出版社 : 筑摩書房
元オーストリア陸軍少尉ヴィトーリンは、捕虜収容所での屈辱を晴らそうと革命後のロシアへ舞い戻る。仇の司令官セリュコフを追う壮大な冒険の物語。
植物の刺繍に長けた風里が越してきた古い一軒家。その庭の井戸には芸術家たちの悲恋の記憶が眠っていたーー。『恩寵』完全版を改題、待望の文庫化!
風里が暮らす古い一軒家には悲しい記憶が眠っていた。高名な書家・村上紀重とその娘・葉、葉と恋仲になる若き天才建築家・古澤響、過去の出来事が浮かびあがるうち、風里にも新たな試練が。風里は人々の想いをほどき、試練を乗り越えることができるのかー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・韓国で135万部突破チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化社会現象を巻き起こした大ベストセラー小説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本でも圧倒的共感の声! 「これはわたしの物語だ」異例の大ヒットで、ついに22万部突破!!「女性たちの絶望が詰まったこの本は、未来に向かうための希望の書」--松田青子2019年間ベストセラー(「単行本 文芸書」部門第8位/トーハン調べ、「単行本 フィクション」部門第10位/日販調べ)6か月連続売上第1位! (2019年1-6月 海外文学部門/トーハンTONETS i調べ)ひとつの小説が韓国を揺るがす事態にK-POPアイドルユニットのRed Velvet・アイリーンが「読んだ」と発言しただけで大炎上し、少女時代・スヨンは「読んだ後、何でもないと思っていたことが思い浮かんだ。女性という理由で受けてきた不平等なことが思い出され、急襲を受けた気分だった」(『90年生まれチェ・スヨン』 より)と、BTS・RMは「示唆するところが格別で、印象深かった」(NAVER Vライブ生放送 より)と言及。さらに国会議員が文在寅大統領の就任記念に「女性が平等な夢を見ることができる世界を作ってほしい」とプレゼント。韓国で社会現象にまで発展した一冊は台湾でもベストセラーとなり、ベトナム、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、スペインなど25カ国・地域で翻訳決定。本書はもはや一つのだ。ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかの様子のキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児……キム・ジヨン(韓国における82年生まれに最も多い名前)の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。「キム・ジヨン氏に初めて異常な症状が見られたのは九月八日のことである。(……)チョン・デヒョン氏がトーストと牛乳の朝食をとっていると、キム・ジヨン氏が突然ベランダの方に行って窓を開けた。日差しは十分に明るく、まぶしいほどだったったが、窓を開けると冷気が食卓のあたりまで入り込んできた。キム・ジヨン氏は肩を震わせて食卓に戻ってくると、こう言った」(本書p.7 より)「『82年生まれ、キム・ジヨン』は変わった小説だ。一人の患者のカルテという形で展開された、一冊まるごと問題提起の書である。カルテではあるが、処方箋はない。そのことがかえって、読者に強く思考を促す。小説らしくない小説だともいえる。文芸とジャーナリズムの両方に足をつけている点が特徴だ。きわめてリーダブルな文体、等身大のヒロイン、ごく身近なエピソード。統計数値や歴史的背景の説明が挿入されて副読本のようでもある。」(訳者あとがきより)解説:伊東順子装画:榎本マリコ装丁:名久井直子
他の病院で断られたわけありの患者も引き受ける堕胎専門医、新興宗教にはまる妻、元患者の愛人、胎児の処理をさせられる書生……歪な病院で起きた患者の失踪の?末(表題作)。新婚旅行初夜の新婦を襲う救いようのない悲劇(「ブラック・ハネムーン」)。めくるめく官能と幻想、常人の倫理を超えていく不条理と奇想によって独自の世界観を作り出す官能ミステリの女王の傑作をこの一冊に凝縮。
過度な自己破壊衝動を持つ男は最愛の妻を得ることで生きる意味を見出したかに思えたが、主治医の男と妻の関係に疑念を抱く(「落ちる」)。うだつの上がらない万年平行員の宿直当番中に銃を持った強盗が現れた。その意外な顛末とは?(「ある脅迫」)。サスペンスからユーモア、本格推理、叙情豊かな青春までバラエティに富む昭和ミステリの傑作短篇集。単行本未収録作「砂丘にて」収録。
深夜、電話の音でアリスンは目が覚めた。それは伯父フェリックスの急死を知らせる内線電話だった。死因は心臓発作とされたが、翌朝訪れた陸軍情報部の大佐は、伯父が軍のために戦地用暗号を開発していたと言う。その後、人里離れた山中のコテージで一人暮しを始めたアリスンの周囲で次々に怪しい出来事が…。暗号の謎とサスペンスが融合したマクロイ円熟期の傑作。
人生で大切なことはすべてゲームから学んだ。古典から新作、洋の東西、ジャンル、メジャー/インディーズを問わずありとあらゆるゲームの魅力にとりつかれた若者が経巡る栄光と喪失の遍歴。あの時、あの人、あの場所、思い出は常にゲームとともに、明滅するドットの奥でよみがえるー。
田舎町のお屋敷付き運転手、P・モーランは通信教育の探偵講座を受講中。気分はすっかり名探偵で、学習した探偵術を試してみたくてたまらない。ところが尾行術の練習相手がたまたま本物の犯罪者だったり、強盗事件に巻き込まれたりと、毎回なぜか大騒ぎに。シロウト迷探偵の活躍を描くユーモアミステリ連作集。新訳「P・モーランの観察術」を追加収録した完全版。