出版社 : 徳間書店
「明石原人」を取材中の若き新聞記者・前田淳子が須磨駅で行方を絶った。新聞社の依頼を受けた浅見光彦は、彼女と最後に会った女子大の後輩・崎上由香里とともに捜索を開始する。事件当日、須磨浦公園駅のロープウエイ乗り場にいた不審な男二人連れの足取りをたどって鉢伏山の山頂に向かうが…。悲劇は悲劇を呼び、事件は恐るべき連続殺人へ。そしてついにつきとめた意外な犯人!大人気の旅情ミステリー。
伊豆の地にひとり流された源頼朝は、まだ十代前半の少年だった。土地の豪族にうとまれ、命さえねらわれる日々に、生きる希望も失いがちな頼朝のもとへ、ある日、意外な客が訪れる……かつて、頼朝の命を不思議な方法でつなぎとめた笛の名手・草十郎と、妻の舞姫・糸世の運命もまた、この地に引き寄せられていたのだ。 土地神である神竜と対峙し、伊豆の地に根を下ろしていく少年頼朝の姿を描く、人気作『風神秘抄』姉妹編。
魚釣島で日本人が中国人民解放軍に拘束されたことを機に海自と中国軍が交戦状態に入った。在日米軍もこれに呼応。沖縄を舞台に“戦争”が勃発。沖縄生まれの渋谷賢雄も民間の自警軍ー琉球義勇軍に参加し激戦を生き抜くが、突然の終戦。彼は東京に居を移す。すると、周辺を不審な輩がー。国際謀略アクション、新たな傑作誕生。スピンオフ短篇を収録し文庫化。
何が何だかわからないまま、広島駅でかあちゃんに汽車に押し込まれ、着いたところが佐賀のばあちゃんの家。小学2年生の昭広少年を待っていたのは、がばい(すごい)ばあちゃんとの貧乏だが楽しい毎日だった……! シリーズ総計550万部の国民的大ベストセラー、待望の新作登場! 抱腹絶倒の新たなエピソードも加え、生きる勇気と知恵がわいてくる現代人必読の一冊。(文庫オリジナル)
男と女が鉄道に飛びこんだ。心中かーー新聞記者の広瀬為次郎は特ダネのにおいを嗅ぎつけ現場に向かった。由緒正しき芳村伯爵家の若夫人とお抱え運転手の情死行に新聞のスクープ合戦は過熱。一方、広瀬は取材を重ねるうちに華やかに見える伯爵家の実情と華族社会の頽廃を目の当たりにする……。大正時代、実際に起こったスキャンダルをもとに、運命に翻弄された悲恋の行方を描いた名作。(解説:澤田瞳子)
奉公してから十五年、ようやく自分の店を持つことになった料理人の伴次。店を持ったら女手が必要になる。そろそろ女房を持ってもいいのではーその時、伴次に苦い思いが湧いた。七年前、一緒になるという約束を破り、他の男と所帯を持ったおつな。だが男に騙され、女郎屋に売られたあげく体をこわして死んだのだ…。己の腕を頼りに懸命に生きる職人の姿を描いた傑作時代小説集。
砂鉄を探しに入った山中で、歩き踏鞴衆の娘・多霧は大量の惨殺死体に遭遇する。唯一の生き残りらしい瀕死の若者を発見、手当の後、目を離したすきに彼は消えた。「逃げろ、俺に関わるな」という一言を残して…。一方、多霧の属する橘衆は覆面武家集団の襲撃を受けていた。彼らの目的は「不死の者」を探すことだった。鉄の民の誇りをかけた死闘のゆくえは?そして謎の若者の正体とは?
アメリカの学校で学んでいた三橋和樹は、“スクールカースト”の対立によって起きた銃乱射事件に巻き込まれてしまう。傷心のまま日本へと帰国する和樹。しかし日本の学校にもアメリカと同様、スポーツ組とオタクなどによる対立構造が存在していた。ある日、エアガンの無差別発砲事件が和樹の町で起こる。立場の弱い者の仕業でないかとの噂に、和樹は真相を探ろうとするが…。
やはり、潮時なのかもしれぬな…。奥州白河藩主松平定信の隠し子にして、その密命で暗殺を行う刺客として生きてきた蒼二郎。しかし今は、辰次、澄江、丈之介ら仲間たちと共にする、市井の民のための闇仕置にこそ、真に一命を賭して戦う価値があるーそう思い始めていた。父と決別した蒼二郎であったが、新たな戦いが待ち受けていた。そして母の峰姫を惨殺した仇敵の正体とは…!?
2018年6月、歴史的な米朝首脳会談が行われたが、その大きなテーマの1つは核施設の放棄だ。過去6回の地下核実験が行われた朝鮮半島北東部の豊渓里(プンゲリ)。核開発エリート技官を夫に持つ脱北著者が小説の形を借りて明かす衝撃のノンフィクションノベル! 三代にわたる金一族の絶対権力、核への執念、失われたのどかな暮らし。ベールに包まれていた豊渓里の核実験場、ついに封印が解かれる!
ようやく築いた生活とジャズの夢を奪われるマーキス/アメリカ。大切な人生の仲間と自負を失うワイン農家のホセ/スペイン。銃をとり、人買いの手から娼婦の妹を守るマルコ/フィリピン。北米、ヨーロッパ、アジアの国々の参戦、そして日本。地球規模のパワーゲームが私たちに強いるであろう決断と残懐。小説には力があると信じられる12篇!
姉である後桜町帝の密命を受け、朝廷と幕府の共存の道を探ってきた京ノ介だったが、その思惑とは裏腹に朝幕の対立はますます深まっていた。さらに南朝勢力も不穏な動きを深め三つ巴の様相に。各勢力が新帝擁立を画策する中、京ノ介は南朝方に囚われている母麻衣の救出に向かう。先帝の落胤である京ノ介を新帝にとの機運が高まり、京ノ介はついに決断を迫られるがー。シリーズ完結篇!
稲妻の異名で幕閣からも恐れられる前の老中首座で近江国湖東藩十二万石の藩主・大津河安芸守。幼君・家継を亡き者にして大坂に新幕府を創ろうと画策する一派の首領だ。側用人・間部詮房や新井白石と対立しながらも大奥の派閥争いを利用してのし上がってきた。旗本・御家人、そして全国の松平報徳会の面々が次々と大坂に集結する中、遂に銀次郎も江戸を出立した!新読者急増シリーズ第四弾。
江戸・深川にある十六夜長屋に幼い娘と暮らす泥鰌獲りの甚六は、ある日大川で、傷つき倒れていた大男を助ける。男は記憶を無くし、素性がわからない。とんでもない怪力の持ち主で俊敏。でも臆病。そんな奇妙な男と長屋のみんなが馴染んできた頃、甚六たちは大家から善光寺参りに行かないかと誘われた。そこには正体不明の男をめぐる密かな企みが…。
十八歳、小柄、子猫のようにしなやかな肉体と愛らしい顔ー共通する特徴の女性が長崎と東京で殺され、犯人は“子猫コレクター”と呼ばれることになった。そんなおり、十津川は鳥取県境港市で“猫娘コンテスト”が開催されることを知り、境港へ飛んだ。厳戒態勢のなか猫娘コンテスト優勝者が誘拐され、さらに犯人から「次は鎌倉で、可愛い子猫を誘拐する」との予告電話が!?長篇推理。
五ツ木守男は自殺のために準備万端、毒入りステーキを用意した。いざ!その前にトイレ……戻ると、なんと食いしん坊の国務大臣がステーキを頬張っているではないか!慌てた守男は四階から転落死。現場に駆け付けた四道警部は、真赤な犬を見たという女中の証言が気になっていたーーそんな犬、存在する?さらに雪山で扼殺死体まで見つかってさあ大変!ハイカラで流麗な本格ミステリ復刊。(解説:千街晶之)
瀬戸内海を望む香川県丸亀市。野球をこよなく愛する桂子は、クラスメイトのざっきゃんに誘われ、野球部の女子マネになる。目指すはもちろん甲子園! 夏の県予選は準決勝で負けたけど、秋の大会に向けて再び練習に励む。そんな時、野球と同じくらい大好きなレッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジ似の河崎くんに出会った桂子は……。甘酸っぱくてちょっとほろ苦い青春物語。
とある密命のもと、巨悪を葬る人斬りを業とする松平蒼二郎。辰次、澄江、丈之介ら、一癖も二癖もある仲間と共に、人知れず悪を斬る。その存在を知る者は極めて少ない。だがその正体が、火付盗賊改方、荒尾但馬守成章に気づかれてしまう。成章としては、好き勝手に見える彼らの闇仕置を断じて容認するわけにはいかぬ。追いつめられた蒼二郎たちは…。剣豪小説、圧巻の第四弾!
十文字扉、職業電球交換士。節電が叫ばれLEDライトへの交換が進む昨今、仕事は多くない。それでも電球にこだわる人の求めに応じて電球を交換し生計を立てている。人々の未来を明るく灯す……はずなのに、いく先々でなぜか巻き込まれるやっかいごとの数々。自分そっくりの男が巷で電球を交換してる? 最近俺を尾行してる黒い影はなんだ? 謎と愉快が絶妙にブレンドされた魅惑の連作集!