた作品は、1970年以降のスイスの女性作家たちが描いたスイスの女性像である。当然、それぞれの世代によって異なった方法と状況がある。しかし、ひとつひとつの作品を読んでいくと、その多様性と開放性とに驚かされる。そして短編ながら、個々の作品は深い味わいをもっている。

イギリスの怪奇小説黄金時代を彩った女流作家８人の短篇集。

舞台はウィーン、主人公は娘をもつ女性。別れた夫、自殺をする女友達、恋人との葛藤、彼女の孤軍奮闘の日々を描く。

ポストモダンの愛の小説。メタファーやメトニュミー、言葉遊びを駆使して、男女の愛の力関係を挑発的に描く。現代文学の可能性の限界に挑んだ傑作。

怖い話、不思議な話、奇妙な話…「ピアノの弾き語り」で進行する、９夜連続、異色の音楽ミステリー。

少女をめぐる争いに巻き込まれた洪庵が、その背後にひそむ思わぬ謎にいどむ表題作をはじめ、連作中編４本を収録。

今は亡き三木のり平との出会い、と学生演劇活動。そして、戦中・戦後の俳優座で磨きをかける女優三戸部スエの半生と俳優座劇団史。

貧に生き、貧に死んだ女の一生。

ああ、俺あ本物のデグノボーさ、なってしまいあんした。きっとご免してけろじゃ…哀切だがどこかユーモラスな賢治の人生とその人物像を、いきいきと骨太に描き出す。

父の帰りを持つ母と娘と息子、だが時間が過ぎても戻ってこない。この些細な出来事をきっかけに、父が作り上げたものはもろくも壊れる。緊迫した筆致で描く傑作。

女は踏みつけにされる側の世界に属している。少女の時にそう悟った主人公はどう生きるのか？彼女は、周りの人間たちのなかに自分の居場所を探そうとする。だが、それは悪意ある罠を仕掛けることにしかならない。それでは他にどんな生き方が？

食人鬼は、いかに『作られた』か？内的世界の広がり。雨宮雨彦のファンタジーワールド。

ボートに託した青春の甘美な思い出とよみがえる戦争の悪夢。激動の時代を毅然と生き抜いた女性を主人公に、今に繋がる歴史の鎖を追う、渾身の大河ロマン。若き医学徒の悲劇。