出版社 : 徳間書店
引きこもりの湊大海は、ある日、口ばかり達者なトラブルメーカー・一色颯太郎と同居することになった。いやいやながら大海が駅へ颯太郎を迎えに行くと、彼はサラリーマンと口論の真っ最中。大勢の前で颯太郎に論破された男は、チンピラを雇い暴力による嫌がらせをしてきた。引きこもりの巨漢と口ばかり達者な青年が暴力に立ち向かう!稀代のハードアクション作家・矢月秀作の新境地。
夜の街でやんちゃが少し過ぎた俺は、裏社会の大物である祖父ちゃんの差し金でマンションの管理人見習いに。だがそこは高額の家賃を払って規約を守り、住人とトラブらない限り、どんな奴でも入居可能。「なんでもアリ」のマンションだった。マンション内での殺しは茶飯事、日本人だけでなく、各国からもくせ者たちが集まっている。任期は1年だが、命がいくつあれば足りるだろうか……。痛快ノワールコメディ。
最愛の人を喪った武蔵は、笑みを絶やさなかった。それは鉄壁の鎧のごとくであって、余人の付け入る隙を与えぬがためである。 槍術の達人・宝蔵院胤栄、そして天下の剣豪・柳生石舟斎とあいまみえながら見据えるのは佐々木小次郎の姿。ときに憎しみに近い妬心を、ときに身を捩りたくなるような懐かしさを覚えさせる男。 いざ、決戦のとき。衝撃と感涙のクライマックスに向けて物語は猛然と突き進む。 堂々のシリーズ最終巻!
新進ピアニスト三郷夕鶴は、父伴太郎の誕生会の日、見知らぬ男から父への伝言を手渡された。紙片には「はないちもんめ」とだけ書かれていたが、それを見た伴太郎は表情を変えたのだ…。父の友人で古美術商の甲戸天洞の娘麻矢は夕鶴の親友。「はないちもんめ」の意味を探るため、夕鶴はルポライターの浅見光彦に会うが、同席するはずだった麻矢から、天洞の死の報せが!?
月忌命日代参を控えた大奥大御年寄・絵島の拵え仕事で銀次郎が受け取った報酬は、江戸城御金蔵に厳重に蓄えられてきた「番打ち小判」だった。一方、銀次郎の助手を務める絶世の美女・仙が何者かに拉致。目撃者の話から、謎の武士・床滑七四郎に不審を覚えた銀次郎は、無外流の師・笹岡市郎右衛門から、床滑家にまつわる戦慄の事実を知らされる!!苛烈なるシリーズ第二弾いよいよ開幕!
警視庁の定年間際刑事の吹き溜まり、パー課こと捜査八課の津川雪彦警部補は、実は銀座の貴金属店の御曹司で元公安外事の凄腕。桜田門一スケベで不真面目なスチャラカやんじぃたちに、暴力団絡みの詐欺事案を追う特別任務が下された。ミッションはヤミ金・クレジット偽造団の壊滅。面倒だったら逮捕はしなくてもいいなんて…。著者独壇場の痛快淫乱スラップスティック警察官能第二弾!
明治天皇が北海道に行幸し、義経号に乗車する。だが、北海道大開拓使・黒田清隆に恨みをもつ屯田兵が列車妨害を企てていた。探索に放った諜者は謎の死を遂げた。警視総監は元新撰組三番隊長斎藤一こと藤田五郎に探索方を依頼。藤田に従うのは清水次郎長の子分、法印大五郎。札幌入りした二人は、不平屯田兵の妻が黒田に乱暴され首吊り死体となった事件を探る。書下し長篇歴史冒険推理。
暴力をふるうようになった恋人と別れたい(「泥棒猫貸します」)。人のものを何でも欲しがる女ともだちに取られた恋人、二人を別れさせたい(「九官鳥にご用心」)。さまざまな状況で、つらい目にあっている女たちの目に飛び込んできた「あなたの恋人、友達のカレシ、強奪して差し上げます」という怪しげな広告。依頼され、男たちを強奪していく“泥棒猫”こと皆実雛子の妙技と活躍を描く六篇の連作ミステリ。
1690年、伝説の切上り長兵衛によって発見されて以来、閉山までの283年間で65万トンの銅を産出し、巨大財閥住友の礎となっただけでなく、日本の貿易や近代化にも大きく貢献した愛媛県新居浜市の別子銅山。江戸時代の貨幣改鋳にも深く関わった世界屈指の鉱山を舞台に、歴史を彩った熱い人々を鮮烈に描く、魂が揺さぶられる大河ロマン!
宮本武蔵。弁之助は自らをそう名乗った。名付け親は佐々木小次郎。 小次郎はまさに天才的武芸者だ。翻って、自分はこの京にあふれる無数の牢人のなかでどう抽んでればよいのか。 北白川城趾に向かう最中、気配を感じ振り返る。頬に切先。取り囲む野臥せりたち。だが次の瞬間、武蔵は意外な態度を取る。物思いに沈んだのだった。 死。死。死。際限のない死と引き換えに武蔵が手にするものとは。傑作大河小説、圧倒の第五巻!
零細工場の息子・山崎瑛(あきら)と大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬(かいどうあきら)。生まれも育ちも違うふたりは、互いに宿命を背負い、自らの運命に抗って生きてきた。やがてふたりが出会い、それぞれの人生が交差したとき、かつてない過酷な試練が降りかかる。逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まったーー。◆2017年7月9日(日)よる10時スタート、向井理×斎藤工W主演!WOWOW連続ドラマ原作。
悪名高い実業家添田が、白馬にまたがった黒い鎧の騎士に剣で殺されるという謎の事件が発生。しかも愛人今日子の目の前で!次に騎士が現れたのは、あるパーティ会場。製薬会社会長の黒川の心臓を槍でひと突きにした。騎士の正体とは?何が目的なのか?!現場に居合わせた鈴本芳子は、被害者の娘黒川さつきに相談を受け、おなじみ“第九号棟の仲間たち”と「黒い騎士事件」に迫る!
老夫婦が住んでいた空き家で、男女の白骨死体が発見された。行方不明になっていた夫婦の銀行口座からは二千万円が引き出されていることが判明。捜査を進めると、他に高齢者夫婦が三組、行方不明になっていることもわかった。立て続けに起った高齢者失踪事件。しかし、上層部の消極的な姿勢が捜査の邪魔をして…。葛木父子の所轄魂に火がついたとき、衝撃の真相が明らかになる!本庁が事件を潰す?リアル警察小説!!「所轄魂」シリーズ第2弾!
巣鴨の路上でIT企業社長が刺し殺された。目撃者も凶器も発見できず、剣持直樹たち極秘捜査班に白羽の矢が立つ。社長は粉飾決算を繰り返したが、会社は倒産。その前に、起業家仲間、投資会社を始め企業舎弟や闇金業者からも金を借りまくり、個人資産五億円を密かに交際中の元タレントに預けていた。金の臭いを嗅ぎつけたハイエナ達が暗躍する実態が次々と明るみに。長篇サスペンス。
分裂で揺れる山口組がかつて経験した大分裂抗争「山一抗争」。発端は1985年1月に起きた一和会系ヒットマンによる四代目山口組・竹中正久組長射殺事件だが、その竹中四代目の実弟で、竹中組組長として08年に他界した竹中武の生涯を、豊富なエピソードと躍動感のある筆致で描く実録小説。一和会への報復に執念を燃やすあまり山口組から離脱、ついには山口組から攻撃されるが、それにも耐え抜き、独立組織を守り通した男の生き様が鮮やかに蘇る!
わたしは特別。みんなとは違う。何者かになるべき存在。幼い頃から、今井花梨はそう思い込んできた。三十二歳になった今は、もう、いくら何でもそんなふうには考えない。考えられない。それでも、「人に注目されたい」「みんなから羨ましがられたい」という強迫的な願望から、どうしても逃れられずにいる…。そんな花梨が陥った罠は、あまりにもエロティックな匂いに満ち満ちていた。
陸奥国の小藩・大仁戸藩に、お家騒動が勃発。藩政を壟断する国家老に反旗を翻した若侍十六人が、駕籠訴に及ぼうと江戸表に向かう。彼らの暴発は藩を取り潰したい幕閣の思う壺。大仁戸に隠されたという銀五万両を巡る策謀が動き出した。訳あって江戸に隠棲していた銅雲斎はじめ凄腕の老骨三人が、故郷の危機に立ち上がる!めっぽう強いジイさま対公儀隠密集団。決戦の火蓋が切られた!