小説むすび | 出版社 : 産業編集センター

出版社 : 産業編集センター

日下狂四郎の奇奇怪解日下狂四郎の奇奇怪解

人が真実から目を背ける限り、その闇から妖怪が生まれる── ぬらりひょんと呼ばれる穀潰し男と警官志望の元軍人が、 人をだまし惑わせる妖の正体を解き明かす!  時は明治末期。日露戦争が終わって早一年が経とうというのに、民衆の生活は困窮するばかり。兵隊時代の貯蓄が僅かとなった僕こと犬飼馬鞭助(いぬかいまめすけ)は、武を活かす職を求めて東京に流れついた。ひょんなことから、牛乳店を営む三木りん(みつきりん)の屋敷に居候して、警官職の試験を受けることに。  居候を続けるうちに、三木牛乳店に「ぬらりひょん」と綽名される男が、寄生していることを知る。  その男の名は日下狂四郎(くさかきょうしろう)。洋装を身にまとった、ちぢれたザンバラ髪のいかにも怪しい男で、「妖怪狩り」を生業にしているという。民衆の無知蒙昧に付け込み、人心を流言飛語で惑わす連中を、飯の種にしているとのこと。  ならばと、僕は狂四郎という人物を見定めるため、天狗の祟りで奇怪な犬が生まれた村の調査に同道することになった…。 第3回黒猫ミステリー賞特別賞受賞、痛快デビュー作! 装画:平沢下戸 第一話 ぬらりひょんの住む家  第二話 天狗犬 第三話 化け猫の怪 第四章 べとべとさん

[新版]ジャパン・ディグニティ[新版]ジャパン・ディグニティ

2023年9月全国公開映画「バカ塗りの娘」(出演:堀田真由、小林薫、坂東龍汰、宮田俊哉)原作小説。 映画化に伴い、2014年刊行小説にアフターストーリーとなる42pの特別書き下ろし「あとは漆が上手くやってくれる」を加え、映画仕様の帯で新版として刊行! 〈あらすじ〉 22歳の美也子は津軽塗職人の父と、デイトレーダーをしているオネエの弟との三人暮らし。母は、貧乏暮らしと父の身勝手さに愛想を尽かして出て行った。美也子はスーパーのレジ係の傍ら、家業である津軽塗を手伝っていたが、元来の内向的な性格と極度の人見知りに加え、クレーマーに苛まれてとうとうスーパーを辞める。しばらくの間、充実した無職ライフを謳歌していたが、やがて、津軽塗の世界に本格的に入ることを決めた。五十回ほども塗りと研ぎを繰り返す津軽塗。一人でこつこつと行う手仕事は美也子の性に合っていて、その毎日に張りを与え始める。父のもとで下積みをしながら、美也子は少しずつ腕を上げていき、弟の勧めで、オランダで開催される工芸品展に打って出ることに。 青森の津軽塗を通して紡ぐ、父娘の絆と家族の物語。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP